学食百景　～今年の夏も、プレミアム！～｜リアクション

学食百景　～今年の夏も、プレミアム！～

●疲れた頭に甘いもの

　放課後。
　八神修と七夜あおいは図書室に来ていた。２人はこうして時々図書室で一緒に勉強している。集中して取り組み、時にはお互いに分からないところを教えあった。そして区切りのついたところで、修は大きく伸びをした。

「修君、お疲れ様」
「あおいもお疲れ様」

　和やかな雰囲気のなか、これからどうしようかと相談する。そのときふと、壁に貼られている学食のチラシが目に入った。夏季限定メニューを販売中で、この期間中は放課後も営業しているらしい。

「これなんてどうだろう」

　修はチラシを指さしながらあおいに尋ねる。

「良いね！　行きたい！」
「じゃあ決まりだな」

　２人は勉強道具を鞄にしまうと学食に向かって歩き出した。学食には普段より人が集まっていた。夏季限定メニューに惹かれた人が多いのだろう。修たちはさっそくメニューを眺める。

「俺はプレミアムかき氷パフェかな。あおいは？」
「う～ん、迷うなあ……」

　修と同じくメニューとにらめっこするあおいは、プレミアムクレープアイスにした。トッピングはリンゴとバナナ、それと生クリームを選んだ。注文して受け取ると、かき氷パフェは想像を超える大きさだった。

「メニューの絵も相当大きかったけど、実物はもっと大きいんだね」

　これには修も少し驚いた。
　イチゴ、オレンジ、サクランボ、マンゴー、メロンなどなど各種フルーツが盛りだくさん。さらにゼリー、チョコレート、クッキー、生クリームにアイス、ソフトクリームなど、豪華な具材がてんこ盛りにトッピングされている。まさにプレミアム。
　修はデジカメを取り出すと、パフェを写真に収める。

「あおいはフルーツ、乗ってる中だとどれが好き？」
「うーん、いちごかな」
「おいしいよな、いちご。みかんとかオレンジもいいね」
「みかんといえば、この前の夏蜜柑もおいしかった」
「ああ、あれは良かった」

　そんな他愛もない話を楽しむ２人。
　お互いのデザートを少しずつ交換して感想を言い合ったりと話題は尽きない。そうしているうちに２人とも完食した。

「今度は学食で食べるのもいいかもね。他にも食べたいメニューがあるし」
「うん、そうだね」
「弁当作りのヒントになるかもしれないしね」

　楽しそうな笑顔とともに２人は学食を出た。

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