アニマル☆スパリゾート｜リアクション

アニマル☆スパリゾート

●どこから楽しもう

「ふわぁー、施設の数にもびっくりしましたけど、動物とリゾートを楽しめるのはさらにびっくりです！」
　大型スパリゾート施設に入るなり、リリエル・エーテライトは目を丸くした。
　受付に座ってあくびをしている看板猫のような猫はともかく、ロビーをうろついていたり、更衣室を出入りしたりする数多くの動物がいるのだから。
「おお！？　動物が……。ここは、こんなところなんだー」
　スパリゾートが初めての桜井ラッセルは動物がいることに驚いたが、こんなところなんだーと割り切った。
「動物園じゃないよな？」
「そうみたいです。人間のお客さんもいますし」
　ラッセルと同じように驚いていたリリエルも、ここはこういうスパリゾートなのだと思うようにした。
「変わっているけど、ここがこういうところなんだと思うよ」
　そう言うと、ラッセルは招待券を受付にいる従業員に手渡した。
「えへへ、どんな動物がいるか楽しみです♪」
　どんな動物と一緒にお風呂に入れるのかと思うと、リリエルは楽しくなってきた。

「なぜかやたらに動物が多い気がするんだけど……」
　スパリゾート施設に着くなり、月原想花はそういう気がした。
　気のせいではなく、ここは動物園化と思うほど本当にたくさんいる。
　自分と同じように客のような振る舞いの動物もいれば、清掃作業員としてせっせと働いている動物もいる。
　それなのに誰も動物に疑問に思っておらず、当たり前のように受け入れている。
「……なぜ？」
　そんな疑問を感じつつも好奇心だけはある想花は、とりあえず……と屋内スパを中心に巡ってみることに。
　ロッカールームで寝子島のスク水に着替え終え、室内スパに入る。
「どこから行こう……」
　そんなことを考えていると、楽しそうにスパを見渡している雛鶴さゆり先生と遭遇した。
「先生も来ていたんだ」
「招待券が送られてきたので来てみたんです。私、スパリゾート初めてなんです！」
「そうなんだ。良かったら、ぼくと一緒に室内スパ巡りしない？」
「いいですよ。一緒に楽しみましょう！」
　まずはどこから行こう。2人は物珍しそうに室内を見て、最初に入るお風呂を話し合う。

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