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やまぬ雨音 - falling of the rain
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他人をコントロールすることに法悦を感じる人間をサディストと言うのであれば、片篠由樹弥はこれにあてはまる。
他人を傷つけ、恥辱を与えることを好む人間をサディストと言うのであれば、片篠由樹弥はこれにあてはまる。
こうした行為を常習的に行い、しかもなんらの罪悪感を持たぬ人間をサディストと言うのであれば――。
さゆるの実の母親を思い出すからだろうか、それとも純粋にタブー破りを楽しんでいるのだろうか、由樹弥の行為は猟奇的にして偏執的だった。自分の肉体はもちろんのこと、道具を使ってさゆるを嬲(なぶ)ることを好んだ。
とりわけ好んだのはサバイバルナイフだ。刃先をつきつけるだけではなく身の部分でさゆるの頬を撫で回すのは彼のお気に入りの前戯行為だった。
その日、衝動的な狂気をいだいたか由樹弥は、刃をさゆるのうなじに向けた。
脅しじゃない。本気で使おうとしている。
さゆるが悟り、運命を受け入れようとしたとき、由樹弥の背後から体当たりした人間があった。
「藍人」
とさゆるは言った。
「片篠藍人、片篠の息子よ」
「つまり」
「……あたしの兄、ということになる」
脳裏を一瞬、白い光がかすめたようにさゆるは感じた。
思い出したのだ。
あの夜に起こったことを、鮮明に思い出したのだ。
落ちたナイフをめぐって由樹弥と藍人は争った。それこそ、肉を奪い合う二頭の山犬のように。
ついにナイフを奪ったのは藍人だ。藍人は由樹弥の左胸に刃を突き立てた。
ここまでが、今日にいたるまでのさゆるの記憶だ。
だが記憶には続きがあった。
しばらくのあいだ、藍人は肩で息をしながら立っていた。やがて父の死を確認し、半裸のさゆるに歩み寄ろうとした。
……なのに、奴は生き返った。
一時とはいえ完全に脈が止まっていたはずだ。藍人が確認したのだから。
だとすれば憤怒が死人をよみがえらせたのか。超自然的な力が働いたのか。あるいは仮死状態にあっただけなのか。
いずれにせよ由樹弥は血まみれの姿のまま起き上がり、攻守反転した格好で藍人に飛びかかったのである。
異様な光景だ。
朱に染まった父親が、同じく朱に染まった息子と取っ組み合いを演じている。ふたりの男は拳や足だけではなく、爪や歯まで武器として使った、文字通り死に物狂いの闘争だ。言葉はとうに消えうなり声吼え声のみが行き交っていた。すでに人間の所業ではなかった。
しかもこの、相食む獣さながらの狂気を見つめているのは、一方の娘であり一方の妹なのだ。
金縛りにあったようなさゆるの足元に、柄の部分までべったりと血のついたナイフが滑ってきた。
さゆるを駆り立てたのは恐怖だったのだろうか。
それとも怒りか。
絶望か。
さゆるはナイフを拾い上げると、悲鳴とも雄叫びともつかぬ声を上げ由樹弥の背中を貫いた。
一度ではない。抜いては刺し刺しては抜いた。
赤いものが吹きだしてさゆるの顔を染めた。けれどさゆるは怯まない。腕を止めない。
今度こそ。
今度こそあいつの息の根を止めなきゃ……!
すべてが終わったとき、もはや人間の死体なのか、解体されたマグロなのかわからないものが横たわっていた。
この日を境に、さゆるは藍人と運命共同体――共犯関係となったのだ。
「……あたしは、手を下したのは藍人だと思っていた。でも、とどめを刺したのはあたしだった」
さゆるの肩から力が抜けた。そのままベッドに、横倒しになって倒れこむ。
「ふたりであいつの死体を埋めたのは土砂降りの夜だった」
さゆるは目を閉じる。ぐしゃぐしゃになった地面にシャベルが刺さるときの、冴え冴えとした感触はいまでも覚えている。ビニールでくるんだ死体のぞっとするような重さも。
「……ねえ、どう思う? じゅん」
答えを必要としない問いかけを発し、我が身を抱くようにして腕を交差させた。
実の兄藍人との関係もこの日からはじまったのだ。たとえそれが、人間世界の掟からすれば許されぬ関係だったとしても。
「夜が怖かった。夜が怖くて……特に雨の夜が怖かった」
さゆるはシーツの海に身を沈め、溺れる者のようにもがく。
「藍人との傷つけあうようなセックスも、行きずりの相手とのセックスもすべて、夜から逃げたかったから。自分が傷つけば傷つくだけ、その痛みで夜の長さをやり過ごせると思ったから……」
夜が長い、とさゆるは言葉を紡いだ。
「夜が長い。終わらない……」
温かいものがさゆるに覆いかぶさった。じゅんの肉体だ。胸をさゆるの背中にこすりつけるようにして、唇をさゆるの耳に寄せる。
「……なら、雨がやむまで愛してあげる。夜が終わるまで一緒に眠らないであげる」
じゅんはさゆるの体に手を添え、体を反転させる。
「そして……あたしが今度はさゆるを傷つけてあげる。あんたもそうしてよ、さゆる」
じゅんは舌を突き出した。さゆるの唇のあいだに押し入り、さゆるの舌を絡め取った。
「んっ……」
唇同士が離れる。混じり合った唾液が糸をひく。
「だって、傷を舐め合うなんて、あたしたちには似合わないから」
じゅんはさゆるの乳房に顔をうずめ、膝でさゆるの腿を挟みこんだ。
獲物を捕らえたタガメのように、あるいは、母親から離れまいとする幼子のように。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSSS(600)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年07月31日
参加申し込みの期限
2022年08月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年08月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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