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ハッピーバースデー! 9月☆
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◆9月6日、彼と彼女の歩き方。
(身だしなみオッケー、誕生日にもらったチョーカーも付けた、プレゼントもある……よし!)
ショウウィンドウに映る自分に指さしをして、朝からどころか、数日前から何度も確かめてきたことを
万条 幸次
は、最後にもう1度だけ確かめた。時刻は待ち合わせまであと数分、もはや何かあったところでリカバリは出来ないタイミングだが、気になるものは気になるのだ。
何しろ今日はただのデートではない。彼女の誕生日を祝うための、特別なデートなのである。
そのために幸次は色々と、それはもう色々と準備をしてきた。その全てをぶつける今日という日を迎えて、期待と不安に揺れるのは仕方のない事で。
(気に入ってもらえると良いけど……)
これまでの日々を思い返しながらそう考えている、幸次の姿を無事に駅前の待ち合わせ場所で見つけて
愛猫 萌々子
は、ちら、と時計を確かめた。約束の時間には早すぎもせず、遅すぎもしない――よし。
こくり、と小さく頷いて、萌々子は緊張に脈打つ鼓動を鎮めるように深呼吸をしてから近づいて、先輩、と声を掛ける。
「今日はよろしくお願いします」
「あっ、愛猫さん」
その声に、弾かれたようにぱっと幸次が顔を上げ、萌々子へと視線を向けた。それを真っすぐに受け止めて、何となく軽く頭を下げた萌々子に、併せて幸次も頭を下げる。
そうして今日の日のために何度もシミュレーションしてきた言葉を、シミュレーションしてきたとおりに口にした。
「愛猫さん、誕生日おめでとう。これ、早速だけどプレゼント……メガネケースなんだ」
(あっ、プレゼント……!)
そんな言葉と共に渡された、ギフトラッピングの包みに萌々子の胸が、大きく跳ねる。「ありがとうございます」とありがたく受け取って、良かったら開けてみて、と言う幸次に頷き開封すると、中から出て来たのは言われたとおり、普段使い出来るシンプルなデザインの青いメガネケースときれいな花柄のクロス――いわゆるメガネ拭きだ。
わぁ、と小さく感嘆を零した萌々子に、幸次が照れたように頬をかきながら、とつとつと言葉を紡ぐ。
「可愛い柄の大判なやつにしてみたよ、スマホの画面とかも拭けるって」
何しろ自分ではメガネをかけたことがないから、いざ普段使い出来そうなメガネ用品を――と考えても、果たして何を贈るのが良いのか、よくわからなかった。だから学校でクラスメイトに聞いたり、スマホでおすすめ用品を調べたりして、あっちが良いか、こっちが良いか、と悩みまくったのである。
そんな幸次の言葉に、そうだったんですね……と萌々子は暖かな気持ちが込み上げてきた胸をそっと抑えた。なんだか、必死に聞いて回って真剣に選んでいる幸次の姿が、ありありと目に浮かぶようだ。
「嬉しいです、さっそく使わせてください」
ゆえにそうにっこりして、いそいそと自信のメガネケースを取り出し中身を入れ替え始めた萌々子に、幸次はほっと大きく胸をなでおろした。――喜んでもらったみたいで、良かった。
§
そうして始まった駅前デートは、とても楽しいものだった。幸次があらかじめリサーチしていたお店を見て回ったり、立ち並ぶ店の中に気になるものがあればふらりと入ったり、道端にあったキッチンカーでクレープを買って食べ歩いたり――
そろそろ休憩しようと入ったカフェのオープンテラスで、萌々子はそれらを1つ1つ思い起こし、ほわりと頬を緩ませた。
「駅前でこんなにいろいろ回ったのは初めてです」
「喜んでもらえて良かった。あとはどこか、行きたいところある? 気になったところとか」
「そうですね……あ、すみません、電話が」
そんな萌々子に自分自身の方が嬉しそうに頬を綻ばせ、幸次がドリンクの氷を突きながら問いかける。それに考えるように視線をさ迷わせかけた萌々子は、だが携帯の着信に気付いて幸次に断り、手に取った。
そこに表示されていた発信者名は、同室・
笛吹 ぴりり
のもの。ゆえにオープンテラスという事もあり、「もしもし? あ、ぴりりちゃん」と何の気なく電話に出た萌々子は、だがルームメイトから告げられた言葉に、ぎょっと目を見開いた。
「……え! 寮室へプレゼントが何個も私宛に!?」
次いで聞かされた差出人の名に、はぁ……と思わず深いため息が零れる。目の前で幸次が心配顔をしていたが、こればかりはどうにも、萌々子の疲弊にも似た気分とそこはかとなくしてきたような頭痛を、軽くすることはできなかった。
何となれば、差出人はすべて萌々子の父親。決して広くはない桜花寮の部屋に、相手の都合も考えず――だって萌々子は何も聞かされてない――幾つも物を送り付けてくる、その行為が迷惑になるかもしれないなんてきっと、少しも考えていないのだろう。
和解出来つつあるとはいえ、やはり自分の考えだけで動く人ですね……と瞑目した。だが、ここでこうしていたところで、事態は何1つ改善しない。
ゆえに萌々子は電話を切ると、申し訳ないような情けないような腹立たしいような、なんとも名状しがたい思いで幸次を見つめ、眉尻を下げた。
「そろそろ帰る感じ、かな」
「先輩すみません、急いで帰らないと、同室のぴりりちゃんが段ボールの山に埋もれてしまうので」
そんな彼女の顔に何となく察し、尋ねた幸次に萌々子はますます眉尻を下げながら、そう説明して携帯をしまう。そうして立ち上がって、今にも駆け出していきそうな萌々子に幸次は、慌ててガタンと立ち上がるとその腕を掴み、引き留めた。
「あ、待ってまだ渡してないのが!」
「え?」
そう言って引き留めつつも新たなギフトを取り出そうとする幸次に、萌々子が毒気を抜かれたような表情で目を瞬かせる。誕生日プレゼントはもう貰ったはずだけれど――もう1つプレゼント?
