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I'll be there - 仲良くなりたい、その10
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「もしかして、五十嵐尚輝先生のお知り合いの方ですか?」
ウォルター・B
の問いかけに、
今道 芽衣子
は驚いて問い返した。
「五十嵐君のことご存じで?」
「はい、同僚です。僕も寝子島高校の教師なので」
このとき芽衣子が返した『本当?』の言い方は、日本語よりも英語の"Really?"に近かった。
「そうなんですか。改めまして、今道です。寝子島中学の講師をしています。Graduate school……大学院時代、五十風君は同じ研究室の一学年下でした」
「ウォルター・ブラックウッドと言います。五十嵐先生とは友達……と言いたいのですが、まだ、仲良くなりたいと思っている段階ですかね。僕の片思いという感じで」
「わかります」芽衣子は相好を崩す。目尻がさがるとますます美人だ。「彼、内気だから」
「ですよねー。あ、でも先日は五十風先生と一緒にお月見に行ったんですよ。生徒も何人か連れて」
ところで、とウォルターは話題を変える。
「今道さん、いえ、今道先生の留学先はアメリカですね。それも西海岸」
「五十嵐君から聞きました?」
「いえ、勘です。発音にうっすら訛りを感じたので」
「だとしたらすごい!」芽衣子は目を丸くした。「というかつい最近まで、大学講師として数年働いてました」
「ずばりスタンフォードですね?」
「それはハズレ。そこまで優秀だったらいいんですけどねえ……」
とはいえ芽衣子が明かした大学名は、口笛のひとつでも吹きたくなるほどの名門だった。
「十分すぎるくらい優秀じゃないですか。それなのにガレージパンクもお好きなようですし」
「えっ!?」ふたたび目を丸くする芽衣子である。「私いま、シャーロック・ホームズと話してます?」
ウォルターは声を出して笑った。
「今度は僕が『そこまで優秀だったら』と言う番ですね。タネ明かしすると先生が身につけているイヤリングですよ。西海岸の伝説的クラブのロゴでしょう?」
「あ……そうか。なるほど、でもこんな小さいのによくわかりましたね。それによくご存じで。日本ではほとんど知られてないのに」
「僕も好きですから」少年のような表情でウォルターは言う。「ハイスクール時代デッド・ニクソンズのカバーもやってましたよ。ドラムで」
「ええーっ! 奇遇! 私もデッドのカバー、シリコンバレーに時代やってました! ギターですけど」
「好きなアルバムは?」
「もちファーストと言いたいとこですがやっぱライブ盤かなあ……最初に出たほうの」
「おお! 僕もです!」
ふたりの会話にグルーブというか、共通の波長が生じつつあった。
「どうですか、このあと……」
お時間があれば、とまでウォルターが言いかけたときである。
「ワット!」
ウォルターと芽衣子のあいだにするりと割り込むようにして入り、
稲積 柚春
が彼の腕をとったのである。
「ごめん待った? 電車が激混みで……」
土曜の昼四時頃に電車が混むことはないような気がするし、そもそも遅れた理由としてはおかしい気もしたが柚春は無我夢中だ。迷ってはいられなかった。
「え……稲積……?」
つづくウォルターの台詞は「どうしてここに?」となるだろう。けれども柚春はその先を許さない。
「行こう。映画の時間、間に合わなくなるよっ」
強引でも力技でもかまうものか、とにかく認めるわけにはいかないのだ。絶対に。
(ウォルターにナンパなんかさせないんだから!)
柚春の心を読んだわけでもなかろうが、言外の気迫を感じ取ったのか芽衣子はまぶしそうな目で彼と彼女を見ると、引き留めた詫びを述べそそくさと立ち去ったのである。
時間を数分ほど巻き戻す。
念じれば必ず願いがかなうなんて、安易に信じている柚春ではないけれど、このときなんとなく願ったのである。
ワットに会いたい、と。
この日柚春はシーサイドタウンに来ていた。お目当ては紅茶の葉、もみじ葉入りというこの時期限定のフレーバードティーだった。昨年、寝子島に来たばかりのころたまたま見かけて買って、すっかり魅了された逸品である。りんごと杏(あんず)配合で、淹れるとポットから素敵な香りがたちこめる。もみじを思わせる綺麗な赤、少し甘酸っぱいけれど後味はさわやかで、飲めば体が芯からぽかぽかと温まる。限定品ゆえ値段はそこそこするが、柚春には買い逃し厳禁の一袋なのだ。
やはり人気なのか紅茶専門店を訪れたとき、目的の葉はもう棚にはわずかにしか残っていなかった。危なかったと安堵して銀の丸い缶入りをカゴに入れ、ちょうど切らしていたマーマレードの小瓶もついでに入れて、レジの列に並んでいたときだった。
ワットに会いたい。
ふと柚春は願ったのだった。
すると偶然かそれとも運命か、店のガラス戸のむこうをウォルターが横切ったのである。心臓が口から飛び出しそうなほどの衝撃だった。幻覚ではと目をこすったほどだ。
これが追わずにいられようか。大急ぎで会計を終えて柚春は店を飛び出した。
でも。
いない――。
やはり幻覚だったというのか。いや、でもあれはたしかに彼の横顔だった。
探そう。
柚春は灯台さながらにぐるりと視界をめぐらせて、九時の方向、急速に遠ざかるウォルターの背をようやく見つけた。後ろ姿だが見まちがいではない。なにか急いでいるのかウォルターは早足だ。
「ウォルターさん」
呼びかけたが届いていないようだ。なぜならこのとき、ウォルターは駆け出していたから。
僕から逃げてる?
