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あやかし大集会! ~花緑青駅で会いましょう~
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ねこでんの窓から見える空と海は蒼い紫陽花の色。
心地よく揺れる列車の席に並んで座り、
佐和崎 紗月
と
初瀬川 理緒
は窓の外の海を眺める。
「いいお天気ね、理緒ちゃん」
「暑くなるのかな」
今日の大学の授業は二限目から。本土にある大学のキャンパスへ、ラッシュ時を避けて向かえるのはありがたい。平日の空いた列車に肩を並べながら、紗月は柔らかなまなざしを傍らの理緒へと向ける。
(一緒だね、理緒ちゃん)
ふたりで大学に行ける、ただそれだけのことがとても嬉しかった。
昼前ののどかな海に架かる寝子島大橋に列車が差し掛かった、そのとき。
青い海が消えた。青い空が消えた。
「え?」
ぎくりと身を固くする理緒の視界の中、紙芝居のように景色がさっと入れ替わる。窓の外を占めるのは、一面の星空。
「っ……?!」
傍らの紗月が恐怖に顔を強張らせてしがみついてくる。
隣に紗月がいることに僅かな安堵を覚えつつ、理緒は紗月の手を握った。そうしながら車内を素早く見回す。
さっきまで扉のところに立っていた男子大学生も、優先席に座っていたお婆さんも、みんな居ない。木板が張られ緋色の座席が並ぶ古びた一両編成列車に乗っているのは、理緒と紗月と、それから半分透けた身体のナニカたち。ひとの姿のようにもそうでないナニカにも見えるあやかしたち。
漏れそうになる悲鳴を噛み殺し、窓の外を見遣る。ついさっきまでは本土に渡るねこでんに乗っていた。少なくともそのつもりだった。
「理緒ちゃん」
「……大丈夫だよ、紗月」
異変に怯える紗月を優しく抱きしめ、理緒は窓の外をうかがう。
不穏に瞬く星々の夜空を、あやかしたちを乗せた列車が音もなく走っている。目を凝らせば、夜空には他の列車や汽車も走っていた。半透明の線路を空中に浮かび上がらせ、周りに人魂じみた蒼白い焔をまとわりつかせて走る、古い列車のおばけたち──
やがて下降しはじめた列車の窓に見え始めたのは、ほの暗い色した海らしいナニカに浮かぶ島。寝子島のかたちに似ているようにもそうでないようにも見える島には、けれどあちらには無数の鳥居、こちらには不可解な濃霧に隠れた箇所にと、見慣れぬ場所がたくさんある。
次は終点、と車内アナウンスがおどろおどろしい声で告げる。小さく震える紗月の肩を抱きしめたまま、理緒は努めて冷静にその声に耳を傾けた。そうして、今自分たちが乗っているのが花緑青駅魔行列車というものであることを確認する。
(ねこでんじゃない)
窓の外に見えたのは、レトロな石造の建物と、その周りを囲む案外現代的なホテルやカフェの建物。
半透明の線路が時計台のある駅舎の屋根の上に伸びて途切れる。列車が滑るように駅舎の屋根に停まれば、蒼白く光るホームがどこからか現れた。
終着駅を知らせるアナウンスに追い立てられる格好でホームに降りる。切符を拝見、と近づいてきた顔のない駅員は、けれどふたりの姿を見止めると小さく会釈して改札口を開けてくれた。
「あの、ここは……?」
ぽつりぽつりと外灯があるくせどこか薄暗く薄気味悪い雰囲気のホームを恐る恐る進みながら、紗月は小さな声で駅員に問う。
「霊界ですよ」
「……霊界って……」
帽子の下でニタリと笑う駅員の様子に、紗月は顔を青くする。
「まさか、私たち……死んじゃった?」
「行こう、紗月」
恐怖のあまり呆然としながらもますます強くしがみついてくる紗月の肩を抱き、理緒はホームよりも暗く見える改札口から外に出る。ひとのかたちをしていないナニカで溢れる構内を足早に過ぎて駅の外へと踏み出せば、そこにあったのはひともいないのに勝手に鳴り響く壊れたピアノに弦の切れたギター、目玉のついたテーブルに歩き回ってはケタケタ笑う椅子。椅子の上には一本足の唐傘お化け、テーブルの上には鈍色に光る得体の知れぬ飲み物に干からびたナニカ。
怯える紗月を庇いながら、理緒は慎重に周囲を観察し続ける。ひとならざる者たちが駅前広場で大騒ぎを繰り広げてはいるものの、彼らがこちらに襲い掛かって来る気配はない。むしろ、
「ひとだ」
「おまえ誘って来いよ」
「おまえこそ誘って来いよ」
好奇なのか好意なのか、興味深そうなまなざしを向けられている気配すらある。
どうしたものかと立ち尽くす足元が不意に翳った。星の光を覆うナニカを見仰いでみれば、上空には漆黒の船。舷側から覗くいくつもの真っ白な頭は、よくよく見ればもれなくどれもケタケタ笑うしゃれこうべ。
骸骨船員たちは駅前広場に向け、ポイポイと丸いナニカを放り捨てた。
「なっ……」
丸いそれが爆弾のようにも見えて、咄嗟に紗月の頭を胸に抱える理緒の頭上、ドカンドカンと色とりどりの花火が炸裂する。たまやーかぎやー、広場のあやかしたちがやんやの喝采を送る。
喝采に応じるようにいくつもいくつも、花火玉が空飛ぶ幽霊船から投げ捨てられた。宙に舞う花火玉に火をつけて回るは焔を纏って空を飛ぶ車輪。素敵よ輪入道さーん、と黄色い歓声をあげるのはテーブルや椅子の付喪神たち。
「……花火大会?」
「なのかな……?」
夜空を彩るいくつもの花火を見上げ、きょとんとする理緒と紗月のもと、
「あっ、手足のあるおねーさーん!」
「おねーさんたちー!」
蒼白い焔のまん丸な身体に花火の極彩色を映しこみながら、人魂たちがわやわやと降って来た。手伝って手伝ってと賑やかに頼み込まれ、ふたりは顔を見合わせる。
「なんだかよくわからないけれども……」
「うん、わからないけれど……」
理緒が呟き、紗月が頷く。けれどどうやらここはそんなに怖い場所でもなさそうだ。人魂たちは熱くも冷たくもない焔の身体で人懐っこくすり寄って来る蛍のよう、広場で飲み食いするあやかしたちはひたすら楽しくお祭り騒ぎが出来れば満足のよう。
「花火大会の手伝いなんてこういう時にしかできないよね!」
あっというまに警戒を解いて明るく笑う理緒につられ、紗月も少し身体の力を抜いた。理緒が笑っているのなら、きっと怖いことは起こらない。
「てつだってくれる?」
「うん、手伝うわ」
幼い声で訊ねてくる人魂に紗月が頷いた途端、わあわあと嬉しそうな声を上げて無数の人魂たちがふたりの足元へと集まった。わたあめのようにぎゅっと固まる人魂たちの上にそっと乗ると、ふたりの身体はふわふわふわりと宙に浮く。
「わ……!」
「きゃ……」
上空に浮かぶ漆黒の船へと向かいながら、ふたりは思わず楽しい笑い声をあげた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
1000人
参加キャラクター数
14人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年11月20日
参加申し込みの期限
2021年11月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年11月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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