どういう事だろう、と注視する萌々子が駆け出していきそうにない事を確かめて、幸次はそろそろと腕を放した。両手で丁寧にギフトを取り出して、これ、と彼女の前へ差し出す。
「こっちが本命って言うのかな……太ももに巻く小物入れ、ペンが何本か入るんだ」
「小物入れ……レースが付いた布ベルト……?」
そんな幸次の説明に、ギフトを開いてみればそこには確かに、ペンが差せるようなポケットが付いた可愛らしいベルトが入っていた。ぱちり、と目を瞬かせた萌々子に見つめられ、幸次はポリ、と頬をかく。
「ほらっ、アクション映画とかで女の人がスカート捲ったら太ももにベルト巻いてあって銃が装備されてる、みたいなあれなんだ。――愛猫さんのろっこんはペンがいるよね?」
そうして他の席に人がいないことを確認し、それでも心持ち小さな声で説明したことには、彼が用意したこの小物入れ、布ベルトは萌々子がろっこんを使う際に必要な、ペンをいつでも持ち歩けるよう考案したものだという。ろっこんが必要になるような事態は、特に萌々子のような攻撃タイプの物が必要な事態は無いに越したことはないのだが、そうも言っていられない場合は多々あって。
そんな時に、いつでも使えるよう隠し持っておけるものが良いかな、と思った。それは、彼女が幸次の誕生日の時にくれた、やはりろっこんで猫に変身してもつけられる首輪型チョーカーをもらった所からの、インスピレーションだ。
萌々子と同じようにろっこんに役立てられるものを選ぼう――そう考え、探し、選んだのだという幸次の言葉に、そうだったんですね、と萌々子は深く頷いた。
「そういえば私が先輩の誕生日に渡したのは、ろっこんに関するものでしたね」
それを覚えていてくれて、大事にしてくれて、同じ気持ちを返したいと思ってくれることに、萌々子の胸がほわりと温かくなる。ふふ、と嬉しくなって布ベルトを取り出すと、左足を軽く上げてスカートをそろりと摘まみ上げながら、悪戯めいた気持ちで幸次を見つめた。
「これは今すぐ身に着けておいたほうがいいですよね」
「いっ、今ここで付ける!?」
それに慌てふためいたのが幸次である。ぎょっと目を見開き、あたふたと両手を振り回しながらきょろきょろ辺りを見回して、顔色が赤くなったり青くなったりと忙しい。
手を掴んで止めようにも場所が場所なのでうかつに手を出せず、幸次はぎゅっと目を瞑りながら叫んだ。
「いやココ他に人はいないけど、そんなにスカート上げたら……っ!」
「ふふっさすがに今はしませんよ、焦りましたか?」
「……へ?」
そんな幸次に堪え切れず、ぷっ、と吹き出しながら萌々子はスカートを摘まんでいた指をひょいと放す。それに間抜けな声を上げた幸次が、そろ、と片目を開けばそこには元通り、楚々とした風情の萌々子がけれども、無邪気ともいえる楽しげな顔で笑いながら立っていた。
あぁびっくりした、と胸を撫で下ろす。本当にそんなことになっていたら、もうどうしたら良いのか――どうしたら良いんだ?
違う悩みに突入しそうになって、ぶんっ、と大きく頭を振った。それがまたおかしかったようで、萌々子のくすくす笑いは途切れることがない。
そうしてすっかり肩から力が抜けたように、萌々子はさらりと髪を揺らして微笑んだ。
「今日はとってもいい日になりました、本当にありがとうございます。プレゼントも大切にします……それじゃ」
「あ、うん。それじゃ、また」
そんな萌々子に手を振って、幸次は彼女の後姿が小さくなっていくのをそのまま、ぼんやりと見送った。そうしてふと、テラスと店内を隔てる窓に映る自分の顔を見て――どくん、と心臓が大きく音を立てる。
(俺、顔真っ赤になってた……)
うわぁ、と思わず両手で顔を覆ってへなへなと椅子に座り込み、そのままテーブルに突っ伏した。ゆでだこなんて可愛らしいものじゃなく、それはもう耳まで見事にまっかっかだったのだ。
いつから? さっきから? それともずっと? 変に思われたりしなかった?
「うわー、カッコ悪……」
色々なことがぐるぐると頭の中を回り、幸次はべったりテーブルに突っ伏したまま静かに悶える。否、足を迷惑じゃない程度にバタバタして悶えまくる。
――でも。やがて、いいよね、と相変わらず突っ伏したまま幸次は、先ほどの萌々子の笑顔を思い返して、あまり人には見せられないふにゃりとした表情になった。
(あんな風に笑うの知ってるのは俺だけなんだから)
だから――と幸せに浸る幸次は知らない。萌々子もまた、帰路を急ぎながらもほんのり頬を染めていたことを。
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
NPC交流
定員
20人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年08月27日
参加申し込みの期限
2022年09月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年09月03日 11時00分
参加キャラクター一覧
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