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◆9月14日、人生の階段のぼる。
落合 まゆら
の朝は早い。いつも通り朝6時に起きて、身支度を整えたら旧市街にあるアパートを出て、寝子ヶ浜海岸へジョギングするのが彼女の、たとえ今日が20歳の誕生日だろうと変わらぬ日課である。
9月の早朝とはいえジョギングをすれば、全身にじっとりと汗が滲んできた。目に落ちてきそうな汗をぐいとぬぐい、海岸沿いのいつもの場所まで走り通したら、まずは軽く水分補給をする。
動きを止めたせいか、それとも補給された水分が汗へと変わっていくのか、それまでは滲む程度だった汗がどっと噴き出してきたのをタオルで抑えた。それから入念にストレッチをして身体をほぐし、始めるのはボイストレーニングだ。
腹の底から声を出して、何度も発声練習をするとそれだけで体力も消耗するし、全身からまた汗が噴き出してくる。それを軽く拭ってはまた、発声練習の続きをする――その繰り返し。
きっとどんなジャンルでもそうなのだろうけれど、まゆらの目指す声優業界においてもやはり、基礎トレーニングを積み重ねることは大切だ。演技力をいくら磨いたところで、それを支える声がダメでは元も子もない。
だからひたすらに、ただひたすらに。このトレーニングがいつか必ず実ることを信じて。
一通りが終わったら、軽く息が上がっていた。またびっしりと額に浮いた汗をぬぐい、ぺしん、と気合を入れるために軽く頬をはたいたら、また旧市街の自宅アパートまでの道を走り始める。
とはいえ帰りは行きとは違って、途中にある『杜の湯』に寄るのがルーチンだ。今みたいに暑い季節は汗だくになった身体をすっきるさせるため、寒い季節なら温まるため、立ち寄るまゆらの事は同じ時間帯にやってくる客達も覚えていて、たまに話しかけられたりもする。
今日は、どうやら誰もがのんびりとひとり時間を楽しみたい朝らしい。まゆらに気付いた何人かが笑みや会釈だけで挨拶してくるのを、同じようにあいさつし返してまゆらは手早く汗を流してしまうと、とぷん、と湯船に身を沈めた。
じわりと身体に沁み込んでくる熱に、疲れが溶けていくのを感じる。そのままぼんやりとしていたら、ふと、胸の内に押し込めてある、けれどもこの頃はいつもそこに在る不安が首をもたげてきた。
「……!」
ばしゃん、と顔にお湯をかけて強く首を振り、もう上がろうと立ち上がる。絞ったタオルで身体の水滴を拭って上がり、乾いた衣類に着替えたら、コインランドリーにまみれのTシャツや下着やショートパンツ、濡れたタオルなどを放り込んでコインを入れた。
ぐぉん、と重い音がしてドラムが回り始めたのを、じっと見つめる。ぐぉん、ぐぉん、ぐぉん……回る洗濯物を見つめているとまた、不安がもたげてきそうでまゆらは、水分補給も兼ねて飲んでいたフルーツ牛乳を一気に飲み干すと、終わるまで軽いストレッチをして気を紛らわせることにした。
――これが、この頃のまゆらの何とも言い難い日常なのだった。
§
自宅に帰って今度は学校に行く準備をしたまゆらが、実際に彼女の通う専門学校に顔を出すのは8時半ごろである。
「おはよー」
「おはよう、落合さん」
「まゆら、おっはー」
教室に入りながら告げたまゆらのあいさつに、いつも仲良くしている友達が何人か、ぱらぱらと挨拶を返してくれた。そんな友人たちの近くで適当に駄弁りながら、見るともなく教室の中を見回せば何となく、クラスメイト達が大きく2つに分かれてしまっているような気がする。
――否。実のところ明確に、此処にいる面々は二分されているのだ。
片方は、すでにどこかしらの声優事務所なりに所属が決まっていて、来春の卒業後の進路が明らかな者。片方はそれ以外――いまだ進路定まらず、必死に足掻いている者。
実のところ声優という職業は、なりたいと希望する人も多く供給過多な面がある。まずはどこかの事務所に所属するところがスタートライン、そこから更にオーディションを受けたり営業を掛けたりして、仕事を取っていかなければならない。
このご時世、ネットなどで個人で声の仕事をしていくこともできないわけではないが、色々と難しい。となれば、最終学年も半ばを過ぎてしまったまゆら達にとって、どこかの事務所に所属が決まっているか――すなわち『声優』と胸を張って名乗れる立場に立てるかどうかは、かなり大きなアドバンテージとなる。
