旧市街の商店街には、カフェ&バー『novitas』というお店があります。
昼間はカフェ、夜はバーという2つの顔を持つお店で、人目を引くような目立つ看板などは出おらず、特にはやっている様子も感じられないのですが、知る人ぞ知るお店というやつで、店内中央には大きなクラゲ水槽が設置されていて、数十匹の水クラゲが漂う姿を天井に映し出していたり、潮騒の音を流していたりして、まるで海の中を漂っているみたいな気分が味わえると評判でした。
そのほかにも、奥のスキップフロアにはたくさん本棚が並んでいて、ちょっとした小図書館並の蔵書があります。
こちらは昼間のお客さんに好評で、ちょっとしたランチをとりながら、毎日少しずつ読書をしていく人が挟んだしおりがひょこひょこ頭を出しています。
店長は昔、図書館司書になりたかったのだとか。
「昔、ね。子どものころは、作家に憧れていたんです。でも自分には根気も才もないと中学のときに気付いて。
とにかく本に囲まれて生きられたら、それだけですてきだと考えていたんです。
それで、資格は取ったのですが、あいにくと空きがなくて」
御年50の店長は、ほうれい線の入った口元でやわらかくほほ笑んで、もう何十回目にもなるお客さんからの質問に、そう返答をするのでした。
とある土曜日。
お店の前に、立て看板が出ていました。
=================================
今夜『夏の夜の読書会』を開催いたします。
皆さん、お好きな本を1冊お持ちよりください。
夏を感じさせる本でしたら何でもかまいません。
そしてその本について、なぜ好きなのかを教えてください。
普段は手に取らない本、興味はあったけれど読んでいなかった本。
まったく知らなかった本。
その良さを知り、新しい出合いの機会となるかもしれません。
また、読書に興味がなかった方も、これを機会に本の楽しさを学んでみませんか。
=================================
日が落ちるのを待って、お店へ向かう者がちらほらと現れ始めます。皆さん、本を直接持っていたり、本が入ったミニバッグを持っていたりとさまざま。
その中には、恥ずかしそうに、けれどちょっとうきうきとした様子の
長田 孝明や、
中山 喬を連れた
密架の姿も……。
あなたも夏の夜の読書会に、参加してみませんか。
こんにちは。またははじめまして。寺岡といいます。
このシナリオは、『novitas』の読書会に参加して、好きな本について語ったり、思い入れを語ったり、その本にまつわる思い出(だから好きになった、という)を語ったりします。
本は、創作の本でもOKです。
既存の本は、本の中の文章は出せません。
※ただし著作権が消滅している本は、「ここが好き」と文章を書き出しても大丈夫です。
語り合いには参加せず、店内で飲食したり、友達や店長と話したり、店内の本を読んでいてもかまいません。
ちなみに喬は、1日中ワークルームで創作活動ばかりしているので、密架に引っ張って連れてこられています。
密架は同じ旧市街で店を出していることから、店長とは知り合いです。
※参加費として500円徴収されていますが、飲み放題ソフトドリンクバーと、好きなサンドイッチが1品頼めます。
※カウンターでお酒も頼めますが、20歳以上の方だけです。
※開催時間は19~22時。時間内出入り自由です。
このほか、この店で店員をしている、店の常連である、という設定もOKです。
それでは、ご参加お待ちしております。