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ろっこんカレイドスコープ
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◆
夏の夕暮れ時の旧市街。ちょっと買い物に行こうと歩いていた
万条 幸次
は、ふと悲鳴が聞こえた気がして足を止めた。
「今のは……こっちか?」
声がした方へと向かう。人気のない小道の方だった。両脇からせり出した樹々の枝葉によって昼間でも暗いそこは、夕刻にあって既に夜のような闇が訪れていた。
その暗がりの中で「何か」――影を異常なほど背の高い人の形に流し込んで固めたような姿のあやかしが、小学生くらいの女の子を捕まえていた。
(助けなきゃ!)
目を閉じ、ろっこん『猫チェンジ』を発動。半人半猫の形態へと変化し、威嚇の鳴き声を放つ。
女の子をどこかへ連れ去ろうとしていたあやかしが、動きを止めて幸次に向き直る。
ずるり。
ほどけるようにしてあやかしの背から新たな腕が生えた。
影の帯とでも言うべきか、暗がりに紛れるように襲いかかるソレを猫の目が過たず捉える。
右に一発、左に二発目。半猫化したことによるしなやかな動きでかわし、そのまま二発目の帯を踏みつけて跳躍。
影の帯がさらに細かくほどけ、幸次の手足を狙う。身体を捻り爪を閃かせ、斬り裂き躱す。避けきれなかった影が、幸次のこめかみ、首筋と肩口を裂いた。
怯むことなく、幸次は空中で体勢を整えて着地。地面を蹴って飛びかかる。
「その子をはなせっ」
猫パンチという言うよりむしろ、爪を立てた貫手というべき一撃があやかしの顔面を捉えた。影が怯み、その隙に女の子を左腕で抱き寄せる。
あやかしが影を伸ばす。右腕の爪でそれを斬り裂き、返す右腕にありったけの力を込めて振り上げる。
鋭い爪が暗がりの中に軌跡を描き、あやかしの身体に爪痕を刻んだ。
続けて、さらに一閃。
「おぉぉぉぉぉぉぉ……」
爪の二連撃を受けたあやかしがたまらずよろめき、風の唸りのような声をあげた。一瞬後、その姿が暗がりの中に溶けていく。霊界に還っていったのだろう。
「よし、いなくなったみたい」
ふう、と幸次は安堵の息を吐き、幸次はこめかみの辺りを拭う。ぬるっとするのは、斬り裂かれて血が出ているからだろう。
それから腕の中の女の子を見やる。一見したところ怪我はないようだ。
「無事でよかっ……いてっ」
脇腹のあたりに突然走る痛み。足元に音を立てて転がった石ころを見て、石をぶつけられたのだと気づく。
女の子を石から庇うようにしながらそちらを見る。
「はなしなさい! この化け猫!」
暗がりの向こうから、一人の女性が幸次に向かって石を投げつけていた。怒りと恐怖の混ざりあったその表情は、映画やマンガで子供を守るために化け物に立ち向かおうとする親の姿そのものだった。
ではこの時、化け物にあたるのは誰か?
「ま、待って! 俺は――」
腕の中に違和感があった。
抱きかかえていた女の子が、彼から逃げようとして身をよじっていた。小さな体は今も小刻みに震えていて、その様子はあやかしに捕まっていた時と何ら変わりない。
針を刺してぐりぐりと穴を押し広げるような感覚に、胸の奥がうずく。
何を言おうとしていたのだったか。口にしかけた言葉は、そよいだ風が起こした葉擦れの音にかき消されるように溶けていった。
胸のうずきにこらえられなくなったようにしゃがみこみ、幸次は女の子を放した。
「おかーさん!」
女の子は振り返ることも足を止めることもなく、女の人――母親のもとへと走っていく。
母親が泣きそうな顔で彼女を抱きとめる。そのまま二人は恐ろしいものから逃げるように去っていき、夕暮れの向こうに見えなくなった。
そして幸次は暗がりの中、一人ぽつんとしゃがんだままでいる。
「……俺、化け猫って言われてた」
こぼれた声は、底の見えない池にした落とし物のように沈んでいた。
ろっこんのことなど知らない人たちから見れば、見ればあやかしも半猫状態の自分も同じようなものなのだろうか。
ろっこんを解除して人の姿に戻ると、幸次は来た道を戻って歩きだす。
ぬるい風に頬を撫でられながら思い出したのは、昔読んだあるヒーローのマンガだった。
そのヒーローは正体を秘密にしなきゃいけなくて、しかも変身前はダメダメで。だからいくら活躍しても、ダメダメな方への風当たりは強くて。
今の幸次は似ているのかもしれない。もっとも助けた人にすら感謝されなかったから、そのヒーローよりも――。
「いいんだ」
放っておけば、ぬかるみにはまって動けなくなりそうな思考を断ち切るように呟く。
今回はたまたま違ったけど、わかってくれる人は居る。人助けをしたこと、フツウを守ったことをわかってくれる人は居る。
自分に言い聞かせるように、「わかってくれる人は居る」と心のなかで繰り返す。
けれど、幸次の足取りは重かった。
長く伸びる影を引きずるように、夏の黄昏の中をただ独り歩いていく。
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あとがき
担当マスター:
風雅宿
ファンレターはマスターページから!
――と、いうわけで。
初めて発動した日の回想や、ろっこんを使っての大暴れ。
切り札としての存在感はありつつもろっこんそっちのけの格闘戦に、少しビターな夏の思い出。
皆様のろっこんにまつわる景色を描く万華鏡、お楽しみ頂けましたら幸いです。
それでは、またお会いしましょう。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
風雅宿
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
7人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年12月28日
参加申し込みの期限
2022年01月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年01月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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