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I'll be there - 仲良くなりたい、その10
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歩道橋が腹立たしい。
小さな子どもや老人など、交通弱者を守るために架橋されたものだとはわかっている。だが本当に腹立たしい。
自分だって交通弱者だ。なのになぜこんな苦労をせねばならぬのか。
古い歩道橋ゆえバリヤフリーのスロープはないし、エレベーターなど望むべくもない。あるのは滑り止めのついた階段オンリーだ。
松葉杖をついて階段を昇降するのは本当にきつい。
まず昇りだ。一段一段、昇っては足をそろえそろっては昇って、ふうふういって踊り場で休む。階段途中で油断はできない。バランスを失ったら転倒しかねないからだ。うかつに転倒でもしようものならそれこそ、傾斜のついた階段を真っ逆さまだ。ままならぬ体が恨めしい。暑い時期なら汗をかくような重労働だった。
しかもこの厳しさが、降りではいや増すのである。人間の体は傾斜を昇るには適しているが降るには不適な構造になっているという。重いものを上げ下げするつらさはそのままで、倒れるかもという精神的苦痛だけ倍増する。奈落をのぞく気分でてっぺんから、前のめりに倒れかかる肉体を降ろしていく恐怖にはどうしても慣れない。
筋肉痛、関節痛、目まいに気落ち、肉体的・精神的ダメージをナチュラルに受けられる日常的な拷問施設、それが歩道橋なのだと
都府楼 暦
は理解した。遠い昔はここに横断歩道があったらしい。なぜこんなものに置き換えたのか。先日も町長への要望書に『歩道橋のバリヤフリー化、でなければ撤去と横断歩道の復活!』と書いて出したところだ。
もちろん歩道橋を避けるという方法もあった。だが暦の住まいから病院への道において、歩道橋を避けようとすれば極端なほどの遠回りになってしまう。いまの暦にはただ歩くだけでも難儀なことだ。無様なまでの遠回りの苦痛、腹立たしさも耐えがたいものがあった。ゆえにこれも修行と考えて、今日も往路復路ともに、歩道橋という難関を乗り越えた暦なのだった。
健康体だったころは、歩道橋なんてなんとも思わなかったのに――。
事故に遭う前が遠い昔に思えてならなかった。あのころ暦は歩道橋を意識しただろうか。雨の日、どこから来たのか欄干をのろのろとゆく蝸牛(かたつむり)を飽かず観察した記憶がある程度だ。橋の上は車の排気ガスを避けられる安全地帯だと、むしろ歩道橋を歓迎したようなおぼえもある。
ひとたび怪我をすればこれですか……見えてくる風景が変わります。
自分にその予定はまったくないものの、と思う。
妊婦になったとしたら、やはりキツかったでしょうね。
歩道橋を降りて暦は、松葉杖つきつつ家をめざしている。幸いリハビリは順調で、車椅子からは卒業したし、左脚も動くようになってきた。忌々しい松葉杖からもいずれ解放はされるだろうが、この苦労を知った以上後戻りはできない。町の行政が動くまで歩道橋問題解消を求めつづけようと思う。古い町のせいか、寝子島はバリヤフリー化が遅れていると思う。いっそ署名運動でもはじめてみようか。
しかし怒りを感じつづけるのも疲れるものだ。不服はいったん棚上げして、暦はお気に入りの小路に入った。
お気に入りの寄り道だ。道沿いの民家は洋蘭を育てており、眺めるだけで気持ちが安らぐ。配置ミスみたいにドカンと生えたイチョウの根元に、生白いシロテングタケがひょっこり生えているのも嬉しい。しかも路を抜けた先には地蔵堂があり、大小様々なお地蔵様と、申し訳程度に屋根のついた東屋(あずまや)があるのだ。ここで小休憩するのが、リハビリ返りの暦の日課だった。
「……おや?」
東屋には先客があった。たまに見かける散歩中の老婦人や、犬を連れた少年ではなかった。
「九鬼姫さん……?」
一瞬見まちがいかと思ったほどだ。ここで会うことになると思わなかったこともある。だが九鬼姫が、見慣れぬ赤い眼鏡をかけていたせいもあった。
「おう」
九鬼姫も驚いたようである。奇遇じゃのと手招きする。だがすぐに気がついて。
「手を貸そうか」
と立ちかけた。大丈夫ですと言って暦は手を振り、九鬼姫の正面に座ったのである。
九鬼姫の普段着はあいかわらず安っぽい。量販店で買ったようなロングTシャツに、肩のすれたデニムシャツを重ねている。オレンジのスカートもなんだかちぐはぐだ。
「驚いたぞ」
九鬼姫は言った。
「いまちょうど、暦のことを考えていたところじゃ」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年10月31日
参加申し込みの期限
2022年11月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年11月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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