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<異世界アルカニア1> 蒼き獣は嘆きの咆哮を上げる
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吹き飛んだナディスへと走った轟が彼女が地面へと叩きつけられる前に受け止めた。
「おいっ! 無事か、ナディス!」
「あ、ぐぅ……ごめ、んなさい、ししょー……わた、し、あの人を、救えな……ぐっ!」
殴られた際に爪で引き裂かれたらしく、ナディスの腹部へ血が広がっていた。
八神が魔導杖【フレアリッター】を向けると淡い光がナディスを包み込む。彼女の傷は徐々に塞がっていく。
「応急処置はこれでいいはず。今はナディスを連れて下がるんだ。ここは任せろ」
「……すまねぇ、一旦離れるぜ」
防壁の上からパワースリングを打ち、デスクルザを牽制する八神に後を任せると負傷したナディスを連れ、轟は戦線を一時離脱する。
フレアリッターを構え、八神はその先端に装着された宝珠から魔法の矢を放った。
放たれた白い矢が真っ直ぐに飛んでデスクルザの身体へ突き刺さる。
八神はフレアリッターのチャージが3発以下にならないようにタイミングを見ながら攻撃魔法を放ち続けた。
デスクルザは手前に設置された防壁をいくつか踏み潰しながら八神のいる最終防衛ラインへと近づいていく。身体からは血を流しているがその歩みが止まる様子はない。
「……中々にタフのようですね」
「そのようだ。皆のおかげでかなりのダメージが蓄積しているようだが、どうもまだ倒れる気はないらしいな」
「それなら私の出番のようですね。行って参ります」
「ああ、援護は任せろ」
八神の魔法攻撃による援護射撃を受けながら常闇は走る。その隣を
御剣 刀
が並走していた。
「同時に仕掛ける、ついてこれるか?」
「勿論。ですよね、ツクヨさん?」
赤い鎖を地面へと打ち込み空中から降ってくるように現れたツクヨが笑う。
「あひゃはっ! 当たり前ですよぉ! 楽しい楽しい戦いの時間ですからねぇッ!」
常闇、御剣、ツクヨの三人はデスクルザの前で散開しそれぞれが時間差でデスクルザへすれ違い様に斬りかかる。白い剣閃が瞬き、デスクルザから血が吹き上がった。苦しむようにデスクルザは咆哮をあげる。
ふらついたデスクルザに防壁の上から飛び降りた八神が迫る。彼はフレアリッターをデスクルザの開いた口へ突っ込むとそのまま3発分の魔法を一気に放った。激しい光がデスクルザの口内で炸裂する。
衝撃でのけ反り、口から煙を吐きながらデスクルザは数歩後ずさった。
「まだ倒れませんか、それなら……これはどうです」
音速の太刀【絶音竜閃】の柄に常闇は手を添える。その身体の動きは滑らかにまるで達人の如く瞬時に居合抜きを放った。
勿論、彼女には居合抜きの心得はない。その動きは太刀に実装されているアシスト機能によるものだ。
放たれた剣閃がデスクルザの胸部を深く裂いた。ひびが入っていた胸部装甲が割れ、内部が露出する。
「……行きます」
絶音竜閃のリミッターを解除した常闇は人体の限界を引き出した神速の一撃を放つ。凄まじい剣風と共に放たれた刃がデスクルザを襲った。
デスクルザは咄嗟に腕を交差させてそれを防いだが、その代わりに右腕を斬り飛ばされる。切断された腕が宙を舞った。
もう一撃と踏み込もうとした常闇だったが、がくりと身体がぐらつき、絶音竜閃を支えにしゃがみ込む。リミッター解除の反動が来たのだ。人体の限界を引き出し、神速の居合斬りを放つ代わりに身体へのダメージは高い。それがこの武器の難点でもある。
