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部活動のお時間です! ~文化部編~
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特別教室棟2階会議室。
そこでは演劇部が柔軟体操を行っていた。
演劇部員である
恵御納 夏朝
も、1年生用のジャージに着替えて体を伸ばしていた。
「しりとりしましょ、最初は林檎!」
どこからともなく先輩の声がする。見ると、前屈した状態で発声しているようだ。
「ご、胡麻!」
隣の部員が引き継ぐ。
「毬!」
着実に近づいてくる。
「り、理詰め!」
「めだか」
「からす!」
「砂時計」
「磯!」
そして夏朝の番になる。
「そ……ソマリ!」
「ソマリって何だっけ?」
柔軟を手伝ってくれていた先輩部員が夏朝に耳打ちする。
夏朝は先輩の手を握り輝いた瞳で先輩を見つめた。
「ソマリはアビシニアンの長毛種を繁殖させたものです! 黄金色に近い毛色に大きな耳が特徴です! 好奇心旺盛な反面、あまえたがりの子が多い可愛い子です!」
「……えっと、猫?」
「はい! 猫の種類です!」
そこまで一気に言い切りにっこりと笑うと、夏朝は前を向き息を吐き出しながら体を伸ばす。
「今日も頑張らなくちゃ」
一通り柔軟を終えると発声練習に移る。単に大きな声を出せばいいというものではなく腹式でという事を意識して。
「まずはゆっくり肺の中の空気をだしましょう」
先輩の指示に従って時間をかけて息を吐き出す。
ぎりぎりまで吐いたところで一度呼吸を止める。
次は鼻を使って息を吸うのだが、吸い込んだ時にお腹が膨れることを意識して。
そして吸い込んだ時と同じだけの時間をかけて口からゆっくりと空気を吐き出していく。
その動作を何度か繰り返したのち、今度は発声を加える。
「最初は50音から!」
息を吐き出す時に一緒に音を出す。室内には部員たちの「あーーー」や「うーー」といったうめき声に近い声が響き渡る。
夏朝も他に負けじと声を張るが、やはり2年3年と続けていた部員の声量には叶わない。
「……やっぱりもう少し筋トレとかした方が良いかな」
前回の演劇の授業を思い返し体力もつけなきゃな、と目標を決めた夏朝だった。
全体でのアップを終えると2年生3年生は台本を使った演技練習に移る。
夏朝を含む1年生は発声と滑舌の練習という事で一枚の紙を渡され廊下に立たされた。
「げろううり……?」
「ういろううり、ね」
書かれた文字をそのまま読んでみたら、すぐさま訂正が入る。その紙には外郎売りの文章が印刷されていた。
外郎売り、元は歌舞伎十八番のひとつで、曾我物の一幕を抜き出したものである。
発声や滑舌の練習になるほか、不思議なことに演じる人間によって全く別の外郎売りが仕上がるのだから面白い。
今回はこの外郎売りを使っての練習のようだ。
「でもただ読むだけじゃ面白くないし、なんか考えとくね!」
とりあえず30分は読み込みの時間! そう告げて先輩は会議室内に戻る。
取り残された1年生たちは、まずは漢字の読みを書き込むところから始まった。
「む、難しい」
「ていうか長い……」
口々に出るのは愚痴ばかりだが、誰も書き込みの手を止めようとはしない。
ようやく書きあがった原稿をぶつくさと読み込みながら、時々止まっては息継ぎや間を取る場所を書き込んでいく。
夏朝も同級生たちを見ながら同じように読んでいくのだが、どうにも後半に行くにつれて難易度があがる。
「京のな、なま鱈、奈良のなま学鰹、ちょと四、五貫目、お茶ちゃちょ、噛んじゃった……」
「演劇部なのだ!」
外郎売りの原稿とにらめっこしている夏朝の背後から元気のいい声が飛んできた。
振り向くとそこにはデジカメを構えた真央と、タルトとみゆきに両腕を握られた撫子が立っていた。
「真央ちゃん突撃写真部隊なう! なのだ! 写真を撮らせてほしいのだー!」
「あ、あの、私たちは見学、というか」
「美術部で……演劇部の絵を描かせていただくかもしれないので、ご挨拶を……」
撫子は困ったような笑顔で、みゆきはおどおどと頭を下げる。
「えっと、僕はまだ1年生なので、中に先輩がいますから」
「1年生諸君ー! 読み込みは終わったかね?」
「あ、先輩」
30分経ったのか室内からひょっこりと先輩が顔を覗かせた。
見学者の旨を伝えると快く了承した後、1年生たちににっこりと笑いかける。
「じゃあ、やろっか?」
壁際に1列に並んだ1年生たちを前に先輩はにこにこと笑顔のまま立っている。
真央とタルト、みゆき、撫子は邪魔にならない位置からその様子を伺っていた。