一瞬悲しみにうちのめされそうになったが、そんなはずはないと柚春は考え直した。だってウォルターは、自分に気づいたそぶりすら見せなかったから。
とにかく追いつこう。
手提げ袋をぶら下げたまま柚春も走り出す。
ようやく書店で追いついた。雑誌売り場、育児や料理の雑誌がならんでいるあたりだ。飛びついて話しかけたかった。ウォルターのことを想ったとたんまるでドラマの脚本みたいに偶然すぎるタイミングで彼が現れたこと、もみじ紅茶のこと、今度一緒に飲みませんかという誘い……いくらでも話したかった。何ならこのあと喫茶店行きませんかとか、そんな期待すら脳裏に浮かんだくらいだ。
ところが、ウォルターは見知らぬ女性と話していたのである。
しかもすごい美人だ。歳はウォルターとあまり変わらない気がする。かわいさなら負けないよと言いたいけれど、大人の魅力という意味では彼女の足元にもおよばないなと、誠に遺憾ながら認めざるを得ない。
誰……?
誰なの……っ。
まさかという気持ちもあったがすぐに打ち消した。
柚春はさりげなくメアリ(ウォルターおつきのメイド)から情報を得ている。現在彼に交際している女性はいないはずだ。そもそも彼自身
「過去、ガールフレンドがいなかったわけじゃないけれど」
という言葉で、現在については否定していたではないか。
柚春は彼らの立つ通路裏手にまわり、アイドル芸能雑誌や映画雑誌が積まれた書棚に身を隠して近づいた。
「……留学先はアメリカですね。それも西海岸」
ウォルターの声が聞こえた。柚春は耳をそばだてる。
互いの言葉を聞く限り、どうやら彼女とは初対面のようだ。
大学の話をしてる? なのにシャーロック・ホームズ?
ガレージパンクって何? 音楽? なら、クラブとかいうのはライブハウスってこと?
デッドナントカというのはバンド名だろうか。
ウォルターがドラムをやっていたなんて知らなかった。
……想像してみる。万能の天才の彼ゆえ、楽器ができてもおかしいはずがない。派手にスティックを投げ上げキャッチするロックンロールなウォルター、フェルトの中折れ帽を被り刷毛のような道具(ワイヤーブラシ)でリズムを刻むジャジーなウォルター、どっちもたまらなく似合うし格好いい。もっともウォルターが演奏するのであれば、鼓笛隊の小太鼓だってとてつもなくクールだろうけど。
それはともかく。
ウォルターとあの女性の会話が盛り上がっていくのが柚春にもわかった。互いにだんだん言葉がくだけていく。
ひょっとしたらナンパ……なの!?
まさかウォルターがという気もしないではないが、予測不能なところのある彼のことだ。突然そんな気持ちになったのかもしれない。それにしても、すれちがった彼女に魅せられ走って追いかけるなんて――。
ここで柚春は思い至った。さきも回想した、お月見の夜のウォルターの言葉を繰り返す。
「過去、ガールフレンドがいなかったわけじゃないけれど、
いつも逃げられるばかりでして
」
だから今度は追いかけてみることにしたっていうの!?
ありえない話……ではないと思う。
たまらなくなって柚春は駆け出していた。芸能誌コーナーから、ウォルターのいる育児誌・料理誌コーナーにまわりこむ。
ワット、『いつも逃げられる』なんて悩まないで。
僕があなたを追いかけるから――!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年10月31日
参加申し込みの期限
2022年11月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年11月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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