「はぁはぁ、限界の、ようです……っ」
「任せろ。俺とツクヨが終わりにしてやる。あいつを解放してやらなくちゃいけないからな」
御剣は絶音竜閃を構え、疾駆する。残る左腕を御剣目掛けてデスクルザは振り下ろすが、彼には当たらない。
「遅いぞ。俺はここだ!」
研ぎ澄まされた鋭い一撃がデスクルザの身を裂いた。彼はアシスト機能を使っていない。剣の心得がある者にとってアシスト機能は邪魔以外の何物でもないからだ。
ツクヨと波状攻撃になる様に攻撃を仕掛けながら御剣はデスクルザを観察する。斬り合う度に間合い、刀の精度が次第に上がっていく。
「あひゃはぁ! ツクヨは強い敵さんは大歓迎ですよぉ! 何度だって斬れますからねぇええーッ!」
空中高く跳躍するとツクヨは脚部を包む黒い装甲を展開させ、アビス粒子を噴き上げる。それはさながら赤い翼が足に生えたように見える。
両手に持った赤い刀を交差させるとデスクルザ目掛けてツクヨは急降下していく。その表情は嬉々としていた。楽しいのだろう、刹那の命のやり取りが。
ツクヨの一撃を防ぐこともできず、残る左腕すらデスクルザは斬り飛ばされてしまった。両腕を失い、血を流しながらもデスクルザは咆哮を上げる。戦う意思は折れていないようだ。
御剣は絶音竜閃のリミッターを解除し、居合抜きの構えを取った。弾かれるように鞘から抜き放たれた刃がデスクルザを深く斬り裂く。
デスクルザに深い傷跡を残しながら御剣は斬り抜け、抜刀の勢いそのままに回転しながら納刀、すかさず次の一撃の構えへと移行する。体中を激痛が走るが彼はそれを根性で無視した。
狙い澄ました二撃目が放たれる。残像を残すほどの素早い剣閃がデスクルザの身体を逆袈裟に斬り裂いた。デスクルザは血を流しながら倒れる。
御剣はがくりとしゃがみ込み、肩で息をする。まるでばらばらになるかと思うような痛みが全身に広がっていた。
その時、叫びながらデスクルザが立ち上がる。血を撒き散らしながら一心不乱に防壁へと突っ込んで粉砕するとそのまま村へと走る。
「カエ、カエカエカエ、ルルゥ、ルルゥウウーーーッッ!」
「あいつ、まだあんなに動けたのかよ、くそっ動けっ、あと一撃……必要なんだ! あいつが生まれ育った場所、記憶にある思い出、それを自分で壊すなんてふざけたことをこれ以上一秒たりとも許すか!」
激痛が走っていた御剣の身体に温かい光が広がっていく。それはツクヨの回復魔法だった。
「カタナ、長くは動けませんよォ? わかりますねぇ?」
「ツクヨ……恩に着るっ! やっぱお前は最高だっ!」
突然の不意を突いた言葉にツクヨは顔を赤くしたが、それは彼の視界外のことで御剣は珍しいツクヨの照れ顔を見逃した。
痛みが抑えられた御剣は立ち上がると、全力で走ってデスクルザの前に躍り出た。居合の構えを取って彼を迎え撃つ。
「お前はここで俺に殺される、怨んで呪え……俺がお前の――――死神だ」
ろっこん能力を発動し、動きが遅くなる世界の中、流れる動きで放たれた御剣の刃がデスクルザの首を刎ねた。くるくると回ってデスクルザの首は地面へと落ちる。
首を失った身体はぐらつき、地響きをたてながら地面へと転がった。
世界の速度が戻るのと御剣が倒れるのはほぼ同時であった。すかさずツクヨが駆け寄って彼を助け起こす。癒しの光を注ぎながら心配そうな顔を彼女は向けていた。
「ぐ、あ……ツク、ヨ? あいつは、あいつは……どうなった?」
