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◆
羽奈瀬 リン
の場合。
なんとなく、部屋の中央に設置されている大きなミズクラゲ水槽を見ながら。
月原 想花
が席につくのを待って、
羽奈瀬 リン
は思い切って声をかけた。
「あの、こんばんは」
声をかけられとき、想花はびくっと肩を震わせた。
いきなりで驚かせちゃったかな、と思っていると。
「……こんばんは」
想花のほうも返してくれる。
そのことにほっとして、リンはさらに続けた。
「あなたの紹介、面白かったです。猫の出てくる絵本。あの子、黒猫かなって」
「……いや、ブチみたいだけど」
「あ、そうなんですか。すみません」
「ううん。挿絵ではそうなってるってだけ。そういや、作者はどんな柄の猫かは表現してなかったなあ。
読み手のイメージにゆだねてるのかも」
「そうなんです?」
「うん。だから、きみが黒と思うなら、黒猫なんだと思う」
「そう。――あ、すみません。僕、寝子中3年の羽奈瀬リンといいます」
「月原想花。寝子高1年」
想花はそれまで少し警戒気味だったが、彼が同じ高校生じゃないとわかって、警戒を解いた。
(いやまあ、責められるとは思わないけど……やっぱ、身構えちゃうっていうか。そういうの、あるよね)
「それで、あの。もう一つ聞きたいことがあって。
祖父母の家にたどり着いた男の子とでぶ猫は、どうなったかな、って」
「それも書かれてないなあ。ただ、でぶ猫は野良だから。なわばりのある駅に戻ったんじゃないかな」
「そうですか……。男の子の家の飼い猫になったのかな、ってちょっと思ったんです。すみません、変なこと聞いちゃって」
「ううん。猫の毛色とか、その後のこととか、ぼくは思いつかなかったから。面白いって思った。
やっぱりひとの目って面白い」
「面白い?」
「うん。気付かされるから」
ズズ……とストローでソフトドリンクを飲む。
そのとき店長がリンを見て、手招きをした。
「次は僕の番みたいですね。行ってきます」
軽く会釈をして、リンは想花のそばから離れた。
(ああ、緊張した……)
知らない人――しかも年上の、高校生のおねえさん!――に声をかけるのは、慣れてなくてすごく緊張する。(いきなり後ろから声をかけちゃったりしたから、あの人驚いてたな。でも怒ったりしなかったし、質問にも普通に答えてくれた。……僕のこと、面白いって)
思い切って声かけてみて、よかった。
うれしくて。リンは気持ちよくみんなの前に立つことができた。
「えっ、と。きょう、僕が持ってきたのは、『夏の星空』っていう詩集です。見開きに1つ、夏の夜空をテーマにした短い詩が書かれていて、それをイメージした写真がついています。
この中の詩のどれか、というわけじゃなくて……昔、すごく小さなころ、大切な友達と一緒に見た記憶が強くて。思い出の本なんです。だからずっと探していたんだけど、なかなか見つかりませんでした。
どのページも、夜空の写真だったということだけ覚えてて。写真集だとばかり思い込んで、図書館とかでも風景写真とかのコーナーで探してたんです。そりゃ、見つかりませんよね。
だけどようやく最近になって、偶然手にすることができて。中を見ると、詩集でした」
くすりと笑う。
「どのページもやっぱりいろんな星空で。でも、そのどれ一つとして、同じ星空じゃなくて。
そして、それぞれ短いながらにいろいろな意味や想いのこもった言葉がちりばめられていて……ああ、言葉の星だと思った。
またたく星のように、降り積もる雪のように、言葉は僕の心の中にすーっと入ってきて、ぴかぴかと輝きながらそこにとどまったんです」
あの子のように。
「僕はもう、この本を写真集だとは思えませんでした。この本は詩集です。
本は変わらず、同じ本なのに、感じ方がこんなにも変わるってすごいなって思ったんです。そちらの、前に話されたおにいさんのように」
リンは、
鴻上 彰尋
が話していたときのことを思い出し、彼に会釈しながら話した。
本当に、彼の言ったとおりだと思う。
「その中でも僕の一番好きな詩を1つ、紹介させていただきますね」
ページをめくり、そのページの写真を見せながら、短い詩を暗唱した。
夏の夜空に輝く、織姫と彦星をうたった詩。
こんなにもこの詩に心惹かれるのは、自分のことのように思えるから?
ああ、名も知らないきみ。きみとまた会いたい。きみに会うために、僕はここへ来たんだよ。
きみに会えたら、僕はあのときと違う印象をきみに持つのかな。
写真集だと思っていたこの本が、実は詩集だったように。
でも、だからってこの本を特別に思う気持ちは変わらなかった。
だから心配してないんだ。
鴻上さんが言ったように、また数年、数十年たって、成長した僕がこの本を開いて、今とは違う印象を持ったとしても、絶対嫌いになんかならないって。
拍手を受けながら、リンの胸は清々しい気持ちで満たされていた。
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担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
8人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年01月15日
参加申し込みの期限
2022年01月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年01月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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