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ハッピーバースデー! 9月☆
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◆9月4日、放課後ラプソディー。
いつも通りバスケ部の練習を終え、
羽生 碧南
はふぅ、と大きく充足の息を吐いた。
高校最後の夏休みも終わり、女バスのキャプテンとして臨み準優勝を収めたインターハイを最大の思い出として迎えた2学期も、碧南は部活に顔を出している。本来ならすでに引退しているのだが、順調に育っている後輩たちの成長をもうちょっとだけ見守りたい気持ちも強くて、まだしばらくは女バスの面倒を見たい――と思ったのだ。
ゆえに皆に合図して、今日の反省点などを顧問の高野先生に話してもらい、解散の号令をかける。そうしてシャワーで汗を流し、更衣室で着替えたら、帰る準備は完了だ。
最後に忘れ物がないか確かめてから、更衣室のドアに手を掛け碧南は後輩たちに声をかけた。
「それじゃお先ー」
「お疲れさまでした!」
「ありがとうございました!」
途端、シャワールームや更衣室のあちこちから返る声に「お疲れー」と返して、碧南は更衣室を後にする。それを見送った後輩たちの1人である
浅見 柚乃
は、早く終わって碧南に追いつこうと、シャワールームで髪を洗う手を心持ち速くした。
――が、そんな柚乃の手が一瞬、止まる。そうして誰も見ていないのをいいことに顔をしかめたのが、まるで見えていたかのように
霧生 愛
もまた、軽く眉を上げて内心で舌打ちをした。
練習後の片付けも終わり、汗を流しにシャワールームにやって来た愛である。そうしてぐるりと見回して、空いているのが柚乃の隣だけだと判って――何とも言えず、嫌な気持ちになってしまったのだ。
何しろ、愛と柚乃は仲がよろしくない。ブース自体は別とはいえそんな相手のすぐ隣に、好き好んで行きたいと思う人はあまり居ないだろう。
ゆえに表面上は淡々と隣のブースに入りながらも、愛が穏やかならぬ気持になってしまったのは、無理からぬことだった。そうして実の所その心境は、柚乃の心境そのものでもあって。
(全く……感じ悪い)
隣のブースにぶっきらぼうな感じで――柚乃は少なくともそう感じた――入って来た後輩に、こちらもまた内心で舌打ちをする。どころか胸の内に渦巻くのは、愛への尽きせぬ苛立ちだ。
とにかく柚乃にとっての愛は、よく突っかかって来るし、かと思えば嫌味を言うし、という相性最悪な後輩だった。きっと性格だって悪いに決まってる、と盛大な偏見すら抱いてしまう。
(ああもう、憂鬱!)
ゆえにイライラしながらいささか乱暴な手つきで髪を洗い上げ、飛び出すようにシャワールームを出ると、手早く身支度を整えた。そのままの勢いで更衣室からも飛び出せば、外で待っていた碧南が「柚乃、どうしたの?」と目を丸くする。
途端、すぅ、と苛立ちが胸の底に沈んでいくのを感じながら、いえ、と柚乃は笑顔で首を振った。同じ桜花寮住みの碧南と柚乃は、こうして一緒に帰ることがあって――ゆえに柚乃は大急ぎで、碧南に追い付こうとしていたのだった。
「碧南先輩、帰りましょう」
「うん? うん」
促した柚乃の言葉に、碧南が一瞬だけ首を傾げてから頷く。その理由を知っていて、けれども気付かないフリをした。
桜花寮住みの女バス部員は、碧南と柚乃だけではない。愛もまた桜花寮の住人で、ゆえに先に行った所でどうせ追いつかれるのである。
それがまた憂鬱だと、こっそり息を吐きながらも柚乃は笑顔で、碧南と並んで歩きだす。そうして遠ざかっていくシャワールームの中で、残された愛は陰鬱に息を吐きだした。
柚乃が愛にあんな態度を取るようになったのは、インターハイの決勝戦の時からだと記憶している。試合終了後、負けたのが悔しくて人目憚らず泣いた愛を、碧南がハグしてくれて――その愛を見た柚乃は、唇を噛んで涙を流していて。
アレが自分と同じ、敗北への悔し泣きなんかじゃなかったことに、愛は気付いていた。あれは嫉妬だ――柚乃は、愛に嫉妬していたのだ。
はぁ……とまた溜息を吐きながら、愛はガシガシと全身を洗ってシャワールームを出る。そうして更衣室で身支度を整え、帰寮すべく歩き出したら程なくして、仲良く歩く碧南と柚乃の姿が見えてきた。
お疲れ、と気付いた皆がひらひら手を振ってくれたのに、ぺこりと頭を下げる。その隣からちらりと、刺すような視線で愛を見た柚乃が、ふいと視線を逸らして「碧南先輩」と声をかけた。
(――参ったな)
いつも通りと言えばいつも通りの光景に、だが愛は陰鬱にため息を吐く。愛を無視して碧南とだけ喋り続けるのもいつもの事だが、だから慣れると言うものでもない。
ただでさえ柚乃とは不仲だが、『あの日』からの態度はなかなかに厳しい。だが、柚乃がそうしてくる理由も愛にはわかってるのだ――
(浅見先輩、碧南先輩に恋してる)
そうやって見てみれば、柚乃の態度はまさしく嫉妬としか言いようがなく、だがそれが報われない恋である事もまた、客観的に見れば事実だろうと思われた。つまりは柚乃の片思い、それで傷つくとわかっていても、だからこそ想いは募る一方――という所なのだろう。
