【１０周年】吾輩は見た～かぎしっぽオンニャイン配信中！｜リアクション

【１０周年】吾輩は見た～かぎしっぽオンニャイン配信中！

【＃02　ニャンピース】

　寝子島の人間あるある。「異世界に飛ばされがち」～！
　望むと望まざるとにかかわらず、人間というのはフシギ事件に飛びこんでしまうようですニャ。ボクも取材中、何度巻き込まれたことか。
　というわけで今回の『吾輩は見た』のコーナーは、海賊船の上からお届けしますニャ。
「ハーイ、野郎ども！　さあ、帆を張って！　北北西に進路を取るのよ！」
　アイサー・キャプテン！　と屈強な人間たちが、だみ声を上げました。

　キャプテン・ホムラこと神薙焔ちゃんはもちろん寝子島の人間ですニャけど、気が付いたら船長やってました。
　そんでもって、なぜかノリノリなんですニャア。フツー、もっと驚いたり逃げたりしません？
「いやー、まあ慣れかしら？　こういうのも嫌いじゃないしね」
　青い海を軽快に走る海賊船。そよそよ吹く潮風に髪をなびかせて、なんとも頼もしくキャプテンは言いました。
「せっかくだし、ジョニーくんも楽しんだら？」
「たのしむ。ですかニャ？」
「そそ。いっしょに海賊やりましょ！　そのほうが取材にも臨場感が出るんじゃない？」
　ふ～む、確かに。自分で体験してみるのも、取材の一環ですかニャア。
　それに、にかっと笑った焔ちゃんの、このなんとも楽しそうな顔ときたら！

「キャプテン！　前方に島が見えましたぜ！」
「ついに見つけたわ。あの島こそ、伝説の海賊、キャプテン・マンチカンのアジトよ！」
　ノリノリですニャア。
「さあ乗り込むわよ、副船長さん」
「それって、ボクのことですかニャ？」
「もちろん！　頼りにしてるわよ♪」
　ボクは記者ニャし、そんな期待されても困りますニャ～？
　ま、ともかく海賊の島に上陸です。罠がたくさん、敵もたくさん！　といっても海賊さんじゃなくて、わらわら出てきたのは動く骨とか、武器を持った半魚人とかですニャ。
「あれが海賊の宝を守る番人ってわけね。野郎ども、突っ込むわよ！」
　あっという間に大乱戦が始まりましたニャ。
　徒党を組んで薙ぎ倒し、突き進む海賊たち。バカスカ銃撃ちまくり、斬りまくりなキャプテン・ホムラ。おおっ、これは大迫力の映像が撮れそうですニャ！
　確かにこの臨場感は、記者に徹していては表現できませんニャ～。
「でやーっ！　スケルトン一丁上がり！」
「つよいですニャー、キャプテン！」
「おおっと。ジョニーくん、そんなに足元をうろうろしてたら、蹴っとばしちゃうかもしれないわよ？」
「今のボクは副船長ですからニャ。そのくらい、ニャんてことありませんですニャー」
「ふふっ、頼もしいわね！」

　スケルトンに半魚人を軒並みぶっとばし、大ボスの巨大クラーケンも一刀両断。ついに隠された財宝のもとにたどりついたというのに、焔ちゃんときたら息の一つも乱れていないんだから驚きます。
　どんだけ慣れてますかニャア。
「よっしゃあ、お宝ゲットよ！」
「やりましたニャ、キャプテン。今のお気持ちをひと言、お願いしますニャ！」
　極めつけはこの、にかっ、って笑顔。まったくもってなにひとつ、難しいことなんてありゃしませんってな表情。そしてピース！
「最っ高♪」
　この金銀財宝だって宝石だって、フシギ現象が終われば消えちゃって、なんにも持ちかえれやしないのに、それでも焔ちゃんは笑うんですニャ。
　ボクならわざわざ怖い思いして、泥だらけになったりケガしたり、そんなことしたくないですけどニャ～。
　人間ってホント、おっかしいですニャ。面白いですニャー。

このページにイラストを設定する