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夏の夜の読書会
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◆
鴻上 彰尋
の場合。
次々と持参した本について語る人たちの話を、
鴻上 彰尋
は興味深く拝聴していた。
「――ご清聴ありがとうございました」
話し終え、頭を下げた話者に拍手を送り。次の人に移るまでの間に、膝の上のクリップボードを開く。
ドリンクバー用のグラスと交換に形ばかりの参加費を払うとき、渡されたのだ。そこには、会についてのアンケートのほか紹介された本の仕入れを望むかの質問欄と参加者への感想や私信を書く欄があって、感想のほうは会が終わった後、集められて参加者に送付されるのだという。
また、バーのカウンターには発注書もあって、希望すれば購入もできるらしい。
話者が代わる合間にちょこちょことそこへ行ってノートに記す人たちの姿を見て、彼らの気持ちがわかる気がした。
自分の好きな本のことだからみんな知ってほしくて雄弁になるし、表情もいきいきしている。そんなふうに人からおすすめされたら、誰だって興味を持つに違いない。
彰尋も、受け取った熱意を返したくてペンを走らせていると、前のときに頼んであったサンドイッチが運ばれてきた。
「ありがとうございます」
膝のボードをテーブルに起き、礼を言う。
彰尋が欄いっぱいに書いてくれているのを見て、店長がにこっとほほ笑んだ。
「いよいよきみの番ですね。緊張はほぐれましたか?」
「あ、はい。ありがとうございます」
「急ぐ必要はありません。食べ終わってからでも大丈夫。時間の制限もありませんから、心の準備ができたら始めてください」
旧市街に来たとき、時々こちらのカフェで食事をとるせいか、店長とは顔見知りだった。気にかけてくれていたのだと思うと、少しうれしい。
(それにしても、夜のこの店って、こんな感じだったんだな)
ドリンクを飲みながら、店内を見渡す。
ショーウィンドーから日の光がいっぱい入る清潔感あふれる昼間のときと違い、照明の落ちた内部は、しかし『BAR』という言葉から受ける、懸念していたようないかがわしさや気を許せない雰囲気とは違った、いたって落ち着きのあるムードが漂っている。
店長の作り出した空気感だと、あらためて思った。
今夜はそこに加えて、本好きな人たちが積極的に意見を交換するという健全な活気があり、みんな笑顔の人たちばかりだ。
自分もその一員としてあの輪の中に加わりたい。
そんな思いで彰尋は本を手に立ち上がった。
談笑の声がやんで、期待の目が彰尋を見る。
「俺が紹介する本は、『二年間の夏休み』です。
この本は、友達同士だったり兄弟だったりという関係性の小学生と中学生、計15人の子どもたちが、こっそり船に乗り込んで遊んでいたら、もやい綱が解けて、気付いたら遭難してしまっていた、というのが導入部です。
船は嵐に巻き込まれ、少年たちは懸命に船を操って、無人島に流れ着きます。
これは15人の子どもたちが、普通だったら彼らを庇護してくれるはずの大人たちがいない場所で、自分たちの知恵と勇気だけを頼りに困難に立ち向かっていく話です。
もしかすると、ご存じの方が多いかもしれません。学校の読書感想文の推薦図書によく選ばれる本だし、俺も初めて読んだのは小学校の図書室に置かれていた本でした。
これもそうです。実は俺の本じゃなくて、弟が同じように学校の図書室から借りてきて読んでいた物なんです。もしかすると、俺が読んだ本もこれなのかもしれません。
小学生だった当時は、自分と同じくらいの年の子や少し上のお兄さんたちが、みんなで力を合わせていろいろな問題を克服し、無事に帰るまでの展開に胸をすごくドキドキさせながら読んでいて、まるで自分も一緒に航海しているような気持ちになったりしたのを覚えています。ですが、高校生になった今見返すと、一番年下の子の様子が心配になったり、その子を庇う兄の気持ちや言葉に共感したり。あのころとは違う目で見ることができました。
もう少し大人になって読み返したときも、今とは違う目で見られるかもしれないと思いました。またそのときに読んでみたいと。
子どものころ、読まれた方は本当に多いと思います。内容を覚えているという方も。とても印象的な本だから。
俺は、ぜひそういう人に、もう一度この本を読んでほしい。きっとそのころとは違う視点でこの本を楽しめると思うから」
「そうだな。自分の手で成せる達成感を子どもに感じさせることができて、この本はとてもいいお手本になると思う」
「今の子は、手軽に手に入る物ばかりに囲まれてますものねぇ」
「僕はさ、昔この本を読んだとき、大きな子が小さい子の面倒をよく見てるよなって思ったよ。それに比べて自分は、って反省したのを覚えてるなあ」
「あー、嘘つきー。あのころのお兄ちゃん、全然そんなじゃなかったじゃん」
「だから、思ったんだって。ほんとに」
わいわいと話し合う人たちを眺めながら腰を下ろす。そして飲み物を手に、彰尋も話しに加わったのだった。
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担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
8人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年01月15日
参加申し込みの期限
2022年01月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年01月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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