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- 種族
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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
白い本は誰が為に
【私の王子様】
「あら？ あらら？」
レティシア・ル・テリエが目を覚ました時、そこは一面の花畑だった。
周りは森、そして森の奥にはおとぎ話にでてくるようなお城が見えた。
「私、図書館で本を探していて……いつの間に眠ってしまったのかしら。これは、夢？」
なんとなく白い本をみつけたような記憶はあるが、はっきりしない。
きょろきょろあたりを見渡し、とりあえずここが寝子島ではないことを把握するとレティシアはこてんと首を傾げる。
そして顎に指を当てた可愛らしい仕草でしばし考えこんだ後、パンと両手を叩く。
「良く解らないですけど、夢だとしたらなんて素敵な夢なんでしょう！」
まるでこの花畑の陽気のようなほわほわの笑顔を浮かべ、レティシアは喜んだ。
夢見る乙女はとても前向きである。
「もしかしたら王子様もいらっしゃるのでしょうか」
白馬に乗った王子様が迎えに来る。
それは夢見る乙女にとって最高に憧れるシチュエーションだ。
白い頬をほんのり桜色に染め、風に吹かれる赤みがかった金色の髪をおさえながら立ちあがると丁度後ろの方から馬の蹄の音が聞こえてきた。
「まさか本当に？」
期待に胸を躍らせ後ろを振り向く。
そこには本当に白馬にまたがった王子がいた。
王子らしい装いに、すらりとした長身、輝く金髪……しかし顔だけが良く解らない。
（何故お顔だけぼんやりと靄がかかっているのでしょう？）
そんな疑問を胸に抱いた時、王子の体がずるりと馬の上から滑り落ちた。
「まぁ、大変……！」
慌てて駆け寄ると、王子は傷を負っていた。
顔がぼやけているせいで表情は読み取れないが、傷が痛むのであろうことは容易に想像ついた。
「今治しますから！」
王子の手をとって握ると、強く念じる。するとろっこんが発動し、王子の傷は消えていった。
ほっと安堵の息を吐いたレティシアだったが、不意に両の手を包み込むように握りしめられドキッとする。
「ありがとう。助かったよ、お嬢さん」
顔はぼやけているが、声は鮮明だった。
「是非とも礼がしたい。良ければ一緒に城に来てくれないだろうか？」
突然の誘いにレティシアの大きな目が見開かれる。
「えっと、はい……喜んで」
王子と言えども知らない男の人に易々とついていくことに全く抵抗がなかったわけではないレティシアだが、夢の世界だし割り切って快く王子の誘いを了承することにした。
「まるでお姫様になったみたいです」
王子にエスコートされ城に招かれたレティシアはまずメイドらに預けられた。
何事かと思えばこれからの食事会にふさわしい格好に着替えて欲しいということらしかった。
そこでレティシアに用意されたのは日だまりを連想させる淡いオレンジのふんわりしたドレス。更に髪も結い上げてドレスと揃いのオレンジの薔薇を飾られた。足元も華奢なヒールの美しい靴に、首元にはパールで出来たネックレス。
王子様にふさわしい可愛らしいお姫様の完成である。
その仕上がりに鏡の前で一回転したレティシアも満足そうに笑い、王子の待つ食事の席へと向かった。
「よく似合ってるよ、レティシア。元の服もとても愛らしかったけれど、今の君はより輝いて見える」
「ありがとうございます」
王子の賛辞の言葉にレティシアははにかみながら礼を述べた。
食事の席でも相変わらず王子の顔は見えない。
しかしの声色や声の調子からかなりご機嫌が良いことはうかがい知ることができた。
周りをたくさんの召使に囲まれ、贅沢なもてなしをこれでもかと受ければ流石に緊張するが、夢のような時間には変わりない。
王子はあからさまにレティシアを口説いてくるようなことは無かった。
しかしレティシアを気遣い、楽しませようとしてくれていることはちゃんと伝わっていた。
お陰でこの夢の様な時間を楽しく過ごすことが出来た。
そして食事会もお開き、という頃合い。
不意に席を立った王子がレティシアの前に跪いた。
「え？」
事態がよく飲み込めず驚くレティシアの手をとり、王子は微笑んだ。
顔がぼやけて見えない為本当に笑っていたかは良く解らないのだが、レティシアにはそう見えた。
「今日はもうお別れだけど。いつかきっと君を迎えに行くから」
待っててね、という囁きと共に手の甲に口づけを落とされた瞬間。
それが甘い夢物語の終焉だった。
「あ……」
そこはもうお城の中ではなく、何の変哲もない図書館の中。
（私、本当に夢を見ていたんでしょうか。でも……）
手の甲には、王子の口づけの感触がまだしっかり残っている。
「……いつか、また。お会いしたいです」
「あら？ あらら？」
