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◆
道場に群がるゴミ掃除を終えた志桜里たちは、しかし全員がどこか物足りなさを漂わせていた。
ここに居る三人は、揃いも揃って勝負と強者に飢えた羅刹女どもである。一方的な蹂躙はそれはそれで快感ではあろうが、そればかりで満足などできるわけはなく。
「効率良すぎて燃えなかったね。なんかなーい?」
獅百合の言葉は、食い足りない肉食獣が唸るかのような響きを伴っていた。
彼女の言わんとする所は、志桜里と昴にもわかる。三人で続きをやろうというのだ。
「シロの言う通り不完全燃焼ね。道場に戻って続き、三人でやりましょ」
志桜里が拳を軽く打ち合わす。使う外ないような強敵か、取るに足りない相手をさっさと片すかが使いみちの『ウチデノコブシ』。後者のために使ったばかりだからこそ、やはり強者に対して使いたくてたまらなくなっていた。
昴もそれには「うむ」と頷いた。
「やはり被虐心も満たされねば。そなた達と一戦交えられるなら、私は喜ぶぞ」
一瞬志桜里がなんとも言えない顔で昴を見たが、昴自身は「是非もないな」と涼しい顔だ。
そんなわけで、三人は道場へと戻った。
始める前に志桜里は、昴にぽんと拳を押し当てて『ウチデノコブシ』の強化能力、身体強化を発動した。
昴は個々の戦いで使用できるろっこんを持たない。かといってこちらがろっこんを使わない、という選択肢はない。だからその分を埋めることで正攻法での戦いとするわけだ。
「それでも私たちが縮めれば一息に潰せてしまうから、気をつけなさいな」
「もちろんだ」
「はやくやろーよ!」
獅百合の声に急かされて、二人もそれぞれの立ち位置についた。三角形を描く形で向き合った三人が、それぞれに鉄剣を構える。
獅百合は肩に担ぐように、志桜里は片手半身、そして昴は正眼に。
道場の中を、薄氷のような静けさが満たしていく。
これはお上品な試合ではなく、故に合図の類などあるはずもない。既に仕合は始まっている。
二人の足に静かに力がこもるのを、昴の眼は捉えていた。
二人が踏み込む。
狙いは共に昴。二人が互いを縮め合えば、待つのは昴の一人勝ち。であればまず昴を潰すのは必定。だから昴もこれは予想済みだった。
どちらか一方でも組まれれば最後縮められ、そこからどんな一撃が来ても躱せない。いわば石臼に放り込まれた豆のようなもの。そうなればすり潰される以外に何ができようか。
――と、腐るのは放り込まれてからで充分だ。
先に届くのは志桜里の袈裟斬り。刀身の腹で払い受け、鉄の塊同士が打ち合う重く硬質な音が響く。交錯した鉄剣の下を潜って志桜里の左腕が伸びていた。
右足を引き、絞るように上半身が追随。腕を縮めた最小の軌道の斬打が拳を払い落とす。
その左から獅百合が肉薄。左を半身引いて腕を躱し、
志桜里が居ない。
疾風が吹き抜けるように、黒髪がなびくのが見えた。
志桜里は既に、昴の右後方まで踏み込んでいる。
引いた時の軸足はそのまま、焼けるような音が聞こえるほどに踏みしめ旋転、胴払い。鉄剣の描く弧を、志桜里が鉄剣を縦に構えて止める。
昴の動きもまた止まり、刹那やはり左から獅百合が組み付く。上下から襲う腕は牙にも似ていた。左足を軸に退き、鉄剣を振り抜く。火花を散らすそれを腕で受け、流石に獅百合がわずかにうめいた。その微かな呻きが、昴の嗜虐心をぞくりとくすぐる。
軸足を踏み潰さんばかりに志桜里が踏み込み、昴はさらに後ろへ跳んだ。
道場の床が悲鳴を上げる勢いで志桜里は踏み込む。狙うは昴の着地点。獅百合もまた昴を追う。
二人が攻撃を放つのは同時。志桜里は斬り下げで線を、獅百合は素手の突きで点を狙う。絶妙に違う狙いの高さは二人の身長差であり、互いにどう狙うかがわかっていてのもの。分身ゆえの以心伝心だった。
それは互いの攻撃が「いつ届くか」にまで及んでいた。
昴が獅百合の突きを躱す。彼女のほうが志桜里よりも力が強い。捕まれば抜けるのはより困難だ。
しかし志桜里の攻撃は獅百合も速く、また鋭い。昴が身を躱した瞬間の硬直を突いて、志桜里の斬り下げが脇腹を捉える。
「がっ……!」
踏み込んだ足に力を込め、一気に詰める。
志桜里の左手が昴の襟を掴み、掴んだ手を握り込んで拳へ替えて押し当てる。『ウチデノコブシ』、
笑っていた。
昴の口元をよぎった笑みに、浮かぶのは二つの疑問。
昴が跳んだ時、彼女の目線は自分たちより上だったか?
『見越活技』の効果範囲の拡大には、どこまでが含まれていた?