「あんまり喋っちゃだめですよぉ。ちゃんと倒れましたからぁ、カタナは大人しく治療されてくださいねぇ?」
「そうか、それは……良かった」
こうしてデスクルザは討伐され村へと迫る悲劇の未来は回避されたのであった。
◆
村の外れにある墓地。そこで墓の前で絵梨菜は静かに祈っていた。墓にはデスクルザと化した兵士の名が刻まれている。
「……これで安らかに……眠れたのかな」
隣に立っていたティオレは手に持った酒の栓を開けるとそれを墓にぶちまける。それは彼女なりの彼への手向けだ。
「眠れただろうさ。自分の故郷を焼くことは避けられたんだ、今頃ぐっすりじゃないかい?」
「そっか。うん、ぐっすり眠ってるといいね。おやすみなさい……私はきっと、あなたを忘れない。絶対に、あなたみたいな人を出させないから」
そういうと絵梨菜は強い瞳を見せた。
「今回の首謀者、マルムだっけ? 絶対に許せないよ……」
「故郷の村を異形化した兵士に焼かせる、こいつは悪趣味すぎるってもんさ。マルムにこの落とし前、必ずつけさせるよ」
「うん、必ず……っ」
失う悲しみは深い。だがそれを背負い、人はまた強くなっていくのだ。
ティオレと絵梨菜は打倒マルムへ向け、その想いを一層強くするのであった。
墓を見下ろす丘の上でナディスは空を見ていた。手を見て、握ってみる。
「あの時……私は、剣を……っ」
「ここにいたのか、ナディス。探したぜ。まだ治療が完全じゃねえんだ、あんまり出歩いたら……」
そこまで言った轟の胸にナディスは飛び込んだ。彼女は俯いて涙を流している。
「ししょー……私、勇者なのに、全然、あの人を、救えも、しなくて……」
「ナディス……」
ナディスを優しく抱き留め、彼はその頭を撫でる。
「いいか、ナディス。勇者だからって何でも必ずできなきゃいけねえわけじゃない。最初から完璧にできる奴なんかいねえんだ。あの時、お前はあいつの心を知った。魔物ではなく、人としてあいつを見たんだ」
「人として……?」
「そうだ。魔物と化した奴をしっかり見てやれる。あいつが人だったことを忘れないその優しい心は勇者にきっと必要なことだ。なあに、一度の失敗ぐらい気にすんな。俺なんか何度ぶっ飛ばされたことか」
顔を上げてナディスは轟を見た。その表情には少し元気が戻ってきている。
「ししょーも、何度も?」
「ああ、ろっこん封じられて氷攻めされたこともあるし、敵に攻撃が通用しなかった時もある。手酷くやられたこともな」
「でも、諦めずに戦った?」
「そうだ。俺たちヒーローに必要なことは『絶対に諦めないこと』だ。出来るまで何度も挑めばいい。倒れそうになっても、俺が傍で支えてやる。俺はお前の師匠だからな!」
「ししょー……うん、私、頑張ってみます! 私はこの世界の……勇者ですから!」
「おうっ! その意気だぜ!」
村の人に借りた部屋のベッドに御剣は横になっていた。だが彼の心は穏やかではない。
なぜなら……彼の寝ているベッドの中に全裸のツクヨがいるからである。大きな胸も美しい下半身も全て曝け出していた。
(ふぅうおおお! こんな状況下で寝れるかぁぁ!)
実は思った以上にダメージの深かった御剣を治療する為、ツクヨは自らの肌を密着させることでの生気を流し込む治療を行っていたのだ。
体を絡みつかせ、胸や太ももなどあらゆる柔らかい部分をツクヨは御剣に押し付けている。男子ならば大人しくしていられるわけがない。
必死の治療のせいか、疲れたらしくツクヨはすやすやと眠りについているようだ。
(寝顔、くぅう可愛い! これは、もう、もう……!)
