星の願いはきらめいて｜リアクション

星の願いはきらめいて

「いろいろなお願い事があるねー。サマーニャンボ宝くじが当たりますように、婚活パーティでいい男ゲットできますように……みんな欲をかきすぎ」
「あと５ｃｍ背が高くなりますように！　だって？　文字からして子供のようだし、来年辺りには叶うんじゃないかな」
「あはは、言えてるー」
　涼しい夜風が吹く寝子島神社に訪れた一同。
　ありあは道哉の帽子の上に乗せてもらい、笹の高い所の短冊を端から端まで物色していた。
　彼女は人気アニメ『魔法少女ミスティックアリア』のフィギュア（の付喪神）だが、作中のような魔法は使えない。
「うーん、あたしサイズでも何とかなりそうな願い事ってないかなー」
　２５ｃｍの身体を生かせる短冊はないものかと探していると、隣の千暁が笹から一つ手に取るのが見えた。
「千暁ちゃん、決めたの？」
「えぇ……若いＯＬさんかしら、とても疲れているみたい」
　彼女が差し出した短冊には、弱々しい文字で『あったかいご飯が食べたい』とある。
「料理は腕によりをかけて作るけれど……問題は怪しまれないかどうか、ね。皆さん、何かいい考えはある？」
　短冊の主を招くにしても、こちらから出向くにしても、警戒されてしまうのでは、という千暁の言葉に、一同は考え込んだ。
「あっ！　ちあきちゃん、おみせをひらくのはどうですか？　いちにちだけのひみつのおみせ！」
　きなこによると、花緑青駅前広場に空き店舗が一つあるという。開店準備はもののけ達に頼み、ＯＬの誘導は猫姿の道哉にお願いすれば、というのが彼女のアイデアである。
「それは素敵な作戦ですわ！　私は空から状況報告でもしようかしら」
　その後、ありあは『弟の退院プレゼントに作ってたボトルシップ、手首をひねって進められなくなっちゃった。神様、最後の仕上げだけお願い！』という短冊を選び。
　道哉は『おかあさんの大事なブレスレッドが見つかりますように』という短冊に目を細め、手に取った。

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