レティシア・ル・テリエが目を覚ました時、そこは一面の花畑だった。
周りは森、そして森の奥にはおとぎ話にでてくるようなお城が見えた。
「私、図書館で本を探していて……いつの間に眠ってしまったのかしら。これは、夢？」
なんとなく白い本をみつけたような記憶はあるが、はっきりしない。
きょろきょろあたりを見渡し、とりあえずここが寝子島ではないことを把握するとレティシアはこてんと首を傾げる。
そして顎に指を当てた可愛らしい仕草でしばし考えこんだ後、パンと両手を叩く。
「良く解らないですけど、夢だとしたらなんて素敵な夢なんでしょう！」
まるでこの花畑の陽気のようなほわほわの笑顔を浮かべ、レティシアは喜んだ。
夢見る乙女はとても前向きである。
「もしかしたら王子様もいらっしゃるのでしょうか」
白馬に乗った王子様が迎えに来る。
それは夢見る乙女にとって最高に憧れるシチュエーションだ。
白い頬をほんのり桜色に染め、風に吹かれる赤みがかった金色の髪をおさえながら立ちあがると丁度後ろの方から馬の蹄の音が聞こえてきた。
「まさか本当に？」
期待に胸を躍らせ後ろを振り向く。
そこには本当に白馬にまたがった王子がいた。
王子らしい装いに、すらりとした長身、輝く金髪……しかし顔だけが良く解らない。
（何故お顔だけぼんやりと靄がかかっているのでしょう？）
そんな疑問を胸に抱いた時、王子の体がずるりと馬の上から滑り落ちた。
「まぁ、大変……！」
慌てて駆け寄ると、王子は傷を負っていた。
顔がぼやけているせいで表情は読み取れないが、傷が痛むのであろうことは容易に想像ついた。
「今治しますから！」
王子の手をとって握ると、強く念じる。するとろっこんが発動し、王子の傷は消えていった。
ほっと安堵の息を吐いたレティシアだったが、不意に両の手を包み込むように握りしめられドキッとする。
「ありがとう。助かったよ、お嬢さん」
顔はぼやけているが、声は鮮明だった。
「是非とも礼がしたい。良ければ一緒に城に来てくれないだろうか？」
突然の誘いにレティシアの大きな目が見開かれる。
「えっと、はい……喜んで」
王子と言えども知らない男の人に易々とついていくことに全く抵抗がなかったわけではないレティシアだが、夢の世界だし割り切って快く王子の誘いを了承することにした。
「まるでお姫様になったみたいです」
王子にエスコートされ城に招かれたレティシアはまずメイドらに預けられた。
何事かと思えばこれからの食事会にふさわしい格好に着替えて欲しいということらしかった。
そこでレティシアに用意されたのは日だまりを連想させる淡いオレンジのふんわりしたドレス。更に髪も結い上げてドレスと揃いのオレンジの薔薇を飾られた。足元も華奢なヒールの美しい靴に、首元にはパールで出来たネックレス。
王子様にふさわしい可愛らしいお姫様の完成である。
その仕上がりに鏡の前で一回転したレティシアも満足そうに笑い、王子の待つ食事の席へと向かった。
「よく似合ってるよ、レティシア。元の服もとても愛らしかったけれど、今の君はより輝いて見える」
「ありがとうございます」
王子の賛辞の言葉にレティシアははにかみながら礼を述べた。
食事の席でも相変わらず王子の顔は見えない。
しかしの声色や声の調子からかなりご機嫌が良いことはうかがい知ることができた。
周りをたくさんの召使に囲まれ、贅沢なもてなしをこれでもかと受ければ流石に緊張するが、夢のような時間には変わりない。
王子はあからさまにレティシアを口説いてくるようなことは無かった。
しかしレティシアを気遣い、楽しませようとしてくれていることはちゃんと伝わっていた。
お陰でこの夢の様な時間を楽しく過ごすことが出来た。
そして食事会もお開き、という頃合い。
不意に席を立った王子がレティシアの前に跪いた。
「え？」
事態がよく飲み込めず驚くレティシアの手をとり、王子は微笑んだ。
顔がぼやけて見えない為本当に笑っていたかは良く解らないのだが、レティシアにはそう見えた。
「今日はもうお別れだけど。いつかきっと君を迎えに行くから」
待っててね、という囁きと共に手の甲に口づけを落とされた瞬間。
それが甘い夢物語の終焉だった。
「あ……」
そこはもうお城の中ではなく、何の変哲もない図書館の中。
（私、本当に夢を見ていたんでしょうか。でも……）
手の甲には、王子の口づけの感触がまだしっかり残っている。
「……いつか、また。お会いしたいです」
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2013年10月11日
- 参加申し込みの期限
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- 2013年10月18日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2013年10月18日 11時00分
