this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
白い本は誰が為に
<< もどる
1
…
6
7
8
9
10
【色彩の魔法使い】
「あー……」
旅鴉 月詠
はなんとなくだが解っていた。
今、自分が本の中にいると。
大方神魂絡みに違いないと。
『オチがつけば出られます』
どこからともなく妖精さんの声が聞こえた、気がした。
「白紙故にその世界は無限、か」
見渡す限り白と黒。
無彩色の殺風景な世界が広がっている。
月詠はこの世界を知っている。
この世界は、彼女がいつか見た世界で、いつか描いた世界。
「私の物語を期待しているのか……」
この本は、この世界は自分の、旅鴉月詠という人間が紡ぎだす物語を期待している。
月詠は直感的にそう感じた。
でも落ちついて考えても、正直自分が主人公の物語は思いつかない。
「ならばこういうのはどうだろう」
月詠の手にはペンと筆、それに絵具の乗ったパレット。
無彩色の世界というキャンバスに、月詠はペンを走らせた。
「主役は、君達だ」
大樹をくりぬいたような家、そしてその中に描かれたのは少年少女。
彼らは不思議そうな顔でお互いの顔を見合わせ、きょろきょろとあたりを見渡している。
傍らに立つ月詠の姿は見えていないようだった。
少年少女は他の世界からこの世界に放り込まれたという設定で命を吹き込まれた存在。
そして彼らに命を吹き込んだ月詠は彼らにこの世界の『理』を吹き込んだ。
「この世界は弱り切っていて、このままでは本当に真っ白な何もない世界になってしまう。救う方法はただ一つ。君達がこの世界に描画彩色すること。さぁ、旅立つんだ」
月詠の声は光となって彼らの上に降り注ぐ。
少年少女らは戸惑いながらも家の外に踏み出す。
月詠は彼らの為に舞台を整えていく。
無彩色の世界で細々と暮らす人間たちが住む街、硝子の植物が繁茂する白い森、影の魔物が巣食う黒い谷……。
『理』を説かれても、どうしたものか悩み立ち止まる少年少女ら。
そんな彼らの前に、月詠はこの世界の住人の体を借りて姿を現すことにした。
月詠が描いた、この世界での自分は『黒い翼を持った謎の行商人』。
バサバサと黒い羽根を散らして彼らの前に舞い降りたもう一人の『月詠』は、持っていたスケッチブックの中からペンの描かれたページを開くと、それをびりびりと少年少女の前で破いてみせた。
すると唖然とした彼らの手に、スケッチブックに描かれていたペンが現れる。
『君達に道具をあげよう。特別にタダで』
この世界の『月詠』が少年少女に語りかける。
『そのペンは君達のイメージする力が強くなるほど力を発揮する。繊細な線も力強い線もどんな色でも思いのまま』
月詠は自分が物語の主人公という柄じゃないと認識している。
自分が合うのはそう、主人公たちをサポートし、導く魔法使いのような役どころ。
だから今こうして目の前で進行していく物語を見守るのが楽しい。
命と理を吹き込んだ主人公らは、今は月詠の手を離れて各々が考えるままに進んでいる。
自分の創造した彼らがどんなイメージでこの世界を彩っていくのか、彼らがどんな成長を遂げるのか、自分の干渉は最低限にしてその様を見届ける楽しみがそこにはあった。
彼らは月詠が想像していたよりも早いペースで世界を彩っていった。
どうやら描き、彩る楽しみを見つけたようだ。
そして彼らがこの世界における最大にして最後の空白に彩りを添えた瞬間、月詠の姿はこの世界から消えた。
「ふむ……」
元の世界、寝子島図書館の片隅にある美術書の本棚の前に戻ってきた月詠はぐるりとあたりを見渡した。
確かに目の前にあった書架から自分は白い本を取り出したはずなのだが、その白い本は自分の手に無く。そして、本が収まっていたはずのスペースにはやはり妙な隙間が出来ていた。
「やはりただの白昼夢ではなかったようだが。残念だな、あの白い本がどうなったか見てみたかったのに」
残念そうに溜息をついて月詠が踵を返せば、トンと肩が誰かとぶつかる。
「ああ、失礼」
「いえ、こちらこそ」
短く謝罪の言葉を口にした月詠の横を一人の少年が通り過ぎた。
(……なんだろうな、この感じ)
正体のわからない違和感を胸に、月詠は見知らぬ背中を見送った。
顔は良く解らなかったが、少年の首に巻かれた真っ白な包帯だけが鮮明に記憶に残った。
白い本はいつの間にか全て図書館から消えていた。
でも紡がれた物語は消えない。それを知っているのは、本の紡ぎ手達と、もう一人……。
『白い本は誰が為に?』
その本当の答えが語られるのは、まだ先のこと。
<< もどる
1
…
6
7
8
9
10
このページにイラストを設定する
あとがき
担当マスター:
本条小鹿
ファンレターはマスターページから!
大変長らくお待たせしました。
今回は参加者の皆様がそれぞれのエピソードでの主人公であり、語られた物語は皆様の為の物語です。
どのシナリオも参加者様全員が主人公なのですが、時にそう感じられないこともあるかと思います。
なんだか自分は他の人と比べて地味かもしれない、他の人に比べて活躍出来てない気がする。
そんな不安や心のしこりを解消できればと思って今回このようなシナリオをご提案させていただきました。
初めての試みで時間がかかってしまい申し訳ありません。
また皆様のおもうような物語になっているか私自身も不安な所があります。
それでも皆様が少しでも楽しめたのなら嬉しく思います。
大切なことなので繰り返し申しますが、全てのシナリオにおいて参加者の皆様全員が主人公だと私は考えます。
ですから気後れせずに自分のやりたいことや想いをアクションにぶつけていただきたいと切に願います。
どうぞこれからも楽しいらっかみ!ライフをお送り下さい。
余談ですが、今回最大の敵は文字数制限の壁でした……(吐血)。
↑ページトップに戻る
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
白い本は誰が為に
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
本条小鹿
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年10月11日
参加申し込みの期限
2013年10月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年10月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!