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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
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【生徒会選挙】威風堂々。挑め、生徒会甲子園！！
◆役割分担
生徒会室を模した競技フィールドには様々な書類が散らばっている。これらを拾い集めて関連する書類同士に仕分けて、それを所定の棚や机などに収める速さを競う。また途中で野良猫の乱入や間違い電話などが発生し、いずれも角が立たないように穏便な対応を求められる。水上 桜は生徒会役員・副会長として、陣頭指揮を執る。同じチームには成り行きで参加することになった仙藤 蒼もいた。
「うわぁ……」
蒼は、これが現実の生徒会室だったら絶対嫌だなと思った。他のメンバーも蒼と同様にフィールドの荒れ具合に慄く。
「あの……」
「はい？」
「ちょっと提案というか、作戦があるんですけど」
蒼はそういって桜に話を持ち掛けた。
「役割分担を決めて、回収と整理を効率よく進めるといいんじゃないかなって」
具体的には敏捷性が高く、キビキビと動けるタイプは書類回収。そうして集められた書類を、注意力が高く細かい作業が得意なタイプが整理と分類をする。トラブルの対応はアルバイトなどでそういった対処法を学んだ人が行う。
闇雲にやるよりは良い、と彼女の案は支持された。桜が割り振りを担当し、各々の得意分野を聴取しながら割り振る。蒼はゲーマーとして鍛えられた集中力と判断力を活かして、回収された書類の分類と整理を担当。桜はトラブルへの対処を担当。完全に専任となり、書類整理などは他のメンバーに任せる。
開始の合図が鳴ると、さっそく書類回収のチームが動く。書類を集めている内に他の人たちは棚からファイルを取り出すなど、次の準備に入る。そして集まった書類をざっくりと分担し、分類と収納を行う。
集めて、分類して、収納する。この一連の流れを完全に分担することで、全員のやることが明白になる。
「これは予算関係、これは行事関係、これは学校からの通達事項、これは議事録……」
蒼は集中して、大きな分類をまず行う。それだけでもかなりの種類がある。それが終わったら、大きな分類ごとにページ数や日付に揃えて整理する。ファイルに閉じる際には分類別のファイルに的確に収録できるかを考える。これらを過不足なく、効率的に進めていくことでスピードアップを図る。
「こういうのはやっぱりゲーム感覚でやらないと、書類整理なんて退屈だしね」
その様子を横目に、桜は自分の役目を果たす。
（特に被害が大きくなるのは、おそらく野良猫の乱入）
猫がこのフィールドで好き勝手に走り回ったら書類整理どころではない。さらに別のトラブルへの引き金になったり、状況を悪化させるかもしれない。桜は木天蓼やカリカリ、猫が好きそうなおもちゃなどを用意する。
（これで猫の注意を引いて……）
その時だった。野良猫たちが乱入してきた。彼女はすぐさま動き、なるべく一匹でも多くの猫を落ち着かせようと努める。その間にメンバーが書類を１つでも多くファイルにしまおうと奮闘する。
しかし、彼女１人では限界があった。何匹かは彼女の元を離れ、書類に向かってダイブしていく。
（まずい！）
彼女の判断は早かった。咄嗟に近くのメンバーに声を掛け、猫たちをフィールド外に逃がすように指示した。分担していると言ってもこういうイレギュラーが発生したときの臨機応変は重要だ。猫が落ち着いたかと思ったら今度は電話がけたたましく響く。彼女はすぐに受話器を取った。
「こちら生徒会室です」
「あー、もしもし、そちらに財布を落としてしまって……」
「財布？」
桜は思わずきょとんとした。
「そちらにお邪魔した際におそらく落としたんですよ」
「えっとですね、番号をお間違えではないかと……」
「いやいやいや！ 絶対そちらにありますって！」
話がかみ合わない。
こうして電話応対している間に野良猫は今にも走り出しそうだし、コーヒーがうっかり書類にこぼされかけたりと、なかなか危ない状況だ。
（早くこの電話を切って加勢しないと……！）
「もしもーし！ 聞こえてますかー？」
「え、はい！」
これが間違い電話なのは明白。しかし相手は桜の話を聞く様子が無い。桜はいちど大きく息を吸った。
（財布を落としたとなると、相手も焦っているだけで悪気はないはず……私も少し落ち着こう）
「だから財布をね？ 落としたんですよ」
「なるほど、財布を落としたんですね」
「そうなんです」
桜は相手の話を一旦聞いた。競技時間を考えると、この方法は最善ではないかもしれない。けれど、落ち着きを取り戻すには大事な過程だ。
「それで、そちらに電話をしてるわけです」
「わかりました。けれど、すみません。その連絡先はこちらではありません」
それからなるべく冷静に、今までの会話内容を踏まえつつ角が立たないように心がける。
「……と、いうことです。よろしいでしょうか？」
「いやはや、こちらこそ申し訳なかったです」
「では、失礼します」
カチャ、と静かに受話器を置いた。角の立たない対応は難しいんだな、と桜は感じた。しかしそのおかげで書類整理は順調に進み、なかなか良い記録を出すことができた。