「端から順に外郎売りを演じてもらうからね! 読むんじゃなくて演じるだから間違えないように。
私が合図をしたら、隣の人の続きから演じはじめてね。噛んだりミスったりしたら、その人がもう一度頭から始めるように」
一通り演じ終えるまで延々とやるからね、と笑った先輩の笑顔が、1年生たちには悪魔の微笑みに見えたという。
「じゃあ行くよ!」
「拙者親方と申すは、お立ち会いの中に御存知のお方も御座りましょうが、
御江戸を発って二十里上方、相州小田原一色町をお過ぎなされて、青物町を登りへおいでなさるれば、
欄干橋虎屋藤衛門、只今は剃髪致して、円斎となのりまする。
元朝より大晦日までお手に入れまする此の薬は、昔ちんの国の唐人、外郎という人我が朝へ来たり。
帝へ参内の折からこの薬を深く籠め置き、用ゆる時は一粒ずつ、冠のすき間より取り出す。
依ってその名を帝より、とうちんこうと賜る。即ち文字には“頂き、透く、香い”と書いて“とうちんこう”と申す」
1人目は詰まることなく言い切り、ほっと一息をつく。
「おっけぃ、次!」
「只今はこの薬、殊の外世上に弘まり、方々に似看板を出し、いや小田原の、灰俵の、さん俵の、炭俵のと、色々に申せども、平仮名をもって「ういろう」と記せしは、親方円斎ばかり。
もしやお立ち会いの中に、熱海か塔ノ沢へ湯治にお出でなさるるか、又は伊勢参宮の折からは、必ず門違いなされまするな。
お登りならば右の方、お下りなれば左側、八方が八棟、表が三棟玉堂造り、破風には菊に桐のとうの御紋を御赦免あって、系図正しき薬でござる。
イヤ最前より家名の自慢ばかりを申しても、御存知ない方には、正身の胡椒の丸呑み、白河夜船、さらば一粒食べかけてその気見合いをお目にかけましょう。
先ずこの薬をかりょうに、噛んだー!」
「やり直し!」
容赦ない先輩の指示で間違えた部員はもう一度最初から言い直す。
なんとか言い切ったものの、その後が続かない。
やがて何とかみんなの舌が回りだし、夏朝の出番がやってきた。図らずも、最後の部分である。
これを失敗するともう一度最初からやり直し、ということである。
夏朝はぐっとおなかに力を込めるとまっすぐに原稿を見据えた。
「やいとを摺りむく三里ばかりか、藤沢、平塚、大磯がしや、小磯の宿を七つ起きして、早天早々相州小田原とうちん香、隠れござらぬ貴賤群衆の花のお江戸の花ういろう。
あれあの花を見てお心をおやわらぎやという。産子、這子に至るまでこの外郎のご評判、ご存じないとは申されまいまいつぶり、角出せ、棒出せ、ぼうぼうまゆに、臼、杵、すりばち、ばちばちぐわらぐわらぐわらと、
羽目をはずして今日お出でのいずれも様に、上げねばならぬ、売らねばならぬと息せい引っぱり、東方世界の薬の元締め、薬師如来も照覧あれと、ホホ敬って、ういろうは、いらっしゃりませぬか」
言い切り、ふっと息を吐く。
果たして「演じる」ことができたのだろうか?
夏朝は不安そうに先輩の表情を盗み見た。
「いやあ、思ったより早かったね!」
賛辞なのかどうなのか、先輩はぱたぱたと手を叩く。
「お疲れさん、外郎売りは覚えて損はないからこれからも練習しておくといいよ」
先輩の声に誰ともなく「ありがとうございました!」と頭を下げる。
まだまだ下積みだが、これがいつか功を奏すよう、願うばかりである。
「あ、あの……すごく滑らかで聞き易かったです」
会議室内に戻ろうとしていた夏朝を呼び止めたのは撫子。
おずおずといった様子で笑いかける。
「1年生なのに、すごいなって……私、今さらだけど何かしたいと思って、見学をさせてもらっているんですけど……」
「えっと、ありがとうございます。あの、僕も数か月前は君と同じような状況だったんだ。……もし、興味を持ってもらえたなら、嬉しいよ」
安心させるように撫子の手を取ると、夏朝はふわりと笑って会議室内に戻る。
「あの人が部活に入るきっかけになると、いいなぁ」
そんな風に呟きながら。
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担当ゲームマスター
時織椎
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
1000人
参加キャラクター数
48人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年10月15日
参加申し込みの期限
2013年10月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年10月22日 11時00分
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