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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
落とし穴の先で
空がオレンジ色に染まる頃、楡宮 遠海は寝子島高校の正門を通り抜ける。半袖の夏服で学生鞄を肩に引っ掛ける。左手にはショルダーキーボードを収めた長細いケース。気だるげに右手へ持ち替えた。
歩道で急に立ち止まる。真剣な顔付きとなった。
――今日の軽音部の活動は充実していたと思う。疲れも感じるから迷わないで帰りたい。いくら方向音痴の私でも高二なんだし、大丈夫よね。
目に見える道に向かって大きな一歩を踏み出した。シーサイドタウン駅のある南へ迷わずに向かう。
目が小さな存在を見つけた。顔を向けると左手の道に白猫がいた。遠海は目を細める。すると愛らしい声で鳴いて道の奥へと歩き出す。
「……もしかして？」
白猫は立ち止まって遠海を見た。立てた尻尾をゆっくりと左右に振る。
――私を誘っているのかも。
黙って見ていると白猫は再び歩き出す。その歩みは遅く、何度もこちらを振り返った。
苦笑いを浮かべた遠海は、仕方ないよね、と呟いて左手の道に入った。
白猫は後ろを窺いながら先頭を歩く。しばらく直進して右手に曲がった。見失わないように遠海は小走りで追い掛ける。
「意外と速いね」
白猫はかなり先を歩き、今度は左手に折れた。
――どこに連れていってくれるのかな。
走りながら微笑む。左手に曲がると白猫はいなかった。
「え、なんで？」
道は真っすぐで脇道はない。少し先の駐車場には一台の車が停まっていた。下を覗いてみたが白猫はいなかった。
遠海は探すことを諦めた。シーサイドタウン駅へと向かう。
その後、一時間を費やした。焦った顔で早歩きとなった。丁字路の左右を見て、右ね、と口に出して突き進む。途中で、あ、と声を上げて引き返す。そのような行動を何度となく繰り返した。
「……また迷ってしまったのね」
項垂れた状態で本音が漏れる。ふらふらと歩いていくとコーヒーショップに行き当たった。
途端に表情が明るくなった。
――はっきりと覚えているわ。この店の近くに駅があるのよ。
スカートを翻して走り出す。三叉路の右を選んだ瞬間、見えない落とし穴に嵌るのだった。
強い瞬きをした。風景は変わらず、遠海は深い森の中にいた。
「ここは、どこよ？」
困惑しながらも自身の身体を確かめる。どこにも擦り傷は出来ていなかった。
――落ちたと思ったんだけど、立ち眩み？
思考は途切れた。その場で大きく息を吸い込んだ。
――温泉の匂いがする。迷って寝子島温泉まできたってこと？ 疲れもあるし、寄って行こうかな。
大きな溜息を吐いた。匂いの強い方へと歩いてゆく。
木々の間を抜けていくと赤い池に出くわした。白い湯気に辺りは薄っすらと包まれている。
――露天風呂にしては大きいわね。
思いながらも縁まで歩いた。しゃがんで指先を入れる。
「良い湯加減」
濡れた指先を鼻に近づける。納得した表情で遠海は立ち上がった。
人がいないことを確認して木の側で全裸となった。脱いだ服は綺麗に折り畳んで根元に添える。その上に学生鞄とケースを置いた。
――これで風が吹いても平気ね。
満足して赤い湯に浸かる。ほっとしたような息が漏れた。伸ばした両手で緩やかに湯を掻き混ぜる。
「癒されるわ～」
軽く頭を回す。三回目の時に、ん？ と声が出た。目は自身の胸元に向けられた。
「谷間があるんだけど」
座った状態で上半身を上下に動かす。湯面に浮き出た丸い二つの膨らみは重そうに揺れた。
「……これ、私のだよね？」
疑問を抱きながら両手で握る。小鼻が膨らんだ状態で揉み始めた。
「絶対に大きい！」
揉みながら立ち上がった。その場で何度も跳んで、あるよ、と歓喜の声を上げた。
「あれ？」
遠海は真顔になった。シーサイドタウン駅が目の前にある。
慌てて自身に目を向けると制服を着ていた。肩には学生鞄を引っ掛け、右手にケースを提げていた。
「……うん、帰ろう」
とぼとぼと改札へ歩いていった。
歩道で急に立ち止まる。真剣な顔付きとなった。
――今日の軽音部の活動は充実していたと思う。疲れも感じるから迷わないで帰りたい。いくら方向音痴の私でも高二なんだし、大丈夫よね。
目に見える道に向かって大きな一歩を踏み出した。シーサイドタウン駅のある南へ迷わずに向かう。
目が小さな存在を見つけた。顔を向けると左手の道に白猫がいた。遠海は目を細める。すると愛らしい声で鳴いて道の奥へと歩き出す。
「……もしかして？」
白猫は立ち止まって遠海を見た。立てた尻尾をゆっくりと左右に振る。
――私を誘っているのかも。
