寝子島の小中高も、夏休みは後半戦。
山ほど出される宿題。自由研究。毎日の絵日記と大忙しな子も居れば、さっさか終わらせ夏休みEnjoy Nowな子達まで。
源 頼子は前者であるが……夏休みを満喫する彼女は、寝子島シーサイドアウトレットで情報収集していた。
「うーん、噂のタピオカ・カシス・レモン・マンゴーラテ……甘すぎてアタシの口もヒン曲がっちまいやす!」
フードコートのベンチに座り、口をへの字に曲げていた頼子……その背後より、
「まあ! そんなに甘いんですか?」
聞き覚えがある……けれど、寝子島ではもう聞くことがないと思っていた声が。
「その声は……メイコさん!?」
振り向く頼子の背後には細い通路があるのみ。
恐る恐る、通路に踏み入ると……そこには現代的な赤朽葉駅のホーム。そして
『人魚』のメイコが、宙にふわふわ浮いていた。
メイコとは彼女が寝子島で
迷子になった際に案内してあげたことが縁で、頼子とは顔見知りなのだ。
「やっぱり頼子さんでした! たまたま声が聞こえたので、つい声をかけちゃいました」
えへへとふんわり笑うメイコは、帰ってからも元気にやっているようだ。
ほわーと見上げる頼子に、メイコは思い出したように手を叩き。
「もしまたお会いできたら、と思って考えていたことがありまして」
そこは情報屋の源さん。頼みとあらば二つ返事で受けるが信条。
……メイコの“お願い”を聞くと、口がひしゃげる甘いジュースを一気飲みし、頼子は即座に走りだす。
頼子はシーサイドタウンでもれいび達に声をかけ、赤朽葉駅のメイコの元へ帰還。
「
海中散歩にこないかって、なんかすげえお誘いだな」
寝子島で迷子になっていたメイコを知る、
桜井 ラッセルは感心したように腕を組む。
彼女が言うには
『瑠璃紺駅の周辺であれば案内できる』とか。
「私、人魚としては変わった能力で『泡を操る能力』なんです! これを使えば、
安心安全の水中散歩ができますよっ」
確かに、海中で暮らす人魚には無用の長物であるが……水中に長居できない者にとっては魅力的。
たまたま被写体を探していた
風間 舞子も、興味深そうな話題にようやっと関心を向ける。
「海中から見上げる景色……人間は息が持たない分、長く見ていられない。けど、それがあればじっくり観察できそうだね」
水にまつわる絵画は独特の神秘性を放つ。
海から見上げた空なら、それこそ価値ある作品になりそうだ。
「うふふっ。それに
瑠璃紺駅の近くにある“珊瑚条坊”もキレイですよ!
珊瑚を使った外装や建物。水にまつわるあやかしの歌と踊りで溢れていて、毎日がお祭りみたいなんです!」
「それで、待ち合わせ場所は考えてる?」
唯一、星ヶ丘に身を置く
島崎 嘉織としては、離れすぎていては困りものだが、
「霊界線の『黄橡(きつるばみ)駅』はどうでしょう? 星ヶ丘とシーサイドタウンの間で、ちょうど良いと思いやすよ!」
頼子の提案に納得し、嘉織も安心したように頷き返す。
「それじゃあ、アタシは他にも来る人いないか探しに……あ、
水着も忘れずにご用意くださいね? なんてったって、
海中散歩でやすから!」
夏休みの宿題はまだあるけれど……それはそれとして、霊界での海中散歩。
不思議に満ちた世界で、彼らになにを見るのだろう?
木乃です! らっかみタイムの夏休みも後半戦。
夏の思い出作りに霊界で海中散歩はいかがでしょうか?
関連シナリオとして前作シナリオを表記していますがが、
NPCをご存じない方はもちろん、前作シナリオに参加していなかった方でもOKです。
どなたでも大歓迎なので、お気軽にご参加いただけると嬉しいです!
●マスターからのお願い
開放的な服装やシーズンですが、えっちな行為はご遠慮下さいますようお願いします!
●シナリオの舞台
あやかしの世界『霊界』の瑠璃紺駅の周辺にある“珊瑚条坊”へおでかけします!
瑠璃紺駅の周辺はどこまでも続く空と海が広がり、海上に線路が通っています。
駅ホームも海上にあります。
メイコさんは瑠璃紺駅の周辺に住んでいるらしく、駅近くなら案内できるそうです。
珊瑚条坊の住人は人魚以外にも、セイレーン、タコ入道、クラーケン、船幽霊、
シーサーペントなど、海に関わるあやかしが多いようです。
(潜水艦やヨットの付喪神、海賊船のキャプテン、豪華客船の船員だった幽霊も居ます)
ただ、10mサイズの住民が多いようなので……建物は人間サイズより大きいかも?
●できること
【メイコさんの作る泡のヘルメットを付けることで、海中で呼吸ができます】
深度がどれほどかは不明ですが、瑠璃紺駅の近くにある珊瑚の街“珊瑚条坊”へ、
おでかけして、不思議な世界を満喫しましょう!
あやかしは《基本的には食事や労働を必要としない》ため、
珊瑚条坊でも《歌ったり、踊ったりしているあやかしが大半》なようです。
自分達の好きなこととして、料理やスイーツ、アクセサリーを作ったり、
街の景観を整備しているので、見て回るだけでも楽しいでしょう。
アクセサリーやスイーツはカラフルで、色鮮やかなものが多い模様。
外から訪れる客人が珍しいようで、皆さんも歓迎してくれますし、
聞けば色々と教えてくれるかもしれません。
テレビやラジオ、スマホなどの電化製品、通信機器は持っていないようです。
<アクションの例>
・珊瑚条坊を撮影してまわる! 綺麗な景色が撮れるといいな。
・霊界イルカや妖怪とお宝探し、霊界の海の底にはなにがあるかな?
・珊瑚条坊でアクセサリー集め。キラキラの映えアイテムを見つけるぞ!
●NPC
・源 頼子
『助けを求める人とテレパシー交信できる』ろっこんを持つ、なぜか江戸っ子口調の寝子島小4年生。
夏休みの宿題がまだ終わっていないようだが、海中散歩には参加する気満々。
よくも悪くも恐い物知らずで、声がデカい。
・メイコ
霊界に住むあやかし『人魚』の少女。外見年齢は15才ほど。
伝承通りに下半身が魚で、泡を操る能力をもつ。
寝子島で助けてもらったお礼に、今回は『珊瑚条坊を案内したい』と提案してきた。
人魚のわりに警戒心が薄く、好奇心旺盛な模様。