襟を掴んだまま志桜里は身を翻し、昴を背負い投げた。ブラフの可能性は大いにあるが、あえて危険を犯す意味はない。どうせ昴のろっこんは持続時間は長くない、一手逸らせば充分だろう。
叩きつけられた昴を獅百合が追撃。今の交錯でこちらも気付いたのか、拳ではなく鉄剣の一撃。
破裂音にも似た衝撃が道場に轟く。床を転がり辛うじて躱した昴の十数センチ隣に、鉄剣が食い込んでいた。
跳ね起きた昴に肉薄する獅百合は、背後の気配に独楽のような勢いで向きなおった。志桜里の腕を手首で掴み、拳が触れる寸前で押し止める。
「バルちゃん潰さなくてい――」
「ほら、以心伝心って吉にも凶にも転ぶじゃない?」
志桜里の鉄剣の突きが頬を掠める。なるほど以心伝心であればこそ、昴を狙った隙を突くのは道理だ。以心伝心で同じ得物を狙うと思っているからこそ、不意打ちは効果的と鳴るのだから。
一方で、分身の浮かべる獰猛な笑みに思う。実質二対一めいた動きでは、強者を食う欲が満足できなくなってきたのではあるまいか。
「そーいうことならさ!」
掴んだままだった腕を、大外へ押しやるように払いのける。その勢いに腕を取られて志桜里の体勢が僅かに崩れ、すかさず獅百合は肘を志桜里の肩へ打ち込む。そのまま、道場の壁へ叩きつける勢いで押し込んだ。
志桜里の脚が足の甲を狙い、獅百合は脚を退く。押し込みが一瞬止まり、その隙に志桜里の身体が低く沈んだ。
背後から鉄剣の唸り。
胴を刈る斬撃に、それが描く弧と同じ方向へ跳ぶ。直後、猫科の猛獣が飛びかかるような動きで昴の右へと飛び込んだ。
「もーらい!」
ぐん、と。
昴は身体が引っ張られるを感じた。獅百合が道着の裾を掴んでいる。不意のことに成すすべなく左足が浮き、右足で踏ん張る間もなく引きずられる。
まずい、と思った時には志桜里の腕が目の前にある。流石は師範代の妹、勝つための手は選ばない。
しかし昴とて被虐心を満たすのは良いが――、
「武人として、肉盾と果てるは御免こうむる!」
手首のスナップと鉄剣そのものの重さだけを利用した、最小限の斬り下ろし。
迫る腕を叩き落とすと、志桜里はむしろ喜ぶように笑みを浮かべた。
「最小限の動きで……! やるわね昴!」
昴はそこから跳ね上げるように斬り上げ、そして突く。志桜里が距離を取った。
直後、背中に拳が打ち込まれる感覚。獅百合の拳が、背中にめり込んでいる。
一。肺の中の空気が強制的に吐き出され、一瞬頭が真っ白になる。
二。昴は笑う。痛打を受け、追い詰められ、わずかなりとて充足された被虐心が頭を冴えさせる。
足を打ち下ろす。狙いは獅百合の足の甲。この状況から狙える、数少ない人体の急所である。
「――いっ!」
拳がわずかに離れる。
再び放たれる寸前、捻るように重心を落として獅百合を振り払った。その勢いのまま右へと逃げる。
結果として志桜里と入れ替わるような格好になったのは、まったくの偶然だった。
本来なら昴の背中を襲うはずの拳が、志桜里に向かって繰り出される。互いの拳がかち合い、互いのろっこんが発動。
同時に一寸へと縮小された二人を見下ろし、「取った」とばかりに昴が鉄剣を、
「独り勝ちは許さないよ」
同じ縮尺だからだろう、獅百合の声ははっきりと志桜里の耳に届いた。
獅百合の『ウチデノコブシ』が解除され、志桜里の身体が元に戻る。地摺りに薙ぎ払う昴の一閃が鈍り、すかさず肉薄。
斬り上げに切り替えた鉄剣が右腕を捉えた。構うことなく拳を、
「把ッ!」
昴が志桜里の腕を圧切った。刃がない以上、実際として切れるわけではない。しかし瞬発的な衝撃や痛みは、確かに斬られたかと錯覚するほど。
鉄剣を取り落して下がる志桜里に、昴が返す刀で逆袈裟。剣先が掠めるように上体を逸し、
ろっこんを解除する。
「何!?」
「師範代の妹なめんなっ!」
元に戻った獅百合が、その勢いのままに昴の顎に一発拳を打ち込む。口内を切ったか、軽く血が飛び散った。
よろめき後ずさる昴の背後に、志桜里がまわりこむ。
牙を剥いて笑うその口元からこぼれたのは、門下生への賛辞と炎のような熱い吐息だった。
「さっきの圧切り、いい一撃だったわ……!」
であればこそ、「凌げば勝てる」盤面を捨ててまでろっこんを解除したのだから。
拳を打ち込み、『ウチデノコブシ』
縮んだ昴を踏み潰し、まず一人。その横面から、獅百合が打ち込む。
獅百合の打ち込みを、志桜里は大きく弧を描く動きで躱す。その軌道上には、先程取り落した鉄剣がある。
左腕で掴まれたソレが、獅百合の放った突きを弾く。
弾かれたその反動すら利用して、獅百合は踏み込んだ。正中線を正確に狙う拳は、しかし絡め取るように受け流される。更に間合いを詰めようとした獅百合の足の甲に激痛が走り、動きが鈍った。
志桜里が踏み込んだ。獅百合の足ごと床を砕かんばかりの、震脚にも似た爆発的な踏み込み。
その瞬間、獅百合は後ろ手に鉄剣を振り上げた。
そして頭上へと投げ上げる。
「な」
志桜里の思考に、その動きに、一緒になって放り投げられたかのように、一瞬の空白が生じた。
獅百合が頭を打ち下ろし、道場に鈍い音が響く。割れた額から互いに血を飛び散らせながら。志桜里が空足を踏んだ。
直後、獅百合は渾身の力で志桜里に組み付き押し倒す。そのままマウントポジションから喉を押さえ、みぞおちに拳を一発。
三秒。
『ウチデノコブシ』が発動し、それが決着の合図となった。
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シナリオガイド公開日
2021年12月28日
参加申し込みの期限
2022年01月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年01月04日 11時00分
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