そして――
(あたしは、まだ)
ぎり、と唇をかみしめる。いつか必ず実ると信じて重ねている努力が、それでもまだ実る気配を見せないことに、焦りを覚えないはずはない。
――だが、彼女に出来ることはやはりただ、基礎トレーニングを積み重ね、練習を重ね、日々積み上がる目の前の課題を懸命にこなして行くことだけなのだ。
「まゆらー、今日も残る?」
「うん。昨日の台本、もう1回やろうよ」
ナレーション基礎とアフレコ基礎の授業を終えて、ぱらぱらと帰っていくクラスメイト達の中、いつも残って一緒に自主練をしている友達がそう声を掛けてきたのに頷いた。学校にある台本の中から適当に選んで、演技の練習をするのがまゆらの放課後の日課である。
誰も居なければ自分1人で練習をして、時には録音した自分の声を聴いて振り返りをしたりもするが、自分とは違う第三者の意見を貰える共同稽古は刺激の多い時間だ。役割を何度か入れ替えて掛け合いを練習したり、お互いに同じセリフを読んで意見を出し合ったりしていたら、あっという間に時間は過ぎていく。
そんな練習の休憩中に、話題になるのはやっぱり卒業後の事だ。
「昨日さ、私が受けた事務所の不合格通知が来てさ……」
「あー……そうだったんだ……」
「なんだよね……まゆらはどんな感じ?」
「あたしは、まだどこもオーディションの結果来てないんだ。――もうこのままダメかもしれない」
「ちょっとぉ、弱気なこと言わないでよ、私だって不安なんだよー」
そんなことを話していたら、教室の前を通りがかった講師が「あ、落合ここに居たのか」と覗き込んできた。どうしたのかと首を傾げたら、何でもちょうど、呼び出しをしようとしていたのだという。
内心、ぎくりとしたのは講師の話に予感があったからかもしれない。きっと同じ予感を覚えたのだろう、友達がまゆらの腕をぎゅっと掴んで、なんとも言えない顔をした。
そんな2人を見比べて、だが何も言わず講師が「ついて来なさい」と背中を向ける。はい、と返事してあとについて歩き始めたまゆらの背中に、残された友達の視線が痛いほど突き刺さるのを感じた。
そのまま無言で真っすぐ講師室まで辿り着くと、1通の大きな封筒を手渡される。表書きには専門学校の名前とまゆらの名前――そうしてその下に印刷されていた差出人は、結果待ち中の声優事務所の1つである、準大手の事務所のもの。
どくん、と大きく心臓の音がした。ばっと弾かれるように講師の方を振り返ったら、開けてみなさい、と促される。
ハサミを借りて慎重に封を切り、大きく深呼吸をした。ぎゅっと目を瞑って震える手で中に入っている書類を取り出し、思い切ってそろそろと、恐る恐る目を開けて。
――どくん、とまた大きく心臓の鳴る音がする。
「……あたしが……合格……?」
そこに記されていた文字は、確かに『合格』と書かれていた。それを何度も確認して、じっと睨むように見つめて――不意に、その文字がぐにゃりとゆがむ。
涙が、溢れていた。そのままぽろぽろと零れ落ちてくる涙を拭う事も忘れて、まゆらはその紙を大切に、大切に胸に抱く。
――嗚呼、なんて誕生日だろう。なんて、素晴らしい誕生日プレゼントなんだろう。
こうして、何の変哲もなくいつも通り始まったかに見えた20歳の誕生日に、まゆらは人生の転機を迎える事になったのだった。
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担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
NPC交流
定員
20人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年08月27日
参加申し込みの期限
2022年09月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年09月03日 11時00分
参加キャラクター一覧
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