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■土曜:午後二時半、ブリリアントリゾートホテルのプライベートビーチ
水平線と海の接する場所に目をやる。もしかしたらどこかで、混じり合っていないかと期待しているかのように。
八神修は波に身をゆだね、空から降り海へ染みこむ碧い粒子を全身で味わっていた。
そういえば前に、海の夢を見たような気もする――無の空間から冬の欧州、真夏の海へと気ままに移動する夢だ。夢のしめくくりは学校だった。夢のなかで修は、七夜あおいと一緒だったはずだ。
急に思いたって沖縄に来た修である。料理に引かれてやってきたので、その沖縄料理を存分に楽しめたことには大いに満足している。料理店では店員と親しくなり、飾ってあった三線を触らせてもらったりもした。ほんの少しだが曲らしいものも奏でることができた。
その後ホテルにチェックインして、つぎはアクティビティを満喫すべくビーチに来たというわけだ。
澄みわたる好天、波は穏やかで気持ちがいい。
それだけに、この場にあおいがいないことが悔やまれてならない。画竜点睛を欠く、というのであろうか。
まあ、急すぎたというのが最大の原因か。
修は、この沖縄行きにもあおいを誘っていた。いきなりの話ではあるが、修のこういった誘い方にあおいは慣れているはずだ。思いつきのような誘いであろうと、たいていはふたつ返事で応じてくれたものだった。
そんなあおいに俺は甘えていたのかもしれない。
甘えていた――などという言葉を自分が使ったと知ったら、両親は驚愕するだろうと修は思った。教師はもちろん、大半のクラスメートも驚くはずだとも思う。独立不羈(ふき)にして他に頼らず、八神修はそんな人間だと認識されているはずだから。言い換えれば、たとえもたれかかられることがあっても、誰にももたれかからないのが修の生き様だと、口にせずとも周囲の人はそうみなしていると思う。
そんな俺でも、あおいは別だ。
いつもは彼女が好意的に受け止めてくれるから、つい、常にそうだろうと俺は思ってしまう。頼ってしまう。
反省しなくてはな。
……しかし罪な女性(ひと)だ。あえて言えば。
あおいはいつだって、またたく間に俺の頭を埋めてしまうから。
進路を決める高三の夏、あおいは忙しくしていた。福祉系の専門学校進学を考えており、資料集めや体験入学に奔走していた。そんなことくらい俺に言ってくれれば――と何度言いたくなったことか。自分であればあおいに最適な進路を見つけだすくらいわけのないことだ。けれどそれはあおいの自立をさまたげることになると考え、修は思いとどまっている。
今日もそうした進学準備があって、あおいは誘いを断ったのだった。明日から沖縄に行かないか、そう誘ったものの、
「ごめんね、明日は――」
が彼女の返事だった。
「まあ、仕方ないさ」
ショックでないといえば嘘になるが、ショックを見せないくらいの配慮は、修とて容易にできる。
仕方なく単身、修は海に出たのだった。
いいさ。
広視界型のゴーグルを下ろし、マウスピースの位置を確認する。
だったら今日は、いつかあおいと来るときの予行演習といこう。
大きく息を吸って顔を海面下に下ろした。
シュノーケルを用意してきたのだ。ダイバーとまでは行かずとも、透明度の高い海を楽しむには適した装備だろう。
おっ。
いくらか沖に出ただけだというのに、たちまちそこは別世界だ。寝子島の海とは表情がちがう。さすが沖縄、市街地が近いというのに、こんなにも美しくこんなにも豊富な生命が、すぐ目の下に息づいている。
踊るがごとく柔毛を、ふよふよとウェーブするソフトコーラルの群生がある。赤・黄・紫など色とりどりで、まるで海中の花畑のようだった。水色の背びれが美しいあの魚はなんという名前なのだろう。くっきりと別れた縦の縞模様はなんというか派手だが、言い換えればビビッドでお洒落でもある。負けじと洒落者なのはオレンジと白のクマノミ、人間のことなどおかまいなしで、すいすいと水の中を遊んでいた。
水族館も良いけれど、やはり、自然のままに在る生き物は素敵だ。
我を忘れて見とれてしまう。
もっと沖へと泳ぐうち、急に足元がぽっかり、水深数メートルの深さに陥没した。
!?
周囲を見回すとすべてこの調子だ。さっきまで立とうと思えば足が付く深さだったのに、まるで大海原のまんなかに投げ込まれたかのようだ。
一瞬恐怖すら感じたが、すぐに心は安らいだ。
海藻をかきわけるようにして、遠くから不思議な姿が泳いできたからだ。
上半身は美しい少女、なのに腰から下は魚。裸の胸に貝殻のビキニをしている。
ゆれる栗色の髪とブルーの瞳は、修のよく知る姿だった。
「ああ、あおいだったのか」
「修くん。こんなところで会うなんビックリ」
「俺こそビックリさ」
でも嬉しいよ――と目を閉じふたたび開けたとき、人魚の姿は消えていた。水の深さも元に戻っている。
唇がふれそうなほど近くを、あざやかな色をした小魚が横切っていった。
いけないな。
修は泡と一緒に自嘲を浮かべた。
白昼夢を見たらしい。
海中のあまりの美しさのせいか。
それとも、あおいを想いすぎたせいか。
ジェットスキーで引っ張ってもらうチェア型ボートと、どちらにするか迷ったものの、のんびりしようと決めて修はカヤックを選んだ。本当ならあおいとタンデムといきたかったが、いかんともしがたくひとり乗りだ。うんと遠くまで漕ぎ出でて、あとは波が浜に流してくれるに任せた。
凪いだ海は静かで、波音のほかに聞こえる音もない。
たまらないね。
暑いは暑いし日にも焼けるが、それでも細胞が喜んでいるような気がする。
小閑を盗んで沖縄まで来た修だが、やはり彼もひとりの受験生であることは事実だ。だが必死の追い込みが必要という状態ではない。もともと学業成績優秀の上、一年生の時点でターゲットとする大学と学部を絞り勉強にいそしんできたから、予想模試の判定は毎回Aだった。まず安泰といっていいものの、巻いた鉢巻きを緩めるようなことはしないのが修だ。ただ、ときおりはこうして、羽を伸ばす機会を作るようにはしてきた。
来年の夏、俺はどうしているだろうか。
回答のない問いを、波に乗せて海に流した。
またこの場所に来て、今度はあおいと、このひとときを分かち合いたいものだが。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年07月04日
参加申し込みの期限
2022年07月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年07月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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