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満ちるのは月か心か、それとも?
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温泉街までの散歩は、思いのほか歩いた。
だから足を休めたいし、折角だし汗も流そうかと思案して。
「……いないよね」
稲積 柚春
は『混浴』の文字にゼロではない可能性を考える。確かに温泉で彼と出会うなら混浴しかないだろうが、どう考えても彼が混浴に入る姿など思いつかない。
ворに男湯に入ってもらうわけにもいかないし、女湯では絶対に会えない。だけれども。
「もしや……稲積さま?」
「メアリさん! こんばんは、今日はお休みですか?」
お仕着せではない服装に、彼女が個人的に来ている物だと思ったけれど、どうやら主――
ウォルター・B
が慰労にと誘ったようだ。
すぐ近くに彼がいる。それがわかるだけで、柚春は浮き足だった。
「ところで、稲積さまは随分と悩まれていたようですが……」
「いえ、なんでも! メアリさんとご一緒していいですか?」
「もちろんですとも。さぁさ、参りましょう稲積さま」
ブラックウッド家に度々訪れる柚春は、本来であればウォルターの客人。使用人であるメアリが親しく言葉を交わすことなど、ありえないことだ。
それをわかっているのかいないのか、柚春は手伝いを申し出てくれたりお土産を届けに来てくれたりする。それを満更でもない顔で見守る主の顔も相まって、メアリはつい顔を綻ばせてしまう。
だからこそ、心配してしまうのだ。
「稲積さま、乙女の肌は大切になさいませ」
「……乙女に、見えてたらいいんですけど」
ほんの少し残念そうに笑って、女湯ののれんをくぐる。そんな姿を遠目に見て、安堵の息を吐いた男がいたなど、露ほども思わずに。
付き合って長い彼女が頑ななことくらいわかっていた。
慰労だなんだと言ったって、主を置いて休暇を頂くなんてと譲らなくて、ひと悶着ではすまぬやりとりをした結果――。
「まあ、月見酒も悪くないかぁ」
開放的な男湯に1人、ウォルターは月を見ながら盃を傾ける。ちびりちびりと自分のペースでやれるのも、また良かった。
「わあっ! 月が掴めそう」
女湯の方から聞こえた賑やかな声につられ、男湯と女湯を隔てる仕切りを見ると小さな鳥居があった。何か祭っているのだとしても、なんだってあんなところに。興味本位で近づけば、2人の会話を盗み聞くことになってしまった。
「メアリさんは、水面の月とチーズのお話知っていますか?」
「イギリスの伝承ですね?」
「ウォルターさんは、私が手を伸ばしてるのは水面の月で……本当の月なんて見てないと思っているのかも」
遠いことも裏側があることも、なんにも気づかないまま。水面の月を熊手で手繰り寄せたり、池の水を飲み干せば手に入ると信じている愚か者。水面を揺らすだけで掴めもしないのに、届いた届かないと一喜一憂している阿呆だと揶揄する物語。
「月が遠いなんて知ってるんだ、偶然掬えたから届くだなんて思ってない」
あの日、確かに唇は触れたけれど。そこに今は偶然以上の物が無いように。
両手で温泉を掬えば、月は手で掴んだかのように両手の中に浮かぶけれど、それは写しで本物じゃ無いことも知っている。
「僕はずっと子供で居ることも、ウォルターさんが線を引いたからって遠慮した距離でいることもできなくて……おいでと言われれば真に受けたように舞い上がってしまうのも事実だけど」
もどかしい気持ちをどうすればいいかわからず、柚春は空の月に手を伸ばす。
「ちゃんと、ワットに手を伸ばしてるんだって……伝わっているかな」
ただでさえ人との距離感がわからない柚春にとって、気分屋な彼が望む距離感などわかるわけもなくて。大人の社交辞令も、そこに潜ませた本音もわからなくて。
だけど、安全圏だけ狙って攻め込めば、彼が線引きした内側に籠もってしまうことは知っている。
――パンパンッ
会話が途切れた頃合いを見計らうように響く柏手を打つ音。それは男湯のほうから聞こえてきた。
(あれ、あんな所に鳥居がある)
その横には紐が垂れ下がっており、女湯の方からだけ小さな鳥居の奥にある扉を開けられるらしい。
柚春は周囲に他の客がいないことを確認し、メアリへ了承を得るように目配せをして。扉の向こうに焦がれる相手がいますようにと願って、そろりと紐を引く。見知った空色の瞳が茶化すように細くなるのが見えた。
「危ないこと、しちゃダメでしょ?」
「ウォルターさんがいると思ったし」
こんな小さな窓越しに話す、何が危ないのかと首を傾げる柚春は無防備で、あのナイトの気苦労は計り知れない。
「……疑ってないよ。だから、度胸は別の所で使いなよねぇ」
「じゃあ……そこに盃はある? お酒を注いでみて、プレゼントがあるから」
鼻がきく柚春に言われるまま盃を満たせば、見上げるばかりだった月が手元に届けられる。
月に手が届く――その意味を、知っているかはお互い口にはしなかった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
30人
参加キャラクター数
22人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年08月20日
参加申し込みの期限
2022年08月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年08月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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