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■土曜:午後一時、ブリリアントリゾートホテルのプライベートビーチ
プライベートビーチと銘打つだけあって、海辺は混雑とはほど遠い。
メロンソーダ色の海、砂糖を撒いたような白い砂浜、遠い海にはヨットが数艘、右へ左へ流れゆく。あとはひたすらに青い空。ビーチパラソルやチェアも豊富で、憩う場所には困らない。
一応水着は着て来たが、日焼けしても嫌なのでパーカーを重ねている。パラソルの下にもぐりこみチェアに陣取り、長い脚をのばして志桜里はひとり、しばし優雅なひとときを楽しんだ。
……。
楽しんだ。
…………。
いや、退屈だ。
志桜里はあくびを漏らすのである。
優雅にくつろぐというのは、じつに暇なものですね。
何もしないのが贅沢だという意見もあろうが、志桜里にとっては無為は刑罰、制作意欲だって消え失せそうだ。
いけませんね、このままでは脳がふわふわのスフレケーキになってしまいそうです。
サンダル履きで志桜里は砂浜に降りた。うんとディストーションをかけたギター、しかもミドルを思い切ってカットして鳴らしたような音がした。鳥肌がたちそうなくらい良い音だ。少しだけ迷ったが思い切ってサンダルを脱ぎ砂を直接足裏に感じた。砂は日に焼かれていて熱い。ちりちりと弱火で焼かれている気分ではないか。だがまんざらでもなかった。きめ細かい砂はさらさらで、散らばる貝殻のチクチクもいいアクセントになっている。土踏まずを通り抜ける風がくすぐったい。
こうなれば砂浜を遊ぶとしましょうか。
欲望のままに!
足指をいっぱいまで広げ、ざくりざくりと音をたて志桜里は歩き出す。
良い感じですね。
足の指で砂を握りしめる。指が長いのでけっこうな量を握ることができた。ふふふと笑みがこみ上げてきた。
童心に返ってのビーチウォーキングといきましょうか。
いつものように足の大きさをからかう悪友がいないのをいいことに、大きな足を誇るがごとく力いっぱい足跡を残しながら波打ち際まで進んだ。自然と鼻唄が口をつく。レゲエ調のヒップホップでも唄えばよかろうに、まっさきに志桜里の頭に浮かんだのはなぜか、社会派ヒップホップグループの戦闘的なアンセムだった。場違いかもしれないが、権威に支配されるな、自分らしくあれ、というメッセージを受信したのだと思うことにする。
海辺の湿った砂に、どしんと大きな足跡を残してみる。波がかかるとたちまち洗い流されるが、それでも踵部分のへこみは残るのだった。
えいやともうひとつストンプして、スタンプさながらのフットプリントをしみじみ眺めた。
いい足跡ですよね。
実は足癖が悪かったり、大きさも力強さのがっちり具合も男性顔負けな足を武人マインドの私は気に入っていたりするわけで……ふふっ。
何かを踏むのってやっぱり気持ち良いっ。
どうせこのビーチには知り合いなんていないし誰も見ていない。
もっと遊んじゃいましょう、そう決めて、志桜里はしゃがみこみ砂の上にアートを築くことにした。
砂遊びだ。いつ以来だろうか。
ビーチの砂はきめ細かいが、しっかり海水をまぜれば強固になる。これを利用してまず組んだのは定番のお城だ。最初はシンデレラでも住んでいそうなメルヘンな形状にしかけたが、いや待てよと思ってもっといかつい、それこそ砦のようなものに組み替えた。銃眼を作って柱も浮き出させ完成したものをなんちゃってアラモ砦と命名する。
お山もほしくなってきましたね。
パーカーの袖をまくってえいやと大量の砂を運ぶ。ただの山じゃつまらない。ぎっしり固めて延ばして壮麗な山脈とする。たとえるなら恐竜の背びれか。なかなか立派なものができたではないか。
「あっ、山脈を越えて異民族が攻めてきました!」
声に出してみると今度は、砦を防衛するため万里の長城が必要という気がしてきた。時代考証もなにもあったものではないがさっそく建設作業に入る。
「もしあなたが宇宙船に乗って宇宙に行ったら、地球にふたつの人工物を見ることができるでしょう……ひとつは万里の長城、もうひとつはGreedy Catsのターンテーブルです! なんてね」
開放的な環境下での放言は、なんと気持ちのいいものだろう。くすくす笑いながら長城を完成させる。
言ったからにはということで今度は、砦よりも大きなターンテーブルを砂で作ることにした。これが実物大だったとしたらどんなレコードが載るのだろう。やはり超弩級サイズのビニール盤か。同居の分身もといDJが、「どーやってプレイすんだこんなのー!」とわめくところも想像してみる。
「良い感じですねぇ」
つくづくと見わたして満足気につぶやいた。力作といっていいだろう。パーカーのポケットからスマホを撮りだして撮影する。
何枚か撮って、自分も入るようにしてセルフィー。
よし、これでビルドは終了……。
つぎはスクラップです♪
志桜里の目がキラッと輝いた。そして彼女は、暴威をふるった。
たとえるならば龍、逆鱗に触れた者を街ごと滅ぼすかのごとく、志桜里は築き上げたものを踏み荒らし蹴散らし、大きく激しく薙ぎ払った。飛散する砂はまるで波濤だ。砦や長城、あるいはターンテーブルに人が住んでいたとしたら、彼らは超自然の怒りを知り逃げ惑い、ついには無力感から立ちつくすのみとなったであろう。
光あるところに影があるように、創造あるところには破壊があるのだ。破壊と創造は表裏一帯、スクラップ&ビルドこそがアーティストの定めであり業(ごう)なのだ。志桜里はいま、業をなしているのだ。
「……ふーむ」
志桜里は足跡だらけになった跡地を静かに眺める。
創るのに相当な時間がかかった。されど破壊は一瞬だ。色即是空、これ理(ことわり)なり。チベットの僧たちが砂曼荼羅を、破壊する心境にも似たものがあるのだろうか。
さてと。
ふたたび志桜里はスマホを手にした。
何枚か撮って、自分も入るようにしてセルフィー。
すべての構図は最初と同じだ。
『有為転変のはかなさですね』
一文、したためてビフォア写真とともに相方に送信するのである。
この無常観に共鳴でもしてくれればいいのだが、けれども、
『クロ、あんたなにやってんだ!? ヒマ人か』
返ってきた反応は実につまらないものだった。
本当にあなた私の分身ですかと問い詰めたいですね、まったく――。
『ヒマ人に非ず、imagineです』
韻を踏んで書いてみた。想像しなさいというメッセージである。
もしかしたら新曲のリリックに……はなりませんかね、などと思う。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年07月04日
参加申し込みの期限
2022年07月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年07月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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