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白い本は誰が為に
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【華やかではないけれど鮮やかな】
勅使河原 悠
が気がついた時、そこは懐かしい庭だった。
(あれ……私、図書館にいたはずなのに。本を探してて、それで……)
並ぶ本の中で目を惹く一冊の白い本。
それに気付いて手を伸ばしたところまでは覚えている。
(それで、本の中身を確認しようとしたはずなんだけど……ここって)
悠は今自分が立っている庭にも、目の前に建つ日本家屋にも見覚えがある。
寝子島に来るまで過ごしていた、父方の実家だ。
だっていま縁側に座っているのは……。
「お祖母ちゃん……?」
この世を去ったはずの祖母が、穏やかな笑みを浮かべて誰かと話していた。
そしてその様子を柱の陰から覗く幼き日の自分。
(ここは過去の世界なの?)
神魂の影響で色々な事件に巻き込まれたせいで不可思議な現象にも幾分か耐性がつきつつある悠だったが、それでも驚きは隠せない。
(お祖母ちゃん、誰かを占ってる……)
悠の祖母は梅花心易の心得があり、その的中率はとても高かった。
噂を聞いた多くの人が祖母の元に足を運び、占って貰っていたのを悠はよく覚えている。
そしてその人達の多くが占いの結果そのものより、祖母に話を聞いて貰うことを目的にしていることも子ども心になんとなく解っていた。
祖母と話し込んでいた人が不意に泣きだした。
話を聞いていた祖母は穏やかな表情のまま泣く人の手を取り、もう一方の手で宥めるように肩を叩く。
「大丈夫、大丈夫だ」
根拠を説くわけでも、相手の言葉を急かすでもなく、祖母は相手が落ちつくまでそうしていた。
梅花心易は道具を用いず、占断したい内容に関わる日時や関連する事柄から数をとりあげ占う手法をとる。
故に相手の話を聞くことが重要なのだが、祖母はその手法の為にという以上に人の話に最後まで耳を傾け、心を砕き、優しい声で励ました。
気の弱い悠にとっては支えであり、尊敬の対象でもあった祖母。
(あの頃の自分は今よりもずっと気が弱くて、人見知りだったな)
勿論今でもその傾向はあるのだが、この頃程ではないと悠は思う。
祖母の客人が帰った後もなかなか柱の陰から出ることができなくてまごついている幼い日の自分の姿。
「悠。悠、こっちへおいで」
名前を呼ばれて思わず返事をしようと口を開いたが、悠の口から声が出ることはなかった。
(過去には干渉できないってことかしら。でも、これは本当に過去の世界……?)
祖母に呼ばれて柱の陰から飛び出して来た幼い自分の姿を見ながら悠の胸に疑問がわき上がる。
確かによくあった光景だったが、なんとなく違和感があった。
「悠、お前さんは優しい子だ。自分が傷つく以上に、他人が傷つくことを恐れているんだね」
幼い自分の頭を優しく撫でながら祖母は言う。
そして幼い自分の手に持っていた梅花心易の本を預けた。
(こんなこと、言われたかな。それにあの本も、形見分けで貰ったもので手渡されたものじゃない)
現実と噛み合わないいくつかの事柄にここはやはり過去の世界ではないと確信した悠だったが、それでも目の前にいる祖母の姿と声は間違いなく本物で。
「悠、お前さんはそれでいいんだ」
祖母の優しい声が悠の体と心にしみわたる。
「大丈夫」
祖母は幼い自分に言い聞かせていて、今此処にいる自分に語りかけているわけではない。
自分の声は祖母には届かないし、祖母も自分の存在に気づくことはない。
(お祖母ちゃん……)
また大好きな祖母の姿を見ることが出来たのは嬉しいが、寂しさもあった。
「お祖母ちゃん、この本、お祖母ちゃんの占いの本?」
「そうだよ」
「この本読んだら、私もお祖母ちゃんみたいにできる?」
「さて、どうかねぇ?」
幼い自分が祖母に話しかけながら興味津々といった様子で梅花心易の本を開いた、その瞬間。開かれた本から眩い光の洪水が溢れだし、思わず悠は目を固く瞑った。
その直前。
目を完全に瞑る前、祖母がこちらに微笑みかけているように見えた。
「あ……」
気がつけばそこはいつもの図書館だった。
不思議な白い本もない。
梅花心易の本もない。
でも、祖母の声と笑顔の余韻は確かに悠の胸の内にある。
「私は大丈夫だよ、お祖母ちゃん……」
自分にも言い聞かせるように呟いて、悠は図書館を後にする。
今はなんだか、祖母の梅花心易の本を読み直したい気分だった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
本条小鹿
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年10月11日
参加申し込みの期限
2013年10月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年10月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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