メイコさん再び～海中散歩しませんか？～｜リアクション

メイコさん再び～海中散歩しませんか？～

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　海に潜ると、まず見えたのは水上から差し込む光のカーテン。
　先導するメイコの後を追うように、スクール水着姿の、白石龍樹が後を追う。
「すげえ！　息ができる！」
「コラ、はしゃがないの！　……でも、体験するとビックリする気持ちは解るわね」
《お姉ちゃん》らしく振る舞いたい森篠奏子は、一学年上の龍樹をたしなめつつ、泡のヘルメットに触れようとする。
　確かに包まれている感触はあるのだが、手が触れても泡がはじける気配はない。
　――まるで“空気に包まれている”ような、不思議な感覚だった。
「溺れた人にやるとか、使い勝手よさそうでいいな」
　ラッセルは思ったことをそのまま口にしてみた。
　すると、
「海中で暮らす私としては、使う場面はないのですが……人助けに使えるなら私も嬉しいです！」
　メイコも両手をグッと握る。
　水中では使わない能力だとしても、やはり“役立つ”という言葉は嬉しいようだ。

　目的地まで行く道すがら、メイコに色々な質問を投げかけてみた。
「メイコさん、お勧めのスポットはあるか？」
「珊瑚条坊の、ですか？　街そのものが名所、っていうのもありますが……最近はアクセサリーショップが人気ですよ！」
　珊瑚や貝殻、真珠、鉱石を使って、華やかに着飾るのがブームなんだとか……一昔前の“デコる”というヤツだろう。
　船幽霊もこぞって身につけているらしい。
「指輪感覚か？」
「リュウグウジョウには行けるかな？　カメじゃないと連れてってくれないのか？」
　龍樹のいう“竜宮城”には、メイコも不思議そうに首を傾げ、
「あまり遠出しないので、聞いたことないのですが……どんなところなのです？」
　メイコに聞き返され、龍樹も竜宮城について思い出す限り、伝えてみる。
「――って感じでさ、いっぱい人魚もいるんだ。メイコは人魚姫みたいにお姉さんはいるのか？」
「家族はいますけれど、私は一般人魚ですよ！」
　“いっぱんにんぎょ”とは……？
　疑問を抱き始めたとき、海底から煌々と輝く“なにか”が見えてくる。

　気付けば光のカーテンは見えなくなり、穏やかな光の粒子が海に溶け込んでいる。
　暗がりに変わりつつあった中で、現れた光輝はいっそう眩しく映った。
「あれですね、珊瑚条坊！」
　頼子が指差す、目的の街に降り立とうと、奏子達は珊瑚条坊の外周に降り立つ。

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