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ウル寅な年明け! 新春☆初夢フェア2022! ~鷹編~
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【連環す】
確かに物語の担い手はこの儚げな金髪金眼の王子だが、真に語られるべきは
魔女
である。
物語はいつだって、揺らめく炎のごとき恋から始まるものだ。王子にとってもそうだった。
「……きみは? ここは王族の、ぼくの寝室だよ。一体どこから……」
「宮廷魔女でございます。王子さま。明日より、王のおそばにお仕えいたします」
王子は首を傾げた。魔女ならば一人となく宮廷にいるはずだ。唐突に新しい者を入れるとは聞いていないが、しかし王子はまだ幼いのだし、王もいちいちまつりごとの些事を告げたりはしまいと思い直す。
しかしではなぜ、この新参魔女は主たる王でなく、その息子の寝室へ忍んで訪れるのか。
「ご無礼をお許しください。王子さま。ただ、わたくしは……」
月影が魔女をまぶしく、鮮やかに彩っていた。薄布の黒衣に包まれた痩身は、宮廷の肉付き良い女たちを見慣れた少年の目に鮮烈な印象を刻んだ。東洋では鴉羽に例えられるという、つややかな黒の長髪が夜風になびく様にも心とらわれた。
世の尺度で見れば、痩せっぽちで貧相、陰鬱をたたえるうろんなまじない師と揶揄されるのかもしれない。しかし王子の目には魔女がこの世のものとは思えぬ、何か例えようもない、絶対的な存在として映った。
「わたくしはただ、お近づきになりたくて……」
「ぼくに? なぜ?」
そのような女を前に、まだ恋を知らない初心な少年があっけなく心奪われたのも無理からぬことだろう。
「あなたさまは世を統べる、偉大な王となられるお方だから」
翌日、魔女は父が座る玉座の脇に立ち、香るような微笑みで王子を見下ろしていた。
魔女は予言をするものだ。それが国を揺るがすものとなれば王自ら兵を率い、遠征にて危機を排除することもある。
「ふふ。当たりましたね、王子さま……わたくしの、予言」
魔女が訪れてより幾月も経たぬ頃、王子は戦慄に身を震わせるままに玉座へ、飾り物のごとく腰かけていた。
険しい山岳の頂上付近に住み着いた竜の吐きかけた毒を浴び、王は帰らぬ人となった。
川の流れるよりも自然に、王子は王となり、居心地の悪い玉座へ座らされている。少年王にいかめしい玉座は大きすぎたのだ。
「申し上げました。あなたさまが王となられると」
「……言った。きみは言ったよ。でも、ぼくは……」
「大丈夫。大丈夫、でございます。ふふ、ふふふ」
魔女は薄布に包まれた痩身をぴたりと王に寄せ、耳にささやいた。
「万事、わたくしの申すとおりになさいませ。一つとて違えぬことです。されば、あなたさまは稀代の王となりましょう。百の都へ届き、千の里へ響き渡り、万の民がかしずく王となりましょう」
「ぼくが……王さまに」
魔女は笑う。王宮に魔女だけが笑みをたたえ、臣下のひとりとて何ら感情を示さぬ人形となり果てているのに、拙くも聡い少年王は気付いたが、聡きがゆえに黙すしかなかった。
ただ、彼は驚くほどに心穏やかでもあった。厳しく圧政を敷いたが息子には優しかった王を失い、氷もかくやと冷たくなった王宮の中で、魔女の微笑はまさしくあたたかく灯る炎に思え、不思議なほどの安堵を覚えていた。
東の蛮王を討伐し内乱を平定すると、王は広く触れを回した。王の手腕はさほどに手を焼かずともたやすく人心を掌握し、内政にもはや不安はなく、かねてよりの課題であった各地の魔物討伐に当たるため、豪腕豪傑の者を募り兵とした。
「さあ王よ。お命じ下さい。あなたさまの兵たちへ」
かたわらの魔女へうなずき、きりと結んだまなじりはもはや少年の面影なく、太い腕を振りかざし号令を発した。
「我が覇道を阻むおぞましき魔物を滅し、塵芥と還すのだ。進め!」
北方を我が物顔で荒らす氷狼の群れを絶滅し、西に支配を広げた悪魔の女王の首を刎ね、南へ向かっては朱くきらめく溶岩纏う巨人の一族を滅ぼした。いずれもが魔女によってもたらされた策を用い、王が兵の采配を取ることで成し遂げた偉業であった。
「感謝する。幼き余を導き、こうして王の座へ据えたのは、きみだ。魔女よ、きみのおかげでぼくは」
「おっしゃらないで」
兵の目もはばからず、魔女は王の妃がごとく振る舞う。それを咎めるものはなく、王は愛しい女を常にそばへ置き重用し続けた。
「すべては偉大なる王のため。あなたさまのため」
討伐は英雄譚をなぞるかのように粛々と成されてゆく。
王国領内に残る脅威はやがて、かの竜討伐のみとなった。かつて先王を毒に侵し殺した、険しき山の邪竜である。
「さあ。あなたさま。成されませ」
魔女の秘策を携え、勇王は先陣を切り駆け抜ける。
しかし竜退治は、これまでの魔物討伐といささかに勝手が違っていたようだった。
「これは……これは、兵たちが、腐れてゆく? 竜の吐息で、わが兵らが……余までも」
毒の息に手足は腐れ身は崩れ落ち、あっけなく王の覇業は潰えた。
「魔女よ……魔女よ! なぜ、余が敗北するのだ? そなたの言葉違えず、一言一句、余は誤りなど」
「……ああ。やっぱり、ダメなのね」
見下す魔女の面に笑みはなく、ひどい落胆のほかに、どんな表情も彼女を輝かせてはいなかった。
魔女の双手に、炎が灯る。禍々しく黒い炎が。
「また、ダメだったわ。どうして越えられないのかしら」
黒い炎が、王の、王国のまことをあらわに照らし出してゆく。
否、炎は魔女の手に常から揺らめいていたのだ。王がそれと気づくことはなかっただけで。
炎は陽炎を生む。魔女が望むままの幻像を照らし出す。
「なぜ……どうして……魔女よ、あの時から……ぼくは」
「なぜ? そうね、なぜかしら。どうしてもうまくいかない。このシーンだけがうまくいかないの。あの時王は竜を討ち果たし、祝いの席で私との婚礼を宣言したというのに」
魔女が望むままの筋書きを、つぶさに描き出す。遥かな昔、彼女を彩っていた輝かしい時代を。滅びた時を。
王は王ではなく、幼い少年王子でもなく、そも金髪金眼でさえない。墓地か戦場跡で長いこと朽ちていた、腐れた骸たちの一つに過ぎない。
「ああ、また新しいからだを集めなくちゃ。待っていてね、愛しの王子さま。すぐに会いにゆくから」
魔女は幾度、こうしてきたのだろう。幾度、繰り返してきたのだろう。物言わぬ骸たちの劇団を引き連れ、幾度、再演を重ねたことだろう。
黒い炎が燃え上がる。王は再び立ち上がるだろう。いつかは美しき妃を連れ、王宮へ凱旋を果たすだろう。
その時、魔女は、笑うのだろうか。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年01月02日
参加申し込みの期限
2022年01月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年01月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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