熱く、冷たく？　サマーバレンタイン♡カーニバル！｜リアクション

熱く、冷たく？　サマーバレンタイン♡カーニバル！

☆ラブラブチョコカレー♪

「ユウくん！今年もカップル割引がお得なサマーバレンタイン♡カーニバルに行こう!」
　寝子高３年の鬼河内萌は、割引を強調して野菜原ユウを誘いました。
「サマーバレンタイン……ああ、サンマさんがパレードする奴か」
「そこに反応する？　まあ間違ってはいないけど」
　
　パレードを見に行くと、チアリーダーたちが踊っていました。
「へー、今年はこんなのやってるのか」
　可愛い女の子たちの華やかなダンスに目を向けるユウを、萌がにらみます。
「……っと、なんか寒気が？」
　パレードに混ざっていた幽霊がユウの背中に張り付いて、ユウは身震いしました。
　しかし幽霊の姿は萌にもユウにも見えません。
「ユウくん？　風邪でもひいた？　バラのブーケをもらいに行こうよ」

「どうぞ」
　トラックの荷台にはなぜか時子と五十嵐先生が乗っていて、バラの１輪ブーケを渡してくれました。
「ありがとう♪　それじゃラブラブチョコカレーを食べに行こうよ」　　
「よし、行くか」

　レストランで席につくと、去年と同じ特別メニューがありました。
「チョコドリンクつきランチ……チョコラーメン、相変わらずだな」
「ラブラブチョコカレー一択だね！　今年のラブラブチョコカレーは去年と同じか、バージョンアップされているか気になる～」
　『究極のカレーを求める会』会長の萌としては気になるところです。
「去年のカレーがどんなのか覚えてるのか？」
「任せて！　ちゃんと写真撮ったもん♪」
　去年撮ったスマホの画像を探し出して見せる萌。
「おー、そういえば撮ってたな……あ、来たぞ」
　運ばれてきたラブラブチョコカレーを見て、萌は歓声を上げました。
「あっ、ニンジンがハート形になってる！」　
「おお、本当だな」
「これも撮っておくよ♪　それじゃ、いただきま～す」
　二人はラブラブチョコカレーを食べ始めました。
「うん、美味しい♪」
「カレーにチョコとか変だと思ったけど、けっこういけるよな」
　　
　レストランを出た二人は商店街をぶらつきます。
「何か、今年は色々割引されてるね……」
　八百屋の店先で、バレンタインセールの値札を見る萌。
「八百屋とバレンタイン何の関係があるんだよ……」
　ユウは呆れた様子ですが。　
「待って、せっかくだからカレーの具を買っていくよ」
「買うんかい！」
　カレーに目のない萌にツッコミを入れるユウでした。

　そんなこんなでデートは終わり。
　萌はカバンから包みを取り出しました。
「付き合ってくれてありがとう！」
「え、オレに？」
「うん、感謝の気持ちを込めてチョコ大福だよ！」
「もしかして手作りなのか？」
「うん、残念ながらカレーを入れるのは断念したけど」
「いや、入れなくていいから！」
　突っ込みつつもチョコ大福を受け取ったユウは嬉しそうでした。

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