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ウル寅な年明け! 新春☆初夢フェア2022! ~鷹編~
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【私たちの労働記録】
書庫は呼吸する。
情報の鮮度は常に代謝を止めない。書きかわり、移動もする。時に短く、時に途方もない距離を。全ての書は相関関係にあり、互いが互いを参照しながら刻一刻と変動してゆく。人が生きる限り、営みを止めることはできないからだ。
当然のことながら
私
がそこに何らかの手を加えることはない。変動は常に自動的だし、おまけに全ての書へ、極めて流動的に波及してゆく。書庫は生命の誕生以来より続く命脈の一環を担う、原始のクラウドサーバーだ。私たちの役割とは基本的にそこで監察し台帳をつけるのみで、更新者の思惑はようとして知れない。まあ、システムとはそういうものだろう。
舞う紙片の一枚をつかみ、書きつけられた情報を流し見てから放る。紙片はひらと飛んでゆく。見届けずとも所定の書の中へと収まるはずだ。時おり思い立ち、あるいは必要あらば書を手にとり、台帳に所定の書式でメモを取り、書棚へ戻す。それが、営みというものだ。連綿と続く。疑問をさしはさむ余地もなく。
だがごくまれに、本当に珍しいことが起こる。めったにないが、書庫では想定されるべき事態がある。そんな時に限っては、我々は我々の判断に従って行動することを求められるのだ。
「なあ、ちょっといいかね」
「うん。扉は開いているだろう」
ノックのひとつもなく、眉をひん曲げた
私
がずかずかと歩み寄ってきて、デスクにのしと尻を乗せて私に言った。
「……禁書が見つかった。我々で対応せねばなるまいよ」
問題の書は第六十四棟で見つかったという。
書は大別して三種に分類される。第一種はごく短期を記録したもの。第二種は中期程度を記録したもの。第三種は長期にわたり記録されたもの。禁書の多くは第三種に分類され、必然的に書庫の深い階層に見つかることになる。書の内容によっては非常に稀有な、第四種と類されることもあった。
「これだよ」
「……古いな。実に古い」
「興味深いだろう?」
「うん、実に興味深い」
台帳によれば禁書は、『まつろわぬ神』と題されていた。ページをめくるとおびただしく埃が立ち、我々はむせこんだ。
確認すればするほどに、禁書は禁書と呼ばずにはおれない。私は怖気をふるい、先に確認したというここらの管理者を務める
私
などは、書棚の陰に吐瀉をしたそうだ。
「やれやれ。禁書は禁書たれ。死蔵すべし、ということで異議はないだろうか」
「異議なし」
「異議なしだ。運搬も頼めるかね? 手が離せなくてね。第八棟がてんてこまいらしくて、応援を頼まれているんだ」
「む……わかったよ」
禁書発見の報を持ってきた私と二人連れ立って、書庫の奥へと進むこととなった。
上層へ上がってゆく管理者の私の背を見送り、私は私と顔を見合わせる。
「ま、仕方がない。これも役割だ」
「書の閲覧だけなら興味深くもあるんだがね。深層へ降りるのは久方ぶりだな……」
揃って思わず、ため息をつく。
かたかたと滑車は鳴り、ロープを手繰り木造エレベーターは降下する。書に収められた知識のごとく、オール電化にでもすればよいのに、とせんのないことを考える。どうしようもないことだ。システムとはそういうものだから。
深度の降下とともに周囲は徐々に暗闇に包まれ、ゆらめく篝火だけが頼りがいのある光源となる。
「このあたりの書棚はもはや、上層との関連も断たれて久しいからね。管理も行き届かないのさ」
「いや、うん、分かってるけどね。少し愚痴りたくもなる……おっと」
最下層の暗渠がたたえる闇から数え切れないほどの紙片が舞い上がり、エレベーターをかすめていった。私も私も、かつて見たことのないほどの群れだった。
「何かあったな。第八棟か」
「……急ごう」
下層の情報が参照される機会は決して多くない。大様にしてそんな事態は、上で良くないことが起こっているからにほかならない。
エレベーターが止まり、決して清廉ではない水を溜め込む暗渠へと我々は降り立つ。ここまでくると床は腐り朽ちかけ、立ち並ぶ書棚の書たちさえカビに蝕まれているのが見て取れるが、管理する者はもはやない。書棚の全てが禁書であり、管理の必要もないからでもあるが、そればかりが理由ではない。
「ひ。ひ、ひ、ひ。ひ」
すれ違う
私
を、私たちは身をちぢこませてやり過ごした。かつては私と同じ姿をしていたはずの元管理者は変質著しく、もはや人の形を留めていなかった。
禁書は周囲を蝕む。封ずべき、との我々の判断は、必然として下されたものなのだ。
「着いた……」
私がつぶやくのを、ひどく遠くに聞いた気がする。永劫を沈黙と闇が満たす空間に、時間や距離の概念は曖昧になりがちだ。
「書を」
「ああ」
手にした禁書を、暗渠の最奥。大池へ投げ込んだ。やがて地響きが鳴り、私は私と支え合って震動に耐える。
大池の主たる怪物が山岳ほどもある巨体をくねらせて現れ、放物線を描きとんでゆく書をぱくりと飲みこんだ。開いた顎には歪な並びで無数の牙がぎらつき、瞳は光なく澱み、吐く息は筆舌に尽くしがたい腐臭を帯びていた。
怪物は我々に目もくれず、ねじくれた尾を一打ちし、大池の底へと沈んでいった。
机にもたれ、ページをめくる。窓の外は白く曇っているが、あの最下層の有様よりはずいぶんとマシなものだ。
書によれば、人は誰しもが奥底に怪物を飼うという。
本当だろうか。私は首をひねらずにいられない。どこも同じなのだろうか、我々の役割ときたら時にあんなにも、眩暈をもたらすほどに過酷だというのに。
「やあ。ちょっといいかね」
「……また何か?」
顔を見せた私は眉を上げ、ノックのひとつもせずずかずかと歩み寄ると、デスクにのしと尻を乗せて笑った。
「乾杯しよう。我々の労働に」
私が目で示した時計を見やれば、いつのまにやら日が変わり、年が明けていた。なるほどたまには、自身を労うのもいいだろう。
掲げたグラスに溶ける氷がかろんと鳴り、私もついつい、頬を緩めた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年01月02日
参加申し込みの期限
2022年01月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年01月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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