熱く、冷たく？　サマーバレンタイン♡カーニバル！｜リアクション

熱く、冷たく？　サマーバレンタイン♡カーニバル！

☆プレゼント

　寝子高３年の八神修は、七夜あおいと今年もパレードを見ていました。
　今回もサンマさんからバラを貰い。
「一年たったんだね」
　しみじみと思うのでした。

「まずはパレードに飛び入り？」
　突然修はそんなことを言い。
「えっ？」
　とあおいを驚かせました。
「なーんてね。ちょっと恥ずかしいもんな」
　修のジョークに苦笑したあおいですが。
「修くんたら。……でも楽しそうかも。みんなチアリーダーの人たちを見てるし、私たちが荷台にいても気づかないんじゃないかな」　
「えっ？」
　意外なあおいの言葉に、今度は修が驚く番でした。
「まあ、記念になるしね」
　頷いた修の様子を、サンマさんが目ざとく見つけました。
「トラックに乗るか？　遠慮しなくていいぜ」
　サンマさん達から半ば強引に手を引かれ、先頭のトラックの荷台に乗り込むことになりました。
「なかなか眺めがいいな」
「そうだね」
　パレード景色を２人で楽しみながら、バラの花びらを播いて盛り上がります。
「幸せをプレゼントだ」
　沿道の人たちに向かって撒きつつも、一番幸せをプレゼントしたい相手は修の隣にいるのでした。

　手元の花びらの袋が空っぽになり、修とあおいはトラックを下りました。
「楽しかったね」
「チアリーダーの子たち、すごく上手でびっくりしちゃった」
　パレードの感想等楽しくワイワイ話しながら歩いていましたが、修はふと近くの菓子店に目を留めました。
「修くん？」
「一寸待ってて」
　そう言って修は、一人店に入っていきました。
　修が目に留めたのは肉球型のチョコレート。
　肉球部分のホワイトチョコをミルクチョコが囲んでいるデアインで、数個が入った箱入りです。
「プレゼント用で」
　ラッピングを頼み、チョコを受け取った修は急いであおいの元へ向かいました。
「あれ？」
　いない……？　と思った瞬間、向こうからあおいが駆けてきました。
「待たせてしまったかな」
「ううん、私も寄り道したから」
「これ、あおいに」
　修がチョコを渡すと、あおいも手提げからプレゼントを取り出しました。
「それじゃ、これを修くんに」
（別の店で買ってきてくれたのか……）
　思いがけない喜びに、修の胸はいっぱいになりました。
「去年もくれたよね。嬉しいよ」
「私も。ありがとう」

「息切れしてるみたいだね。カフェでお茶でも飲もう」
　飲み物を頼んだ後、互いのプレゼントを開けることにしました。
「わあ、可愛い」
「これも可愛いな」　
　あおいのプレゼントは、猫の顔をデザインしたクッキーでした。

「こちら、カップル限定ケーキとなります。サービスです」
　ドリンクと共に運ばれてきたケーキに、二人は驚きました。

「なんか去年も、ここで……」
　ふと記憶が蘇ります。
　なんだかくすぐったくて心がぽかぽかしてきて、修は言いました。
「あおい」
「えっ？」
「今日一日、恋人になってくれますか」
　修の言葉に目を見開いたあおいは、笑顔になって小首を傾げました。
「どうしようかな？」