はぁ、と細くため息を吐いたのと、碧南が「そうだ」と足を止めたのは同時だった。ちょうど通り抜けた校門の脇により、カバンから取り出したのはラッピングされたプレゼントだ。
「柚乃、ちょっと遅れたけど17歳のお誕生日おめでとう」
「……! ありがとうございます!」
そうして碧南が渡したプレゼントを、渡された柚乃は驚きと感動に大きく息を飲み受け取った。9月1日の柚乃の誕生日からは確かに少し遅れているが、そんなこと、碧南からプレゼントを貰えたという事実に比べれば、少しの問題にもならない。
感動で胸が詰り、震えそうな指先を叱咤して開けてみれば、中から出て来たのはリストバンドだ。「柚乃はネイビーブルーが好きだったでしょ」という碧南の言葉に、自分のために選んでくれたんだ――という喜びがまた溢れてくる。
そんな柚乃の、はっきり『恋する乙女』と書いてあるような顔を横目で見て、愛はぎゅっと縋るように、握り潰すように、胸元を掴んだ。
(胸が痛い)
なんで自分が、他人の恋にやきもきしなきゃならないのだろう。――なんでそれで、過去の失恋を思い出して苦しくならなくちゃいけないの。
もう忘れたと思っていたのに、まだ覚えてたの? と自嘲した。勘弁して……と呟いたのは無意識だ。
恋なんて、しなけりゃいいのに。――誰が?
§
桜花寮へ帰った碧南が、まず向かったのは食堂だった。厨房を覗き込み、そこに居た寮母のトシコさんに、かねてから頼んでおいたバースデーケーキを出して欲しいとお願いする。
トシコさんと一緒に作ったケーキは、フルーツが好きだを言っていた柚乃のためにイチゴやオレンジ、桃にキウイなどを乗せてみた、なかなかの力作だ。
(喜んでくれると良いけど)
そう思いながら自室に戻ると、碧南は手早く着替えて再び部屋を出た。後輩たちを呼びに行こうと、まず向かったのは愛の部屋だ。
「今いい?」
「碧南先輩。はい、大丈夫です」
同じく着替えを済ませたところだった愛は、そんな碧南にこくりと頷く。そうして、じゃあ来て、と歩き出した碧南の後ろについて歩いて行くと、辿り着いたのは柚乃の部屋。
無表情に軽く眉だけあげた、愛に気付かず碧南はそのドアをノックした。
「柚乃。今いい?」
「はい!」
そうして同じように部屋の中に声を掛けながら手招いた碧南に、手招かれた柚乃はラフな部屋着姿で、満面の笑みで頷いた。碧南の背後にいる愛の事はつんと無視して、碧南にだけ笑顔で話しかけるその背中は、『霧生が居なきゃサイコーなのに』と思っているのがありありと伝わってくる。
はいはい、ともはや吐息を零すのにも疲れた愛の前を、碧南に並んで歩いていた柚乃は、食堂へと入っていく碧南に続いて足を踏み入れた。そうして食堂の一角のテーブルを見て、その上に載っているケーキを見て――こっちこっち、と手招きする碧南を、見る。
「せっかくだからバースデーケーキ作ったんだ。柚乃はフルーツ好きでしょ? だからフルーツケーキにしたよ」
笑顔でそう説明してくれる、碧南の言葉を理解するのに少し、時間がかかった。言われてる言葉は判る、1つだって聞き零したりしていない、けれども。
バースデーケーキを、作った? しかも、柚乃がフルーツが好きだってことを、覚えていてくれた……?
じわり、まなじりが熱くなって、視界が滲んでいくのがわかった。
「碧南先輩が……私のために……?」
「うん……って柚乃、なんで泣いてるの?」
そうして感極まって泣き出してしまった柚乃に、ちょっと焦ってしまったのが碧南である。嫌がられているわけではなく、感極まってのことだというのは碧南にも十分伝わってきたが、おろおろ見守っていてもなかなか泣き止みそうにない。
うーん、と困ってしまって碧南は、柚乃をそっとハグして慰めようとする。その甲斐あってか、しばらくして柚乃は落ち着きを取り戻し、恥ずかしそうに「碧南先輩、ありがとうございます……」と頬を赤くした。
そんな柚乃に「気にしないで」と笑顔で首を振って、碧南は改めて柚乃と愛に声を掛ける。
「ほら食べよ。トシコさんにも美味しいって言ってもらったんだから」
「はい……」
「楽しみです!」
そんな碧南に柚乃は元気よく、そして愛はまた胸元をぎゅっと抑えながら淡々とした様子で、それぞれに頷いた。――柚乃の少し遅めの誕生日祝いは、そんな風に過ぎて行ったのだった。
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担当ゲームマスター
蓮華・水無月
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
NPC交流
定員
20人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年08月27日
参加申し込みの期限
2022年09月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年09月03日 11時00分
参加キャラクター一覧
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