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寝子暦1371年のハッピー・ハッピー・ハロウィン☆デイズ!
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日本で一番、華やかなハロウィンを楽しんでいる場所は、渋谷でも心斎橋でもなくきっとここ寝子島だろう。オレンジと黒、あるいは青ひょっとして緑、黄色に赤はもちろん蛍光ピンクまで、さまざまな色彩の仮装が島じゅうを練り歩いているのだから。現象は繁華街にとどまらない。寝子島では、住宅地をふくむ津々浦々までハロウィンに染まる。
そんな寝子島でも突出してカラフルなのは、夕方からはじまったハロウィンパレードであろうか。電飾たっぷり花火も絢爛、かがやかしい提灯行列が島を行脚するのだ。
魔女風のとんがり帽子の色は黒、チョーカーも手袋も黒だがワンピの柄は、オレンジをまじえたストライプだ。ニーソックスだって紫と黒、黄色やオレンジのリボンをあしらった飾りつけ。手作りと既製品を組み合わせたこのキュートないでたちで、
愛猫 萌々子
は全身鏡の前に立った。
我ながらいい出来ですね。
萌々子の背後を何人もの寝子高生が通り過ぎた。桜花寮の寮生たちだ。ほぼ例外なく仮装だ。悪魔っ娘やカボチャマスクは当たり前、アメリカンコミックスのヒーロー、忍者に甲冑騎士、サイバーパンキッシュなサイボーグ、はたまた偽サンマさんまでが一斉に、パレードめざし寮を出ていく。出撃と表現したくもなる。でもこれは天地がひっくり返ったためではない。寝子島ではごく当たり前の、ハロウィンらしい光景だった。
それにしてもと萌々子は考える。
ほんの三年前だったら、こんな日々が待っているなんて夢にも思わなかった。
非日常が日常、それが寝子島だ。
かつての萌々子にとって日常は、父親への服従と周囲からの同調圧力、見て見ぬふりや没個性とイコールだった。目の前から人がいなくなれば悪口大会が即開幕、『あなたのためを思って』を大義にしたモラハラも横行、枠からはみ出た者には集中砲火が暗黙のルールで、あらゆる少数者は排斥されて当然とみなされていた。それで地元の政治家は、清く平和なふるさとなどと称していたのである。『しょせん世の中そんなもの』という諦念のような理解が、萌々子のなかに根を張っていた。毎日なにも面白いことはなかったし、かといって逃げ出すとか、反抗するという勇気もなかった。このまま波風立てず空気を読んで、ワンオブゼムとしてほの暗い人生に埋没するはずだった。
けれど胸の内にたまっていた非日常への憧れが、洪水となってあふれたのは高校への進路決定のときだ。これまでわがままひとついわず、どこへ出しても恥ずかしくない理想的な『父の娘』だった萌々子がはじめて勇気を出して、寝子島高校への進学を希望したのである。地元の進学校へ入れるつもりだった父は難色を示したものの、萌々子の決意はかたかった。彼女の熱意はついに願いを現実へと変えたのである。
かくして入学し、わずか二年足らずで萌々子の人生は、それまでの十数年を凝縮したよりも何倍も濃くて何倍も刺激的なものとなったのである。たとえればブラウン管の白黒テレビが、一足飛びで8K画像処理エンジン搭載の液晶モニターに突然変異したようなものだろうか。
萌々子が生来もつ真面目さや礼儀正しさは変わっていない。けれども中学時代の知り合いがいまの萌々子を見たら、別人ではないかと思うかもしれない。それくらい彼女には笑顔が増えた。声にも張りが出た。毎日が楽しい。それに恋人もできたのだ。本当に、あのとき思い切って寝子高進学を希望してよかった。つくづくと思うのである。
カボチャをかたどったバスケットをさげ、パレード開始地点まできた萌々子は彼氏の姿を探した。
先輩はまだ……?
ではなかった。もう来ていた。彼を見つけると、萌々子は声を上げて片手も上げた。
「先輩! よくお似合いですよ! サイズも合ってるみたいで安心しました」
万条 幸次
ははにかんだように頭をかく。
「そうかい?」
幸次は萌々子と衣装をあわせていた。萌々子が魔女なら自分は使い魔の猫男、髪色にあわせた猫耳カチューシャをつけ、吸血鬼風に襟を立てた燕尾服にベスト、ワイシャツに蝶ネクタイ、王子様みたいなカボチャパンツの組みあわせ、ちょっと恥ずかしいがニーソックスも萌々子とカラバリちがいのおそろいだ。健康的な絶対領域がまばゆい。
幸次のコーディネートをあつらえたのは萌々子だ。それぞれ単体でもハロウィン感たっぷりな仮装だが、並べばまさに絵本の世界、マジカルでミステリアスでもちろんグッドルッキンなカップル装とあいなった。
実を言えばここに来るまで幸次は、この服装をちょっと子ども服みたいと思っていた。
でも萌々子を見たとたん、迷いは轟音を上げて空へと消えたのだ。
「愛猫さんこそ、とっても可愛い!」
声がいささか大きくなったのは、いくら力説しても足りないと感じたからだ。
「あちこちに工夫を凝らしているし、ハロウィンのイメージをしっかり残しながらも目立つし、俺の衣装とは通底するところをもたせつつ、ちゃんと特色が出るよう調整しているし。とにかく、衣装のセンスがすごくいいよ!」
嬉しいです、と幸次の言葉を慈雨のように受け止めて、萌々子はちょっと頬を染める。
「がんばりました。私の衣装、ウエストから下にかけて丸くなる形状にして先輩のパンツと同じイメージにしたのが、特に自信あるところです!」
自分を自分で肯定する。褒めてほしいと素直に言える。これは萌々子が寝子島に来て、幸次に出逢えて、できるようになったことのひとつだ。
「あと、このカチューシャも」
つんつんと幸次の猫耳をつついた。
「できるだけ『本物』に近づけてみました。さすがに『自前』をずっと出しといてくださいとは言えないので」
思わず幸次は笑ってしまった。たしかに、自分の『ろっこん』なら常時自前の猫耳も実現可能だが、気を抜けば消えてしまうかもしれない。
パレードはもうはじまっている。流れる人の流れに目をやり、
「それじゃあパレードに行きましょうっ」
萌々子は手をさしだした。幸次はうやうやしくその手を握る。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
恋愛
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
61人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年01月15日
参加申し込みの期限
2023年01月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年01月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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