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彼女からの積極的なお誘いに、違和感が無かったわけじゃないけれど。
断る理由がない以上「どうしたの?」なんて心配も出来なくて。
夜の水族館を前に、
初瀬川 理緒
はふと周囲を見やる。閉館間際のそこには、当然これからのツアー参加者より帰る人が多いのだけれど、異性の恋人達に混ざってちらほらと同性の恋人か仲の良すぎる親友かと思う人も居る。
寝子島では同性婚は認められているし、そうでなかったとしても
佐和崎 紗月
と通わせた気持ちを人からとやかく言われる筋合いはない。そう言い切れても、大多数が正義で後ろめたいと思う心が少しも無いかと問われると、即答は出来ないかもしれない。
(最初から……なんだよね)
親友と恋人の距離感を意識して、人目を気にするように付き合っているけれど。そもそも『親友』なんて立ち位置に居たことがあっただろうか?
高校一年生の、葉桜と呼ぶにも申し訳ない緑が眩しくなる季節の音楽室で。一目見たときから捕まっていたのに、何に対して取り繕ってきたのだろう。
周囲に"そういう"恋人達がいると紗月も気づいたのだろう、理緒の手をそっと、指先だけ遠慮がちに繋いでくる。こんな可愛らしいおねだりを、我慢していたのかさせていたのか――わからない。
「楽しみだねっ!」
どちらが『親友』の距離を求め始めたのかわからないけれど、ここは限られた人しか入れない水族館だから。
そんな浮かれもあって、理緒はしっかりと紗月の手を握り返す。
「……! う、うん!」
それが嬉しくて、紗月ももう少ししっかり握り返して笑った。
>これグラドルの理緒と紗月じゃない?
そんな写真が、ねこったーにあげられるなど思わずに。
館内は時間帯に合わせてBGMが変わる。昼の少し軽快な物から、夕方には落ち着いた物へ。そしてナイトツアーでは神秘的とも言えるような、静かな音色が聞こえてくる。
参加者も少なく薄暗い館内は、お喋りのトーンに気をつけなければ筒抜けだと言うことも他のグループを見ていればわかるので、顔を寄せ合って囁き合っていても周囲に配慮してるんだなくらいの印象しか持たない。
その様子に安堵したのは紗月だった。理緒が気遣って話せないでいることも、こういう場なら話しやすいのではないか。人目を気にせず済むここでなら、お互いの距離も理解も――と、期待した。
「夜の海なんてダイビングしても危ないだけだろうし、こういうのもアリかも!」
けれど理緒は紗月の心など素知らぬようにはしゃぐばかりで、一向に切り出す切っ掛けすら与えてくれない。
いつもなら、理緒に誘われるままで良かった。自己中心的に振り回されたって、それが心地よかった。
けれど、頑なに伏せられたカードを見てしまいたいと思ったから。手札を知っていれば、理緒を失わずに済む策を思いつくのではないかと、全てを暴くことを願ってしまった。
(本当は、こわい)
理緒が隠し通せていると思っているストーカーのことだって、知っていると告げたらどう思うだろう。
教えてくれた過去だって嘘偽りはないだろうけれど、他にも口にするのも憚られることだってあるかもしれない。それを無理矢理共有したいだなんて言われたら、どう思うだろう。
自分が曝け出すから相手も打ち明けて欲しいだなんて我が儘だ。そんなことは、元来内向的な紗月が一番わかっている。触れてはいけない領域かも知れないと、わかっている。
(……でも、)
何も知らないままに『いつか失うかもしれない』と漠然とした不安を抱え続けるのは限界だった。
「ねぇ、理緒ちゃん。今ね、マーメイドスイムが体験できるんだって」
「ああ、あのポスターね。へぇ……」
概要について軽く目を通しながら、どうしようかなと迷っている理緒を、いつもの紗月なら一歩引いた親友の距離で待っている。理緒の言うことが優先で、自分がどうしたいかと主張するのは少なかった。
――今までは。
「理緒ちゃん泳ぐの得意だよね? 私、理緒ちゃんと一緒に人魚、なってみたいな」
「ふぇっ? え、うん……それはもちろん、いいけど」
「良かった。受付、もう少し先みたいだね。行ってみよう」
紗月がとても嬉しそうに微笑むから、理緒も戸惑いながら頷くしかない。もちろん可愛い彼女にお願いされて、断る理由は何一つないのだけれど……どこか、気にかかる。
(あっ、コレやりたくて水族館も誘ってくれたのかも?)
だとしたら合点がいく。そんなに楽しみにしていたなら、先に言ってくれればトリートメントとか準備もしたのに。
(気になるのは……気のせいだよね)
引かれる手に、たまには積極的な紗月も悪くないかもと頬を緩める理緒だった。
色やデザインの豊富なフィンは、理緒が腰から濃いエメラルドをベースにひれ先には濃紺のグラデーションを、紗月が腰元は少し黄色でひれ先に向かって淡いエメラルドのグラデーションでひれ先が長いデザインを選んだ。
泳ぎには自信のある二人だが、腰から足先まですっぽり覆われるマーメイドフィンは、基本がモノフィンと同じ動作とは言え慣れるまで小さめのプールで練習することになった。
さすがに、練習中にぴったり寄り添っていることは出来なくて、紗月は一人水に揺られずっと逡巡していたことを振り返ったが……静かな水の中で、それは決意へと変わる。
「やっと思い通りに動けるかも! 紗月はどう?」
「……大丈夫だよ、理緒ちゃん」
(もう、迷わないから)
大水槽に入り、ジンベイザメの大きさに驚いて。フィンの扱いになれた今なら手を取り合って泳ぐこともできるから、群れをなす魚たちに手を振って笑い合って。
水槽の向こう側がよく見えないのもあって、本当に二人きりのようだった。
周囲に泳いでいる人もマーメイドフィンをつけているからか、人だという認識もなく……魚たちに囲まれて、二人きりの世界に来たかのようだった。
>寝子島のマリパラ、本当にグラドル来てる
取り合った手を引いて、コツンと額を合わせて笑い合って。
きっと外で気にしていた『親友の距離』ならしない顔で抱き合って――
(え、どうしたの紗月?)
さすがに、様子がおかしい。慌てる理緒が問いただしたくても、ここは水中。声など届きはしない。
(理緒ちゃん、私ね)
そっと唇を合わせる。しっかり抱きしめて、離れたくないと。失いたくないと。
ゆっくりと水流に身を任せ、二人はくるりとまわる。そんな長い時間を口づけ、どの方向から見ても言い逃れできない結びつきを人の目に晒す。
気づいたときには、魚が慌てるように散り散りに泳ぎ始めた。フラッシュが乱反射している。
(しまった、水槽――っ!)
ナイトツアーへの参加者は少ない。けれどそれは、悪意のない人間がいない保証にはならない。
ただでさえ人目につく仕事をしているのに、こんな目立つことをすればこうなるのはわかっていた。
(写真だけ? 動画は? スタッフが取り押さえてくれるかもしれないけど)
データを消される前に、どこかにアップでもされたら――キスを仕掛けた紗月が危ない。
理緒はぐっと紗月の頭を抱え、自分の首元へ押さえ込んだ。
水槽の向こうへ不敵に微笑んで、投げキッスを一つ。唇を人差し指で押さえると、一気に水面へと泳ぎ切った。
「っはぁ、はあ……」
どうなるか、なんてわからない。
守る物は、決まっているんだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年05月29日
参加申し込みの期限
2022年06月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年06月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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