熱く、冷たく？　サマーバレンタイン♡カーニバル！｜リアクション

熱く、冷たく？　サマーバレンタイン♡カーニバル！

☆冷気も吹っ飛ばす

　サマーバレンタインカーニバルがあると聞いた寝子高１年の月守輝夜は、恋人の青木慎之介を誘ってやってきました。
「慎之介くん、どこ行く？」
「んー、YOUはどこ行きたいんだ？」
　慎之介に尋ね返された輝夜は、笑顔で答えます。
「私はチラシ見た時からパレード見たいなって思ってたの」
　幼馴染だった二人の関係は、気心が知れて居心地のいいものです。
「それじゃ、Let's goだぜ！」
「うん、手を繋いで行こうね」
　ちょっとドキドキしながら、二人は手をつないでパレードへ向かいます。

「ヘイお嬢ちゃん、バラの花をどうぞ！」
「ありがとう」
　サンマさんに赤い薔薇の一輪ブーケを貰った輝夜は、それをバッグのポケットに入れました。
　小さな薔薇は、シンプルなバッグのちょうどいい可愛いアクセントになったのでした。

「せっかくだから一緒に乗ってみる？」
　サンマさんたちの後ろに続くトラックの荷台には、街の人たちも乗り込んで花びらを捲いているようです。
「よし、やろう！」
　慎之介はさっそくトラックに乗り込み、上から輝夜に手を差し出してくれました。
　その手につかまり、輝夜は荷台へ上りました。
「いい眺めだぜ。それじゃ、いくぜー！」
　慎之介と輝夜は、渡された袋から花びらを取り出し下へ向かって撒き始めました。
「いい香り……」
　薔薇のいい香りに包まれてると癒されるな、と思いながら。
　ふと輝夜は悪戯心を起こし、
「慎之介くん」
「ん？」
　振り向いた慎之介の頭に、ばあっと花びらをかけました。
「ワオ！」
　目と口を丸く開けて驚く慎之介。
「びっくりしたかな？」
　楽しそうに笑う輝夜に、慎之介も笑顔になりました。
「お返しだ！」
「きゃあ」
　慎之介も輝夜の頭から花びらをかけて、輝夜は悲鳴を上げながらくすくす笑います。

「ああ楽しかった」
　下りるときも慎之介が先に下りて、輝夜の手を取ってくれました。
　サンマさんたちと別れて、デート再開です。

　ところが。
「あれ……？」
　７月だから暑いはずなのに、なんだか冷気を感じます。
「慎之介くん、寒くない？」
「Yes、なんだか寒いな……ホワイ？」
　どこからか冷気が？　と疑問に思う輝夜と慎之介。
　パレードに集まっていた幽霊の一人がついてきたなんて、夢にも思わずに。
　自然に、輝夜は慎之介の腕をぎゅっ、と抱きしめました。
「Oｈ……」
　戸惑う慎之介に輝夜は言いました。
「７月だから薄着で来たのに肌寒いね」
「そ、そうだな」
　慎之介はそのまま輝夜の肩に手を回しました。
「こうすれば、あったかい」
「そうだね」
　二人の熱にあてられた幽霊は、早々に退散していったのでした。

「喫茶店に入る？」
「OH、ちょうど腹が減ってきたとこだぜ」
　色んなお店でカップル割引があって学生の財布にも優しいのでした。
　喫茶店のテラス席で、輝夜はメニューを広げます。
「フルーツと生クリームたっぷりの温かいパンケーキと紅茶にしようかな」
「よし、それじゃオレは……」
「ね、違うの頼んでシェアする？」
「ナイスアイディア！」
　二人は注文を済ませ、パレードを眺めます。
「ここから眺めるパレードもいいね」
「Yes！　あ、注文来たぜ」
「美味しいしあったまるね」
　二人はパンケーキやオープンサンドをシェアして楽しんだのでした。
「次にどこ行く？　色々巡ろうね」
　もっと慎之介くんと一緒に居たい、と思う輝夜でした。