黙って見ていると白猫は再び歩き出す。その歩みは遅く、何度もこちらを振り返った。
苦笑いを浮かべた遠海は、仕方ないよね、と呟いて左手の道に入った。
白猫は後ろを窺いながら先頭を歩く。しばらく直進して右手に曲がった。見失わないように遠海は小走りで追い掛ける。
「意外と速いね」
白猫はかなり先を歩き、今度は左手に折れた。
――どこに連れていってくれるのかな。
走りながら微笑む。左手に曲がると白猫はいなかった。
「え、なんで？」
道は真っすぐで脇道はない。少し先の駐車場には一台の車が停まっていた。下を覗いてみたが白猫はいなかった。
遠海は探すことを諦めた。シーサイドタウン駅へと向かう。
その後、一時間を費やした。焦った顔で早歩きとなった。丁字路の左右を見て、右ね、と口に出して突き進む。途中で、あ、と声を上げて引き返す。そのような行動を何度となく繰り返した。
「……また迷ってしまったのね」
項垂れた状態で本音が漏れる。ふらふらと歩いていくとコーヒーショップに行き当たった。
途端に表情が明るくなった。
――はっきりと覚えているわ。この店の近くに駅があるのよ。
スカートを翻して走り出す。三叉路の右を選んだ瞬間、見えない落とし穴に嵌るのだった。
強い瞬きをした。風景は変わらず、遠海は深い森の中にいた。
「ここは、どこよ？」
困惑しながらも自身の身体を確かめる。どこにも擦り傷は出来ていなかった。
――落ちたと思ったんだけど、立ち眩み？
思考は途切れた。その場で大きく息を吸い込んだ。
――温泉の匂いがする。迷って寝子島温泉まできたってこと？ 疲れもあるし、寄って行こうかな。
大きな溜息を吐いた。匂いの強い方へと歩いてゆく。
木々の間を抜けていくと赤い池に出くわした。白い湯気に辺りは薄っすらと包まれている。
――露天風呂にしては大きいわね。
思いながらも縁まで歩いた。しゃがんで指先を入れる。
「良い湯加減」
濡れた指先を鼻に近づける。納得した表情で遠海は立ち上がった。
人がいないことを確認して木の側で全裸となった。脱いだ服は綺麗に折り畳んで根元に添える。その上に学生鞄とケースを置いた。
――これで風が吹いても平気ね。
満足して赤い湯に浸かる。ほっとしたような息が漏れた。伸ばした両手で緩やかに湯を掻き混ぜる。
「癒されるわ～」
軽く頭を回す。三回目の時に、ん？ と声が出た。目は自身の胸元に向けられた。
「谷間があるんだけど」
座った状態で上半身を上下に動かす。湯面に浮き出た丸い二つの膨らみは重そうに揺れた。
「……これ、私のだよね？」
疑問を抱きながら両手で握る。小鼻が膨らんだ状態で揉み始めた。
「絶対に大きい！」
揉みながら立ち上がった。その場で何度も跳んで、あるよ、と歓喜の声を上げた。
「あれ？」
遠海は真顔になった。シーサイドタウン駅が目の前にある。
慌てて自身に目を向けると制服を着ていた。肩には学生鞄を引っ掛け、右手にケースを提げていた。
「……うん、帰ろう」
とぼとぼと改札へ歩いていった。
あとがき
担当マスター：
黒羽カラス
ファンレターはマスターページから！
霊界温泉、血の池地獄で心身ともに温まれたと思います。
個々で効能が違いました。個性が際立ち、ＰＣの隠れた一面が垣間見えました。
野獣のような荒々しい姿は長い人生を語っているように思えました。
蠱惑的なサキュバスに変身したＰＣさんもいました。足技は健在です。
三対の翼で大空を自由に飛んで楽しまれたＰＣさん。本来の姿なのかもしれません。
最後のＰＣさんは悩みが解消されました。元に戻りましたが今は成長期。未来の暗示なのかも。
バラエティに富んだ内容となりました。
皆さんのおかげです。ご参加、本当にありがとうございました。
個々で効能が違いました。個性が際立ち、ＰＣの隠れた一面が垣間見えました。
野獣のような荒々しい姿は長い人生を語っているように思えました。
蠱惑的なサキュバスに変身したＰＣさんもいました。足技は健在です。
三対の翼で大空を自由に飛んで楽しまれたＰＣさん。本来の姿なのかもしれません。
最後のＰＣさんは悩みが解消されました。元に戻りましたが今は成長期。未来の暗示なのかも。
バラエティに富んだ内容となりました。
皆さんのおかげです。ご参加、本当にありがとうございました。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2022年01月05日
- 参加申し込みの期限
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- 2022年01月12日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2022年01月12日 11時00分