手を出そうかどうか悩んでいるとツクヨが耳元に顔を埋めて囁いた。
「ふふふ、カタナぁ、随分と……元気ですねぇ? ちゃんと治ったら、色々……しますからぁ今は大人しく寝ててくださいねぇ?」
何もかも見透かされていたかのようで、御剣は恥ずかしくなり顔を少々赤くしながら天井を見る。どうせ体は動けないのだ、何もできない。
その後、なんだか布団の中でごそごそと手や足を動かすツクヨの特別な『治療』のおかげで彼が一睡もできなかったのは言うまでもない。
村の広場の端でちーあは八神からとある物を手渡されていた。それはデスクルザの血液サンプルと組織片だ。
「ちーあ。『元に戻す方法は、知らない』と言ったね。出来ないではなく知らない、と。だからこれがあればきっと役に立つんじゃないか」
「確かにできないことは無いかもですが……分かりました、やってみるのです!」
ちーあの頭を撫でると八神はにっこりと笑う。
「ああ、助かるよ。解析ができれば毒ガスのように異形化する何かを相手が策として講じてきてもどうにかできるはずだ。ワクチンなどができれば元に戻すことだってできる。頼んだぞ、ちーあにしかできないことなんだ」
「はいなのです! ばりばり頑張るのですよー!」
早速解析に入るちーあの横で八神は少々考え込んだ。
(開戦当初、マルムは監視していた……援護の策もなしとみるとやはり、捨て駒によるデータ採取が目的? ならあいつは試験体もしくは失敗作で、より完成度の高い個体がいる可能性もある……か。頭の痛い話だな、これは)
考え込んでいる八神へ声を掛ける者がいた。それは美野梨だった。
「あの、私もその解析に参加させてもらえない? 科学の知識なら心得があるから何か役に立てると思って」
「お手伝いなのです? 大歓迎なのですよ! それじゃこの血液を分析してほしいのですっ」
ちーあは組織片を解析しながら八神から受け取った血液サンプルを美野梨へ渡した。
美野梨は光に透かしてそのサンプルを見る。よく見れば微量の結晶のような物がちらちらと見える。
「これは……何かの結晶? 見たことがない形ね、興味深いわ」
「それじゃ俺は少し歩いてくるよ。ここにいても手伝えることがなさそうだからな」
八神は解析に熱中するちーあと美野梨を残し、村の外れへと歩いていく。
少し歩いた所で彼は静かに言った。
「覗き見が趣味なのか?」
すると、村人の一人が家の影から現れる。
「気づいていたか。くっくっく、お前は用心深いのだなァ?」
村人はどろりと溶けその姿はマルムへと変わった。マルムはにやにや笑いながら続けて言葉を話す。
「まずは実験体の処分ご苦労。いや手間が省けて良かったよ、データがほとんど取れなかったのは残念だがねぇ」
「やはりあれは実験体か……。一体何が目的だ?」
「さあな。それを教える義理は――ん、はっはっは、本当に……用心深いのだな、八神お前という奴は」
マルムが視線を送った先、屋根の上には常闇が待機している。その手には弓が握られ、矢の先端がマルムの頭を狙っていた。
「少しでも変な動きをしたら……その頭は無事では済まないものと思ってくれていいですよ」
「おお、怖い怖い。残念だ、八神。私につけばこの体で至高の快楽でも何でも与えてやったのだがねぇ」
自身の身体をいやらしくマルムは撫でまわす。八神は意に介した様子はない。
「生憎……危ない女性には興味がなくてね」
「はっはっは、言うじゃないか。面白い……次に相まみえる時が楽しみだよ、ではしばしの別れだ」
逃がすまいと矢を放った常闇だったが、その矢はマルムの消えた地面に刺さった。
「……逃げ足が速いですね」
「そうだな。あの様子からするとこれから一層大変になりそうだ。気を引き締めていこう」
暗躍を続けるマルム。
彼女は悲劇を作り出すことをやめないのだろう。
それが彼女にとっての愉しみなのだから。
闇はいまだ深く……光はその底に届かない。
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あとがき
担当マスター:
ウケッキ
ファンレターはマスターページから!
お初の人もそうでない人もこんにちわ、ウケッキです。
この度は参加ありがとうございました!
期日から遅れまして申し訳ございませんでした。
暗躍するマルム、彼女は一体何を企んでいるのでしょうか。
それは次回でお会いしましょう!
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20人
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7人
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2022年02月26日
参加申し込みの期限
2022年03月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年03月05日 11時00分
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