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九月の姫君(プリンセス)たち
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見上げる空は高い天井のガラス窓越し、盛夏の青さはもうないが、そのぶん秋の高さを感じさせた。UVカットの陽光をあびてアウトレットモールは大いににぎわい、ベルギーワッフル売り場には長い行列が、タイムセール会場には人垣が生まれている。道化のパフォーマーの呼び声に、主として親子連れが集まりはじめていた。
先頭は恋々とまみ子、中央をみちると九鬼姫がしめて、ラストが真遠という変則的な五人組で歩む。
「眼鏡屋に行くって?」
真遠の問いに、そうじゃと九鬼姫が振りかえった。
「わらわもメガネっ娘になるんじゃ! あれじゃろ、属性が増えたというのじゃろ?」
「また益体もない言葉をおぼえて……」
店ではそういう『益体もない』言葉ばかりで会話しているまみ子があきれ声を出した。
「せっかくだから良いのにしようと思ったよ。まあ、アウトレットだけどね」
恋々が笑ったが、彼女の声にどことなく寂しげなエッセンスを真遠は感じ取っている。
九鬼姫は最近、急速に視力が悪化したという。もともと1.5に近い視力だったものが、わずか一ヶ月程度で0.1あたりをうろうろする数値になったらしい。もちろんこれは九鬼姫の体感だから、計測しないと実際のところはわからないだろう。それでも異常事態だということは説明するまでもないだろう。
視力低下の原因は……脳腫瘍だろうな。
考えるほどに、真遠は棺桶を背負い歩いているような気持ちになるのだ。
こんなに露骨に症状がでているんだ。余命幾許もないのはまちがいなさそうだ。
もちろん九鬼姫自身もわかっているだろう。恋々だってそうだ。私生活は秘密で花見にも顔を出さないまみ子が、こうして出てきているところからして、彼女も知っていることはまちがいあるまい。
それでも九鬼姫は明るくふるまっている。できるだけ楽しい想い出にしようとしているのだろう。
健気だとか儚(はかな)いとか、一言で表現するのはためらわれるものがあった。
「……が似合うかのう」
急に話しかけられ真遠は目を白黒させた。
「え? なんの話だ?」
聞いておらなんだのかと九鬼姫は腕組みする。
「わらわはどんな眼鏡が似合うかのう、と訊いたんじゃ」
すでに一行は店舗に来ているのだった。どこにでもある量産メガネショップとちがって、棚も内装も木造、オールドファッションドな金縁から、最新のグラスファイバー製までずらりとそろった高級眼鏡店である。全部職人が手作りの一点物、オーダーメイドも受け付けるという。そもそも店名も『○○メガネ』とかベタなものでも、洋菓子店みたいな横文字でもなく『眼鏡(がんきょう)店』とずっしり重厚なのだった。店員も男女問わずノージャケットのワイシャツに蝶ネクタイできめている。
すまんと頭をかいて真遠は返答に窮した。
「そうは言われても……いきなり訊かれると困るな」
実際、困るのである。ビジネスパーソンライクな黒ブチ、マダムな雰囲気のセルロイド、ファッショナブルなノンリム型など、驚くほど種類がある。どれも似合うような気がするし、どれもちがうような気もする。
「じゃあ、真遠の好みはどれじゃ?」
「好みか……」
ぐるりと店内を見回して、真遠は自分たちが注目を浴びていることに気がついた。
ちらちらと視線を送ってくるカップルがいる。しげしげと見てくる老人がいる。そればかりではない、なんとなく眼鏡店の前で足を止める客もいるではないか。店員たちすらこちらが気になる様子だ。
参ったなぁ。
みちるの素性に気づかれたわけではなさそうだ。それでも、視線が集まる理由は理解ができた。
華美なのだ華美すぎるのだ。華麗と言い換えてもいい。あるいは絢爛と表現しても。
なにしろ俺のまわりにいる女性陣は皆タイプは異なるものの揃いも揃って美人ばかりだからな……。
いくらカムフラージュしようと、元ナンバーワンのオーラがにじみでてしまう知的でゴージャスなみちる。
背が高く、きりりとした目鼻立ちもあって京劇女優のような恋々。
最年少に見える(実際はちがう)ロリータファッションのまみ子。
飾り気のない服装のはずが、スポーティだったり活発だったり妹風だったりと逆の印象を与える九鬼姫。
いずれおとらぬ四人の姫君、あるいは四人の華が競い合う。しかもその中心にいるのは自分なのだ!
目が悪いので九鬼姫はごく自然に顔を寄せてくるし、「これってあのアニメのコラボアイテムっぽくない?」と濃い口の話題を振ってくるまみ子は九鬼姫と真遠の間に割り込もうとしているように見えるし、九鬼姫を気づかうため恋々はつい真遠との距離を詰める格好だし、一歩距離をあけた地点からみちるは、本命ヒロイン
三人のライバル(?)を値踏みするように見守っている様子だし……。
おまけに九鬼姫は、
「で、真遠が一番好きなのは?」
などと、周囲の誤解を招くような質問を投げてくるではないか! もちろんメガネの話なのだが、オーディエンスたちはそう解釈するまい。
これってもしかして、ハーレムアニメの主人公状態じゃないのか!?
いやいやそんなんじゃないって! と声に出して言いたい真遠である。事情をト書きで示したい。弁明してわかってもらいたい。でもいまはこのまま進めるしかない。
「まあ、これあたりがいいんじゃないかな」
セルフレームのすっきりしたデザインを真遠は指さした。少々値は張るが、さすがに物はよさそうだ。
色は黒か……いや、戦国の姫だから艶やかな感じの赤がいいかな?
赤なんてどうだと言う。九鬼姫はメガネを手に取った。
「なるほどこれか」
「でも自分で考えて選んでくれよ。あくまでも俺の意見に過ぎないし、最終的に決めるのは九鬼姫だから」
「いや、これでいいぞ。真遠が選んでくれたものじゃからな」
九鬼姫はさっそくかけてみて鏡をのぞき込んでいる。
「はは、でもレンズが入っておらんとようわからんわい」
視力測定(やはりかなり悪化していた)の後、実際に九鬼姫が選んだのは真遠の勧めた赤のメガネだった。
結局その日、真遠は四人の姫君と遅くなるまで付き合ったのである。そう、『プロムナード』まで。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年09月21日
参加申し込みの期限
2022年09月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年09月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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