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●
鬼河内 萌
、十七歳。
容赦なき現実にうちのめされたこともあった。人知れず涙をこらえたこともあった。胸をしめつけられ切なさ乱れ打ちの感に悶えた夜もあった……と、思う。
ときとして、というかしばしば現実は厳しいものだが、そんな日々を乗り越えるにあたって萌が体得した真理がひとつある。
カレーは裏切らない。
これが真理だ。
カレーは裏切らない
。
強調符とともにもう一度書いておきたい。
悲しい夕餉にもつらい朝食にも、孤独なランチタイムにもいつも、カレーは萌のそばにいてくれた。萌を励まし背中をそっと押してくれたのである。思いつくままの駄法螺話ではない。幸福感を高める脳内ホルモン『セロトニン』分泌に、カレーライスは大いに効果的だという研究結果もあるのだ。
だから今日も萌はカレーと一緒にいる。
さらに
野菜原 ユウ
も一緒にいる。
これ以上なにが望めようか。
「本日のまかないは、茄子とオクラのベジタブルカレーだよっ♪ カボチャの素揚げつきで見た目もデリーシャス☆」
とっておきの笑顔とともに、萌はまかないのカレーをカウンターに置いた。色は濃厚香りは芳醇、コクと旨味たっぷりの自信作だ。アイスチャイのグラスもならべる。
「サンキュな。遠慮なくいただくぜ」
にししっ、と笑ってユウは銀のスプーンを手にした。
「やっぱまかないつきバイトってサイコー」
ユウはホクホク顔だ。甘辛いテイストに舌鼓をうっている。
「おいしい?」
「トーゼンだ! また腕をあげたな鬼河内」
へへへ、と照れ笑いしつつ萌はエプロンを外した。
店内のお客さんはゼロとなった。昼オンリーの店なのでそろそろ営業は終了である。ピーク時は眼球がローリングサンダーするくらい忙しかったが、それでもなんとか乗り切った。もちろん疲れはあるけれど、充実感のほうがずっと大きい。
流れるは音楽は軽妙なインド映画のサントラ、ただようは食欲を刺激するスパイスの香り、ここはカレーショップ『ザ・グレート・タージ・マハル』、萌とユウのバイト先だ。ゴールデンウィークも残りわずか、本日もランチタイムは順番待ちができるくらい多忙をきわめた。でも萌とユウはふたりだけで店を切り盛りし、アーナンド店長にはお休みしてもらったのである。かつてアーナンドは過労で倒れたこともある。働きづめはよくない。本日店長は子どもたちとすごすらしい。
「じゃ、ボクもいただくとしようかな♪」
自分のカレーもよそって、萌はユウの隣に座った。
「そういやユウくん聞いた? ハローニャックの事件」
「おう、ローカルニュースでちょっとやってたな」
カボチャの素揚げをパリパリとユウはかじる。
「夜中の店内で大怪獣ゴングみたいなのが暴れたってんだろ? まあゴングほどでかくはなかったろーけど」
「うん。でも被害はほとんどなかったって。営業も続行みたいだし良かったよねえ」
「まったくだ。ハローニャックがなくなったら困る」
「だよね、いいおもちゃ屋さんだもんね☆」
うまくハローニャックの話題にもっていけた。
萌はさりげなく、ごくさりげなくつづける。
「ハローニャック、ボクは一回しか行ったことないけど……ユウくんは何回か行ったことあるんだっけ」
「いや? 何回もないぜ。二回だけな」
ここからが本番だね。……MMR出動だよ☆
口には出さねど、萌は臨戦態勢に入る。
萌はナチュラルな声色になるよう気をつけつつも、柳刃包丁を魚に入れるような心境で問いかけた。
「だったよね。……で、そのときユウくんは誰と行ったんだっけー?」
「ああ、中学んときのダチ」
中学時代の友達ときたか! ノーマークだったYO!
「そーなんだー。その友達って女の子、だったよねー」
どうしても語尾にビブラートがかかってしまう。
「おう」
くー!
ユウの同行者はお姉ちゃんか妹か、従兄妹か姪っ子あたりを萌は想像していたのである。まさかの三佐倉千絵という大穴予想もあるにはあった。しかし寝子高生ですらなく、ユウの中学時代の関係者とは思ってもみなかった。
せっかくの極旨カレーなのに、萌はあまり味を感じていない。月の引力が狂い急激な干潮がはじまったかのように、血の気がひきつつあったからだ。
萌のなかで発生している大旋風に気づく様子もなくユウは言う。
「
蒲田
(かまた)っていうやつな」
かーまーたー!
萌の頭に名がきざみこまれた。
「変なヤツなんだけどなー」
マージーカー!
ユウの場合『変なヤツ』は、けっしてけなし言葉でないことを萌は知っている。むしろほめ言葉だ。
こんの浮気者ぉ! と叫んでユウにとびかかりたい衝動に一瞬だけ萌は襲われたが、浮気も何も自分はユウの公式パートナーではないし、そもそもユウの交友関係を邪魔だてする権利はないと思ってこらえた。
かわりに、全力の作り笑いで言う。
「い、いつかその蒲田さんのこと、ボクにも紹介してほしいな」
「ああ、いつかな。でも蒲田、ずっと入院してっからなかなかなあ……」
ユウの表情が少し翳(かげ)った。
入院? 病気なのだろうか。それとも怪我でもしているのか。しかし根掘り葉掘り聞いて警戒されても困る。名残はつきないものの萌は、カレーをかきこんでダバダバとセロトニンの分泌をうながし、話題をスイッチすることにした。
「そういえばボク、ユウくんの家族について何も知らないなあ」
「どした急に?」
「知ってると思うけどボクのカレー好きって、けっこうお兄ちゃんに影響されてるなぁ、とふと考えてさ」
「おおー、鬼河内センパイな、いま大学生だっけ?」
「そうそう木天蓼大、いまだにバンカラやってるよ」
「バンカラか……さぞやおっかねーことだろなぁ……あ、いまの発言キャンセルな!」
ユウの口調があきらかに急ぎ足となった。あらゆる意味でインパクト絶大な萌の兄の威光であろうか。
「大丈夫だよ告げ口したりしないよー」
「たのもしいお人だとは思ってるぜマジでマジで」
それで俺の家族構成だっけ? とユウは言う。
「父親はいねぇ。かーちゃんは本土で介護の仕事やってる。姉ちゃんがいるけどもう何年も会ってねーな」
「そうなんだ? お姉さんは外国にいるとか」
「いんにゃ、たぶん国内。両親が離婚したとき、ねーちゃんは親父についてったからな。たしかもう就職してんじゃなかったかな」
もしかして、といくらか言い淀んでから萌は言った。
「あんまり聞かれたい話じゃなかった?」
「別に。いまどきめずらしー話でもねーだろ。もともと俺、ねーちゃんとはあんま会話なかったからなあ」
「お母さんとは仲いいの?」
「わりとな。変なかーちゃんだけどな」
にししっとユウは笑った。
あ、またユウくん、『変な』をほめ言葉で使ってる。
「じつは近いうちに一度、寝子島にかーちゃんが来るんだ。まー、この歳でかーちゃんに会うのが楽しみだなんてこたぁないけどなぁ」
とは言うも口ぶりからして、まるっきり嘘のつけないユウなのだった。
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担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年09月04日
参加申し込みの期限
2021年09月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年09月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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