【生徒会選挙】威風堂々。挑め、生徒会甲子園！！｜リアクション

【生徒会選挙】威風堂々。挑め、生徒会甲子園！！

◆結果発表とその後

　すべての競技が終了し、集計に入った。
　競技に参加した生徒、応援に専念した生徒、全体のサポートに回った生徒。
　それぞれの思いを胸に、結果発表を待つ。

　各競技の結果が表示されると、一喜一憂の声が漏れる。
　寝子島高校は上位に入っているが、流ヶ崎高校も負けていない。
　そしてついに総合順位の発表を迎える。

『１位：寝子島高校』

　その表示が出たとき、一瞬だけ時が止まった。その直後、歓声が沸いた。
　３連覇を成し遂げようと奮闘した流ヶ崎高校だったが、僅差で準優勝となった。

「次こそは我が流ヶ崎高等学校が優勝を勝ち取る！」

　石動辰之助がさっと手を掲げると、流ヶ崎の生徒会役員たちが整列する。

「それまで我々は鍛錬を怠らない！」

　そう宣言し、最後に深々と頭を下げると去っていった。
　嵐のように始まった生徒会甲子園も、終わってみればあっという間だった。
　開放感から落ち着いた表情を見せる生徒や、これから後夜祭だと意気込む生徒など様々だ。

「ふー、楽しかった！」

　タルトは大きく伸びをする。レアな大会でひたすら語ったので満足そうな顔をしている。
　
「そうだ！　せっかく東京ドームまで来たんだし、薄い本を持って同好の士と交流しよう！」

　思いついてからの彼女は早かった。すぐさま彼女は会場に来ているであろう仲間たちの元へ向かった。賑やかだった会場から人が少しずつ減っていく。そこでは関係者たちが後片付けを始めており、生徒たちも自主的に手伝っていた。英二やののこも片づけに参加している。

「凄い盛り上がりだったね」
「ね！　しかも優勝だよ！」

　ののこの嬉しそうな声色に彼も頬が緩んだ。
　英二にとって在校生として応援できるのはこれが最後だった。その気持ちを抱えて応援できて、しかも優勝を果たしたのは彼も嬉しかった。

「新生徒会のメンバーにもちゃんとお祝いの言葉を伝えたいな」
「片づけ終わったら一緒に行こうか！」
「うん」

　応援する者がいれば、応援される者もいる。
　萌々子は大会終了後に笛吹ぴりりのもとへやってきた。

「ぴりりちゃんお疲れ様でした」
「萌々子さんもお疲れ様でした」

　ぴりりも大会をサポートしたり、参加したりしたのだろう。どことなく疲労が見えるが、それを感じさせないはっきりとした声だった。

「……少しだけわがままを言うと」

　萌々子は少し言いよどんだが、言葉をつづけた。

「本当は、もう一緒に風紀委員活動ができないことがすごく寂しいんです。あなたの真っすぐな姿勢に憧れて委員になりました」

　ぴりりは萌々子の話をただ静かに聞いている。

「一緒の活動はそれだけ充実していて辛いこともあったけど楽しかった。でも私は委員で学んだことを生かして、もっと学校生活に貢献するため生徒会に立候補をしました」

　だんだん萌々子の目に涙がたまってくる。

「……ごめんなさい、なんで泣いてるんでしょう」
「私も一緒に活動出来てよかったです」　

　ぴりりの一言に萌々子は思わず泣きだしてしまった。ぴりりは萌々子が落ち着くまでずっと傍にいた。

「これからは生徒会役員として頑張らないといけないですね。今まで、本当に、ありがとうございましたっ！」

　その言葉を、ぴりりはしっかりと受け止めるように頷いた。
　会場の片づけが終わると、東京ドームはいつもの姿に戻った。
　それぞれの生徒会甲子園はこうして幕を閉じた。

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あとがき

担当マスター：星織遥
ファンレターはマスターページから！

この度は、シナリオへのご参加ありがとうございました！

生徒会甲子園。
１００年前から１０年に一度開催されてきた今大会。
今年は１０回目のメモリアルな大会ということもあり、
各校の気合や盛り上がりもすごかったことでしょう。

そのなかで寝子島高校が優勝を果たしたのは
もちろん競技の成績が良かったからというのはあります。

ですが競技だけでなく、応援やサポートという形で
この大会を盛り上げた皆さんの活躍があったからこそでしょう。

改めて、この度はありがとうございました！

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