生徒会室を模した競技フィールドには様々な書類が散らばっている。これらを拾い集めて関連する書類同士に仕分けて、それを所定の棚や机などに収める速さを競う。また途中で野良猫の乱入や間違い電話などが発生し、いずれも角が立たないように穏便な対応を求められる。水上 桜は生徒会役員・副会長として、陣頭指揮を執る。同じチームには成り行きで参加することになった仙藤 蒼もいた。
「うわぁ……」
蒼は、これが現実の生徒会室だったら絶対嫌だなと思った。他のメンバーも蒼と同様にフィールドの荒れ具合に慄く。
「あの……」
「はい？」
「ちょっと提案というか、作戦があるんですけど」
蒼はそういって桜に話を持ち掛けた。
「役割分担を決めて、回収と整理を効率よく進めるといいんじゃないかなって」
具体的には敏捷性が高く、キビキビと動けるタイプは書類回収。そうして集められた書類を、注意力が高く細かい作業が得意なタイプが整理と分類をする。トラブルの対応はアルバイトなどでそういった対処法を学んだ人が行う。
闇雲にやるよりは良い、と彼女の案は支持された。桜が割り振りを担当し、各々の得意分野を聴取しながら割り振る。蒼はゲーマーとして鍛えられた集中力と判断力を活かして、回収された書類の分類と整理を担当。桜はトラブルへの対処を担当。完全に専任となり、書類整理などは他のメンバーに任せる。
開始の合図が鳴ると、さっそく書類回収のチームが動く。書類を集めている内に他の人たちは棚からファイルを取り出すなど、次の準備に入る。そして集まった書類をざっくりと分担し、分類と収納を行う。
集めて、分類して、収納する。この一連の流れを完全に分担することで、全員のやることが明白になる。
「これは予算関係、これは行事関係、これは学校からの通達事項、これは議事録……」
蒼は集中して、大きな分類をまず行う。それだけでもかなりの種類がある。それが終わったら、大きな分類ごとにページ数や日付に揃えて整理する。ファイルに閉じる際には分類別のファイルに的確に収録できるかを考える。これらを過不足なく、効率的に進めていくことでスピードアップを図る。
「こういうのはやっぱりゲーム感覚でやらないと、書類整理なんて退屈だしね」
その様子を横目に、桜は自分の役目を果たす。
（特に被害が大きくなるのは、おそらく野良猫の乱入）
猫がこのフィールドで好き勝手に走り回ったら書類整理どころではない。さらに別のトラブルへの引き金になったり、状況を悪化させるかもしれない。桜は木天蓼やカリカリ、猫が好きそうなおもちゃなどを用意する。
（これで猫の注意を引いて……）
その時だった。野良猫たちが乱入してきた。彼女はすぐさま動き、なるべく一匹でも多くの猫を落ち着かせようと努める。その間にメンバーが書類を１つでも多くファイルにしまおうと奮闘する。
しかし、彼女１人では限界があった。何匹かは彼女の元を離れ、書類に向かってダイブしていく。
（まずい！）
彼女の判断は早かった。咄嗟に近くのメンバーに声を掛け、猫たちをフィールド外に逃がすように指示した。分担していると言ってもこういうイレギュラーが発生したときの臨機応変は重要だ。猫が落ち着いたかと思ったら今度は電話がけたたましく響く。彼女はすぐに受話器を取った。
「こちら生徒会室です」
「あー、もしもし、そちらに財布を落としてしまって……」
「財布？」
桜は思わずきょとんとした。
「そちらにお邪魔した際におそらく落としたんですよ」
「えっとですね、番号をお間違えではないかと……」
「いやいやいや！ 絶対そちらにありますって！」
話がかみ合わない。
こうして電話応対している間に野良猫は今にも走り出しそうだし、コーヒーがうっかり書類にこぼされかけたりと、なかなか危ない状況だ。
（早くこの電話を切って加勢しないと……！）
「もしもーし！ 聞こえてますかー？」
「え、はい！」
これが間違い電話なのは明白。しかし相手は桜の話を聞く様子が無い。桜はいちど大きく息を吸った。
（財布を落としたとなると、相手も焦っているだけで悪気はないはず……私も少し落ち着こう）
「だから財布をね？ 落としたんですよ」
「なるほど、財布を落としたんですね」
「そうなんです」
桜は相手の話を一旦聞いた。競技時間を考えると、この方法は最善ではないかもしれない。けれど、落ち着きを取り戻すには大事な過程だ。
「それで、そちらに電話をしてるわけです」
「わかりました。けれど、すみません。その連絡先はこちらではありません」
それからなるべく冷静に、今までの会話内容を踏まえつつ角が立たないように心がける。
「……と、いうことです。よろしいでしょうか？」
「いやはや、こちらこそ申し訳なかったです」
「では、失礼します」
カチャ、と静かに受話器を置いた。角の立たない対応は難しいんだな、と桜は感じた。しかしそのおかげで書類整理は順調に進み、なかなか良い記録を出すことができた。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2022年11月26日
- 参加申し込みの期限
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- 2022年12月03日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2022年12月03日 11時00分
