this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
【花火大会】打ち上げ花火の響く夜に。
<< もどる
1
…
12
13
14
15
16
つぎへ >>
水槻 清恋
が初恋の相手に出会ったのは、彼女が16歳の時だった。彼女より一回り年上の――妻子持ちの男。
そんな事を思い出してしまったのは、ほろ酔い気分だからか、あの時も地元の花火大会だったからなのか。メイン会場である寝子ヶ浜海岸の海の家で、花火が上がるのを見ながら思い出すにはいささか不健全に過ぎる思い出だと、自嘲して清恋は缶ビールをあおる。
何しろ初恋だというのに、その実情はドロドロの不倫の恋だった。当時の清恋は実年齢より大人びて見えたから、相手も彼女の事が20代前半程度に見えていたのだろう。
ドロドロも良いところ、本気で駆け落ちや心中も考えたその救いのない恋は、17歳の冬まで続いたわりに唐突な終わりを迎え、そのまま疎遠になって、自然消滅した。修羅場を経験しなかったのは、不幸中の幸いだったというべきだろう――普通なら訴訟だの裁判だの慰謝料だの、諸々あってもおかしくはないのだから。
花火の音が、色が、光がその、救いようのない思い出を清恋の脳裏へと蘇らせる。それを飲み込むようにぐびり、ぐびりとビールをあおるも、なかなかその面影は消えてくれはしない。
くそっ、と舌打ちする清恋が何となく見つめた先にある、寝子島神社でも花火は大きく、鮮やかにその存在を見せている。その大輪の花を見上げて
恵御納 夏朝
と
恵御納 夏夜
は、わぁ、と目を輝かせた。
「綺麗だね……」
「たまやー!」
それは見事、というしかない美しさ。一瞬大きく存在を誇るように輝いて、束の間の末に消えてゆく儚さは、種類は違えど桜にも通じる所がある。
とはいえ、あちらは華やかながらも控えめな、薄紅に色づく白色。そう、ちょうどいま足元に来た犬のように白い――
「……あれ、足元に……白いわんこさん?」
「本当だ、白い犬……あまりこの辺では見かけないね」
はた、とそれに気が付いて、2人は花火から眼差しを、自分達の足元へと向けた。それはちょっと、少し変わった見た目の、狛犬にも見える犬だ――人懐こいようにも見えるけれど、それでいて何となく人とは一線を画しているようにも感じられる。
ひょい、と互いに顔を見合わせてから、少女達はそっとしゃがみ込んで白い犬をじっと見た。そんな2人を見上げてくる犬の眼差しはつぶらで、でも何となく違うような気もする。
わんこさん、と話しかけた。
「可愛いね……撫でても良い?」
それに白犬は鳴き声すら上げなかったが、良きに計らえ、とばかりにもっふりとしたしっぽをひと振りしてくれた。それを了解の意と受け取って、夏朝と夏夜はそのしっぽと、小柄ながらがっしりとした身体をもっふり撫でさせてもらう。
だが、すぐに白犬は立ち上がると、もう良いだろうという風情で少女達を一瞥して、どこかへ向かって歩き出した。その背に「ありがとう。花火楽しめると良いね」と声をかけると、またしっぽがもふりと揺れる。
ふふ、と顔を見合わせた。可愛かったね、と囁き合ってまた花火を見上げれば、さっきよりとても綺麗な気がする。
「さっきのわんこさんのおかげかな?」
「それなら、感謝しないとね」
くすくすと頷き合いながら、綺麗な花火に目を細めた。2人になって初めて見る、2人揃って見上げる花火はやっぱりとても特別で、くすぐったいような幸せを感じずにはいられない。
来年も2人で一緒に見ようねと、ゆえに約束し合う少女達からとことこと離れていった白犬が、向かった先に居たのは
倉前 七瀬
だった。花火が始まる前に神社に移動しようとしていたのだが、人混みに飲まれて移動途中に始まってしまったのである。
ゆえによいしょと人をかき分けながら、空を見上げて七瀬は歓声を上げた。
「おおー!」
これはもっとよか場所で見んとね、ときょろきょろ辺りを見回した七瀬が、ふと何かを感じて巡らせた視線の先に居たのは、件の白犬である。狛犬のようにも見える、不思議な犬。
(あれは、噂の……?)
