【体育祭3rd】Light and shadow !!｜リアクション

【体育祭3rd】Light and shadow !!

　辺りが闇に包まれ、ライトが寝子島全体を照らし出した。
　小萩が応援用の舞台に上がり、マイクを持っていた。
「寝子島高校の皆さん、こんばんは。この時がやって来ました。いよいよ体育祭が開始です。正々堂々全力でぶつかり合いましょう！」

「うおーーーー！」

　小萩はうんうんと頷いたその時。

　小萩が喋り出すタイミングで舞台の袖に、吉住志桜里と吉住獅百合が待機していた。
「さてそろそろですね」
「ああ、行くぞ！」
　舞台へ飛び出す。
「！？　なんですか！？」
ライトが消され、ＬＥＤテープででこった稽古着が映える。すぐにライトが点灯し、Grredy catsが舞台に姿を現す。

「綺麗」
「あの光、どうなってるんだ？」
「おお、新しいな」

　聞こえてくる声に志桜里と獅百合は頷きあった。
「ノッてるかー！　いくぜターンテーブルリストa.k.ａバトルＤＪの本領、ついて来いや
のロデオライト！」
　獅百合が叫んで、志桜里が小萩のマイクに手を伸ばす。
「失礼しまーす。大丈夫、オープニングイベントです」
「は、はあ。分かりました……って、小萩の見せ場だったりするのですが！？」
　志桜里がマイクを口元へ。
「ハロー皆さんこんばんは、聞いたことはあるって方はいました？　まぁ知ったこっちゃないって方は今知った、ということでGreedy Cats！　名前だけでも覚えて帰って、なんて甘えないっ」
　志桜里は人差し指を空へ。
「さながらEast side/West side？一切合切派手にやろうぜ体育祭
Light and Shadowつまり光陰 Like an arrow みたく駆け抜ける夜更かしの天才たちにゃ不可能なんてない
酸いも甘いも嚙み分けるにはまだ早いそんな若さの強み見せ合おう、
DJ Scion！！！」
　さっと横へズレると、獅百合がぱちんと指を鳴らした。
　けたたましいレゲェホーンの連打を皮切りに、トラックを１フレーズ分聴かせてから半拍ずらし、高速・高難度のスクラッチとクロスフェーダー捌きで思うがままにかき鳴らす！
　身体を左右に動かしながらターンをして両手を交差せ、高速で手を動かす。　ヘドバンをしながら正確に。
　すっとＭＣが前へでる。
「さあ、全力を尽くそう、一緒に～！」
　獅百合がリズミカルに体を動かしていた。単純な動き、音楽の調子に会場が一気に一体感を醸し出す。
「ついてこれるかー？　いけー！」
　クライマックス。誰にも真似できないにような高速でかき鳴らす。
　そして、
　切りよく、音楽がストップ。
　獅百合は再びくるっと回転し、手にひらを宙にかざすのだった。
　拍手が沸き起こる。
　最高潮である。
　拍手をしながら小萩が複雑そうに。
「まさか宣言前に」
　しかし、皆のやる気が上がったような気がする。
　

　Greedy Catsが退場後、
「コホン。それでは、皆さん」
　そう口にした途端、小萩にライトが当たる。彼女の影がすっと二つに分かれ、影絵のようになる。
「light　and　shadow！」
　小萩が両手を空に掲げる。
（ふふふ、公平な立場、光と闇の間に立つ者、照明係さん、ナイス。……ちょっと色々持って行かれた感じありましたけど）
　こうして、開始されたのだった。

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