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島山梅園梅日和。
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梅摘みに精を出す人々に、そろそろお昼にしましょう、と声をかけたのは杉子だった。両手に大きな鍋を持つ杉子の背後には、荷物持ちを頼まれた
七尾 蒼也
と
マリエッタ・ラシュリエ
が、それぞれ大皿やお重を持って立っている。
おー、と声を上げた晴久が、梅の木が少ない場所にビニールシートを敷いた。その上に並べられたメニューは梅干しおにぎりとぬか漬け、それから唐揚げとトマトの味噌汁が、大皿とお重、お椀にたっぷりで。
ぐるりと丸く座った人々に杉子が、「ご自由にたくさん食べてね」と言いながら取り皿と割りばしを配る。そうして皆で手を合わせ、思い思いに取り分けたそのお昼ご飯を、口にして
仙藤 紫
は思わず、ほぅ……と息を吐いた。
何てことのないメニューとも言えるそれはだが、どれもしみじみと身体に染みわたるように美味しい。そう言うと島山家の奥さんが、あら嬉しい、と糠漬けを頬張りながらにっこりした。
そうして話してくれた事には、汗をかく作業の時にはどの料理もちょっとずつ、濃いめの味付けにしてあるのだという。糠漬けも同様に、長持ちさせる為にも心持ち、塩を強めにしてあるのだとか。
その話を聞いていた
小山内 海
が、という事は、と皿にたっぷり盛られた糠漬けを見ながらタブレットに入力した。以前、花摘みのお手伝いで食べた時も、美味しいと思ったけれども。
『この漬物って自家製だったりするのかな?』
「そうなんです。他にもピクルスとか、お母さんが色々」
「売り物にならない野菜で作ってるのよ。あ、でも梅干しは去年のね。今年の仕込みは梅の出荷が終わってからやるのよ」
そんな海の疑問に、弥生と杉子が頷く。季節や野菜によって麹漬けだったりしょう油漬けだったり、色々と仕込んでは食卓にずらりと並べているらしい。
そうなんですね、と紫が感心したように頷いた。
「島山家の伝統だったり?」
「やだ、そんなたいそうな物じゃないのよ。余ってる野菜、ウチでも食べない分は畑に混ぜるだけだしね。――あ、蒼ちゃんお代わりいる?」
「あ、はい! お願いします!」
話している杉子に不意に声をかけられて、
仙藤 蒼
は空になったお椀をさっと差し出す。実はトマトが好きなのもあって、味噌汁をあっという間に飲み干してしまったのだ。
そんな蒼のお椀に並々と味噌汁をよそって渡しながら、他にお代わりいる人ー? と杉子が声を上げる。それに何人かが手を挙げるのを見ながら、蒼は2杯目の味噌汁に嬉しそうに口をつけた。
仕事中はちゃんと梅の実拾いに集中していたものの、お昼休みになった途端に空腹を覚えた蒼である。そんなすきっ腹にはトマトの味噌汁はもちろん、おにぎりも漬物も唐揚げも、自分でも驚くほどに美味しく染み渡り、食べる手が止まらない。
「とてもおいしいです」
だから心からそう言った、蒼の言葉に海も、
七尾 蒼也
も大きく頷く。そうして皆、思い思いにお腹を満たしながら食事を終えると、作業再開までのひと時をおしゃべりしたり、あるいはこのお昼休憩でしっかり休んでおこうと少し離れた所で目を閉じたり、横になったり――
そんな中で蒼也もまた、食事を終えると1度、大きく伸びをした。それから少し様子を窺って、弥生の近くに腰を下ろして。
「おつかれさま」と声をかけると、きょと、とした顔が蒼也へと向けられ、お疲れ様です、と一拍置いて返って来た。その、しっかりと合う事のない双眸を何とはなしに見つめながら、蒼也は考え考え、言葉を続ける。
「4月にも来た七尾だけど、覚えてるかな?」
「えぇと……」
「その、盲導犬の話をした」
「あ!」
最初はきょとんとしたままだった弥生は、だが蒼也の続く言葉を聞いてすぐ思い出してくれたようだった。それにほっと胸を撫で下ろし、実はあのあと犬を飼い始めたんだ、と話して聞かせる。
幸いにもあれから蒼也は、動物に自分の言葉を理解させるろっこんに目覚めて、それに助けられながら休みの日などに少しずつ盲導犬にするための訓練を始めた。もちろん、恐らく普通に訓練するよりもずっと意思の疎通がしやすいとはいえ、すぐに盲導犬にするのは無理なのは判っているけれど――
(――弥生ちゃんもろっこんに目覚めて、目が見えるようになればいいのに……だがそう都合よくはいかないか)
ふと脳裏に浮かんだ考えを、だが蒼也はすぐに打ち消した。もちろん、本当にそうなればきっと弥生にとっても、皆にとっても良い事なのだろうけれど――ろっこんという不可思議なものが、そうそう人に都合良くばかり働いてくれるとも限らない。
だからすぐにその考えを忘れて蒼也は、ろっこんの事を省いた話をし。さらに弥生に写真を見せようとスマホを出し、飼い犬プリズムの画像を表示して――はた、と動きを止めた。
(だから弥生ちゃんは目が見えないんだって……!)
それはちゃんと解っているのに、無意識の習慣とは恐ろしい。ならば、と画像を見つめてできるだけ言葉で説明しようとしてみるが、どんな言葉ならうまく伝わるのか、ともどかしくて。
うーん、と考え込みながら、蒼也はゆっくりと言葉を選んで、紡ぐ。
「プリズムって名前は、虹からつけた。……虹ってわかるかな? 光が屈折することで、七色に見えるんだ」
「はい、わかります。――見た時の事は、あまり覚えてないんですけど」
蒼也の言葉に弥生は、どこか寂しそうな表情でそう答える。虹はそう簡単に見られるものでもないし――弥生の目が世界を映していたのはもう、随分と昔の事だ。
事故以前には当たり前すぎて気にも留めなかった光景や、また今度ゆっくり見ようとそのままになっていた物事が、彼女には幾つもあった。それを数え上げる事も、とうに止めてしまった。
ゆえに弥生は記憶の中にある犬の姿を思い浮かべて、蒼也の言葉からまだ見ぬ、そして今後も見ることはないプリズムの姿を想像する。想像して、いつか会ってみたいです、とにっこりする。
そんな弥生の言葉に、うん、と蒼也は小さく、力強く頷いた。今日はバイトだから無理だが、今度来るときは連れてこよう――そう、胸に誓って。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年09月15日
参加申し込みの期限
2021年09月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年09月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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