その白い狛犬の噂を、七瀬は聞き及んでいた。昨日の花火大会初日にも、寝子島のあちこちで見かけられたのだという。
それは誰かのペットらしいという話もあり、瑞獣『白澤』だという話もあり。そうして白い狛犬を見かけた人の中には、ほんの少しだけ良い事があった、という人も居たり――
さて噂の真相や如何に、ともう1度よく見ようと目をこらした七瀬は、だが眼差しの先に見つけた人の姿に今度は大きく目を見開いた。ドクン、と胸が高鳴る音が、耳元で聞こえた気がする。
そうと脳が理解するより早く、感情が衝動的に七瀬を走らせた。そうしてその人に――
ウォルター・B
先生らしき人に、思わず声をかける。
「先生奇遇ですねぇ!」
「おやぁ、倉前? お久しぶりだねぇ」
幸いにもと言うべきか、過たず
ウォルター・B
先生その人が七瀬を振り返ると、懐かしくも変わらない調子でそう言った。それが嬉しくも懐かしくて、七瀬は顔を輝かせる。
話したい事がたくさんあった気がして、けれども何一つ話題など思いつかなかった。会いたかった、ようやく会えた、そんな思いが七瀬の喉に一杯に詰まって、続く言葉が見つからない。
が、「……あ」と先程つい買ってしまった余分のりんご飴を思い出し、鞄から取り出すと「はい」と先生に差し出した。
「先生、りんご飴いかがですか」
「りんご飴? 何でまた」
「え~……と、何でですかね」
その、りんご飴と七瀬の顔を見比べながらウォルター先生が口にした、当然と言えば当然の疑問に七瀬は、へにゃ、と笑みを浮かべて誤魔化すように首を傾げた。いや、本当にその辺、自分でも未だにちょっとよく解っていない。
ウォルター先生とりんご飴を食べたいなと思っていたら、ついウォルター先生の分も買ってしまっていたようです、なんて。言ってみたらどんな顔をするのか見てみたい気もするけれど、言わなくても解られているような気もして。
ゆえに七瀬はえへへと笑い、素直な思いを口にした。
「先生に逢えたらなと思っとったんで、嬉しかです」
「おやぁ、それは光栄だねぇ」
「あ、まだお時間ありますか? 花火の綺麗に見えるとこ探しに行きましょう~」
そうして、例えるならじゃれつく子犬のような風情で先生の手を取って、ほらほら行きましょう~、と引っ張っていく七瀬の背中を、白い狛犬がチラリと見る。そうして参道を下って行った先、参道商店街を歩き始めた白い狛犬を見かけて
綾辻 綾花
は、胸の内の焦燥を一瞬だけ忘れて「えっ?」と目を瞬かせた。
何しろ、狛犬である。寝子島神社に居るのは狛犬じゃなくて狛猫のはずだけれど――いや、そうじゃなくて。
見間違いかな、と涙の滲んだ眼をごしごしこすったら、もうそこには狛犬も、狛犬じゃない白い犬も居なかった。えぇ、ときょろきょろ辺りを見回したら、ふと人混みの隙間から
早川 珪
先生の姿が見える。
「……先生!」
そうと理解した瞬間、綾花は白い狛犬の事などすっかり忘れて、身も蓋もなく珪先生へと駆け寄った。先生とはぐれてからずっと、泣きそうになりながら、否ちょっと涙を浮かべてしまいながら、探し続けていたのである。
その先生と、ようやく再会出来た安堵が綾花を、子どものように先生へと飛びつかせた。そうして、良かった、とその胸にしがみつく。
ほぅ、と大きく胸を撫で下ろしたら、今度は安堵のあまり泣きそうになってしまった。まなじりに滲んだ涙をそっと拭っていたら、綾辻? と珪先生が困ったような声で呼ぶ。
その声色に勇気づけられるように、あの、と綾花は聞いてみる事にした。
「また逸れないように……先生と、手を繋いでも良いですか?」
――ドォォ……ン!
尋ねた綾花の言葉の上に、花火の咲く音が重なる。はっ、と見上げた空に広がるのは、キラキラと輝き空から降り落ちるような、ナイアガラ風の打ち上げ花火。
ぎゅっ、と珪先生にしがみつく手に力を込めた。花火から先生へと眼差しを移して、綾花はまなじりに涙を滲ませたまま、「珪先生と花火が見れて嬉しいです」と囁く。
どこか2人座ってゆっくりと見られる場所を探そう、そう思った。
<< もどる
1
…
12
13
14
15
16
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
【花火大会】打ち上げ花火の響く夜に。
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
NPC交流
定員
1000人
参加キャラクター数
26人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年05月21日
参加申し込みの期限
2022年05月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年05月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!