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眠れない夜に〈夏〉
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新緑の湖を泳ぐ白鳥。
夕日の色を写し取る水面と黄昏の森。
闇に浮かび上がる星々と、煌めく水面。
「夜の三夜湖だよね」
教室の机に広げた写真を興味深そうなまなざしで丁寧に見つめてから、
七夜 あおい
は口元を和らげた。恋心を告げたこともある女の子に、
八神 修
は頷いて返す。
「見せてくれてありがとう」
如何にも行ってみたそうな少女の様子に、修はまとめた写真を受け取りながら思案する。夜の山に二人で行くなんて、それはちょっと憚られる。
(恋人になってからなら、良いけど……)
そこまで考えたところで、知らず頬が赤くなっていることに思い至った。てのひらで頬を擦り、二人きりの夜の山の代案を口にする。
「蛍を見に行かないか」
この時期であれば、猫又川で蛍が見られるはず。それになにより、
(人里だ)
ふたりきりで夜の山に入るよりはよほどいい。
快諾してくれたあおいの笑顔を思い出しつつデジタルカメラの用意をして宵を待ち、時間よりも早く待ち合わせた橋の上に向かえば、
「修君!」
外灯にスポットライトのように照らし出されて、大好きな女の子が手を振ってくれていた。思わず駆け寄る。
「楽しみで早く来ちゃった」
悪戯っぽく笑うあおいの笑顔に胸をどきどきさせながら、なんでもない風を装って歩き始める。橋から堤防道路を辿り、階段を見つけて川縁に降りる。
涼やかな川の流れを傍らに、ふたりでゆっくりと歩く。それだけのことが、修には何物にも代えがたい愛しい時間に思えた。
夕方の光が夜に溶ける頃、ゆらりゆらり、草むらにいくつもの金色の光が灯り始める。半月の光を映す水面に光の線を描き、明滅しながら蛍が舞う。
「どこから来てるのかな」
「追いかけよう」
見つけた途端に胸を嬉しく弾ませてくれる蛍を追い、砂利を踏んで川上を目指す。光を追いかけながら、修は隣の女の子の横顔に知らず見惚れる。頼りない月明かりと揺らめく蛍の光に照らし出される少女の横顔は、とんでもなく可愛くて綺麗だ。
かぐや姫との類似が見られる異国の物語に『蛍姫』の名があること。
熱を加えると光を放ち、時に砕け散ることもある蛍石のこと。
蛍に関わる話題を口にしながら、耳を傾けてくれるあおいの様子に嬉しくなりながら、蛍の光に誘われるままに川を遡る。
「あおい」
「ん?」
蛍たちが踊る川面を背に振り返るあおいに向けて、カメラのシャッターを切る。蛍の景色はもちろん心を捉えるけれど、
(俺の心をどうしようもなく捉えるのは、──)
「修君」
「ん?」
蛍を無心に追うあおいがふと指し示したのは、半月の闇の一点。宙に舞う蛍たちがナニカに誘われるように川辺のひとところに集まっている。目を凝らせば、蛍たちに慰められて、着物姿の小さな女の子が蹲っていた。
「大変!」
躊躇なく駆け寄るあおいを心強く思いつつ、修も少女のもとへと急ぐ。
「どうした、迷子か?」
小さな背中を擦って宥め、優しく問えば、少女は嗚咽の合間に頷いた。帰り路が分からない、波の音も聞こえない。小さく呟いては泣きじゃくる少女の小さな身体をあおいが抱きしめる。
(波の音……)
川はだいぶ遡ってきた。浜は遠く、小さな少女が歩いて行ける距離とも思えない。
蛍が少女の周りをゆらゆらと心配げに飛び回る。少女の見た目からしても、最近の寝子島の状況から鑑みても、少女はあやかしであり、霊界の住人であるのだろう。
(霊界との結節点を探さなくては)
冷静に素早く決断を下し、修は努めて明るく笑って見せた。
「大丈夫、一緒に探そう」
俯くばかりの少女と手を繋ぐ。いいかな、と隣を見れば、あおいは大きく頷きながら少女の反対の手を繋いだ。
「きっと見つかる」
「うん、大丈夫だからね」
左右から励まされて歩き出した少女は、幾許か歩いた後に足が痛いとまた俯いた。ごめんなさいと詫びる少女の頭を撫でて、修は少女を背負う。
「疲れたら代わるから!」
任せて、と胸を叩くあおいに思わず笑って、ついでに元気も貰って、蛍たちと共に川を下ること数時間。
背中に少女が眠り、蛍たちがいつのまにか姿を消す頃。月がずいぶんと傾き、川幅が広がり、波の音が耳に届く頃。
「おや」
波音を背負うように、河口から作務衣姿の老人が現れた。
「苦労をかけた」
修とあおいにお辞儀をし、修が背に負った少女を両腕に受け取る。あなたは、と問うあおいに、空色の瞳を細めて笑う。
「知り合いの子だよ。この子は私が責任を以て送り届けよう」
月明かりに伸びる老人の影に、猫のような耳と二又に分かれた尻尾が生えているのを見、修は小さく笑う。確かに、老翁は少女と同郷の者らしい。
ひらりと手を振る老翁の姿がふわりと闇に溶けて、不思議そうに瞬くばかりのあおいに、修はありがとうと告げて笑った。
「どうして?」
「一緒にあの子の帰るところを探してくれた」
笑うあおいが眩しくて、修は半月を仰ぐ。ゆらり、幻のような蛍が月を過った。
「不思議な夜だ。けれど良かった……蛍もそう言ってる」
「……意外とロマンチストなのね」
「理論や知識で生きてるような俺だけど、ロマンを否定はしていないんだ」
だからだろうと思う。こんなに心が暖かい。
月と蛍の光の下、修は誰より愛しいひとへふわりと笑う。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年09月09日
参加申し込みの期限
2021年09月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年09月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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