アニマル☆スパリゾート｜リアクション

アニマル☆スパリゾート

●もふもふ、まったり

「先生、あのお風呂に入ってみようよ」
　月原想花は、興味を示した薔薇風呂に雛鶴先生を誘う。
「薔薇のお風呂、すごいです！　綺麗ですね」
　ゴージャスな気分です、と目を輝かせて薔薇風呂に入る雛鶴先生は楽しそうだ。
　ひととおり薔薇風呂を堪能した後は、室内の露天風呂へ。
　露天風呂では、アルパカと猿が仲良く温泉を満喫していた。
「猿はわかるけど、なぜアルパカが……」
　アルパカはお湯が熱くないのかという気がするが、気持ち良さそうに浸かっているので大丈夫そうだ。
　背中に子猿が乗っていってはしゃいでいても、アルパカはまったく動じず。
「もふもふです！　柔らかいです！」
　雛鶴先生は物珍しそうにしながらアルパカのもふもふ具合を楽しんでるので、想花もそれを楽しむ。
「もふもふですよ！　月原さんもそう思いませんか？　それにふわっふわです♪」
　子供のような無邪気な表情でお腹に顔を埋める雛鶴先生に続き、想花はアルパカの首に抱き着く。
「本当にもふもふだ……触り心地いいね……」
　露天風呂のあったかさとアルパカのもふもふ具合に、2人は何だかぽわーんとしてきた。
　こんなに動物がたくさんいると、想像力が刺激されて今、小説投稿サイトに連載しているファンタジー小説のネタになるのでは、という気になりながら想花はアルパカのお腹に顔を埋めた。
（猫吸いならぬアルパカ吸い……これはこれで貴重な体験かもしれないね）

「ここは、こういうお風呂なのかしら……」
　想花と雛鶴先生が露天風呂でアルパカをモフっているのを見ながら、三宅葉月はそう思った。
　屋外の岩風呂を上がってからここに来るまで他のお風呂も巡ってみたが、どこも様々な種類の動物がいた。
　中にはキリンまでいたのにはさすがに少し驚いたが、それでも動じることはない。
　次はどこに行こうかと考えていると、次のお風呂に行こうとしている雛鶴先生の肩がぶつかった。
「す、すみません！　大丈夫ですか？」
「大丈夫よ。あなたも招待券でここに来たの？」
　はい！　と元気よく答える雛鶴先生は、いろんなお風呂があって楽しいところですねと言った。
「そうね。思う存分、楽しみましょう」
「はい！　では失礼します」
　礼儀正しくお辞儀をすると、想花と一緒に次はどこに行こうか話す雛鶴先生を見てすごく楽しんでいるわねと葉月は微笑む。
「薔薇風呂なんてものもあるのね」
　様々な薔薇が浮かぶお風呂を堪能するのもいいものだと思い、さっそくそこへ。
　薔薇風呂にも様々な動物がゆったり、まったりしていた。
　人懐っこい動物もいれば、警戒心を持って接する動物もいた。
　それでも、葉月は悠然と動物たちと温泉を楽しんだ。
　不思議と彼女の存在感ゆえか動物に敵意を向けられることは一度もないので、葉月は最後まで悠然と温泉を満喫できた。