星の願いはきらめいて｜リアクション

星の願いはきらめいて

　ボトルシップ作りを終え、花緑青駅に戻ってきた４人。
「ちあきちゃんのお店、かいてんじゅんびすすめてるよー」
「まぁ！　きなこさん、ありがとう」
　きなこと合流し、開店の進捗を聞く。彼女の『おばけたぶれっと』には、おしゃれな小料理屋の写真があった。
「ありあさんの短冊は完了……開店準備は順調……次は道哉ちゃんですわね」
　その後は三恵の音頭で作戦会議だ。短冊の主である少女は、母親のブレスレッドを気に入り、持ち出して無くしてしまったようだ。
「行方不明のブレスレッドを探すには、まず聞き込みですわね。銀色の台座に青い石がついている、っと」
　三恵はメモ帳に書き込みながら、聞き込みの担当を割り振った。人間を当たるのは千暁に。猫界隈は道哉に。三恵＆ありあは幽霊やもののけに。
　待ち合わせの時間と場所を決めた後は、きなこの号令で出発だ。
「じゃあみんな、しゅっぱつしんこう！」

◆

「おや、道哉さんじゃありやせんか。先日はウチの若いのがお世話になりました」
　聞き込みの途中で猫又仲間に会ったので、ブレスレッドのことを尋ねると「そう言えば」と思い出してくれた。
「先だってウチの若いのが見たらしいですわ。カラスとやりあった時に『銀と青の光るもの』を持っているのをね」
　猫又仲間に目撃場所を聞き、礼を言ってから待ち合わせ場所に戻る。
　程なくして、ありあ達からも裏付けが得られた。
「うん、こっちでも目撃者がいたよ。光り物を持って飛ぶカラス」
「まぁ……ブレスレッドが巣にあるとしても、どうやって取り戻せばいいのかしら」
「うーむ、カラスは手強いからな」
　人間の姿に戻り腕を組む道哉に、三恵が口を開いた。
「ここは霊界のアイドル、三恵ちゃんにお任せ頂けませんかしら」
「かまわないが……何か策でもあるのか？」
　黙ってウィンクした三恵は、フルート一つでカラスの巣に向かい、皆の見ている前で見事な旋律を奏で、程なくしてブレスレッドを持って戻ってきた。
「すごいな！　どうやったんだ？」
「うふふ♪　妙なる調べの前に、種族の差など些末なことですわ」
　驚く道哉に、三恵は微笑んでウィンクした。
　その後。
　一同はブレスレットを無くした少女が見つけやすい所に置いて隠れ、少女が母に届けて謝るまでを見守った。

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