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白い本は誰が為に
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【捨てられた少女が捨てられなかったもの】
その物語の舞台は古くて狭い、そしてゴミだけのアパートの一室。
ごそりとゴミ袋の山に埋もれるように寝ていた少女が体を起こす。
(あれ、なんで……ここ)
この物語の主人公、
北美浜 薫子
は小学生だった。
ゴミ袋の山の向こうにあるテーブルには彼女の母親がいる。
(……おかあさん)
薫子の実の母親。
正確に言うなら、産むだけ産んで、育てることを放棄してしまった母親。
薫子を捨てた母親。
しかし、その母親が目の前にいても不思議と薫子の胸には憎いとか、怒りとか、そういった感情は沸きあがってこなかった。
(うち、今すごく幸せやし……)
元いた『物語』では、薫子は衰弱していたところを保護され、心優しい養父母に恵まれて高校生活を満喫している。
それは、ある意味母親に捨てられたからこそ紡がれた物語。
(……でも、今じゃったら変えられる?)
もし、これが夢ではなく、過去の世界だとしたら。
自分が母に捨てられない未来があったのではないかと、そんな考えが薫子の頭をよぎる。
「えー、ほんとぉ!? 行く行く、絶対行くーっ!!」
「っ!?」
懐かしい母の声。
微かに震えた体がゴミ袋の山を崩すが、電話しているらしい母親は一瞥だけしてすぐにお喋りの方へ意識を戻した。
「明日? うん、全然だいじょーぶ。娘? 大丈夫よ、しっかりしてる子だからさー、どうにかなるって。明日から五月だしさー」
この物語の薫子は体は小学生でも、中身は高校生。
だから。
(ちゃーんと理解できたで。これは、うちが捨てられる前の日のことや)
記憶が確かで、この世界が過去に基づくものなら、明日母親は家を出たきり帰ってこない。
行き先も、娘を捨てた理由も告げずに。
(やっぱり、もうどうしようもないんかの……)
部屋に散乱したゴミとゴミ袋、そしてそれに紛れるようにして息をすることを見逃して貰っているだけの自分。
母親の目は自分を見てはくれなかった。
母親の耳に自分の声は届かなかった。
(……いや、違う)
あの頃の自分は、子どもだったから解らないことも多かったけれど。
でも、ずっとおかあさんのことを考えていた。
どうしたらおかあさんが喜んでくれるか、どうしたら、また頭を撫でて褒めてくれるか。
おかあさんが自分を見てくれないのは、自分が悪い子だから。
だからおかあさんに褒められる良い子になろうと、余計なことを喋らないように、邪魔にならないようにしていた。
(捨てられる結果は変わらないかもしれない。でも……)
どんな残酷な真実でも、どんな悲しい結果になっても、それでもなんで自分を捨てるのかを訊きたい。
(だって、その方が後でモヤモヤするよりずっとええ!)
小さな拳をぎゅっと握りしめ、薫子は一歩踏み出す。
電話を終えた母親はテレビの声に耳を傾けながら雑誌に目を落としていた。
「おかあさん」
恐る恐る声をかける。
しかし反応は無い。
もう一度。
「おかあさん」
口の中はカラカラだった。
舌が、喉がくっついているような気がして言葉が紡ぎにくい。
それでも。
「おかあさん」
掠れて震えた声をいくら振り絞っても、母親は依然雑誌に目を落としたままで顔をあげようともしない。
(やっぱり無視しよる……)
あの頃と同じ。
良い子にしていてもしていなくても結局は同じで、自分の声は決して母には届かないのかと思うと薫子の目に熱いものがこみあげてくる。
でも、あの頃とは違う。
ただ与えられるのを待つことしかできなかった、あの頃とは違うのだ。
掌に爪を喰い込ませ、あらん限りの力を込めて声を紡ぎだす。
ずっと心の中で引っかかていたものを取る為の答えを自分の手で、引き寄せ、掴めるように。
「おかあさんっ!」
「何よっ、うるさいわね!!」
怒声と共に雑誌が投げられる。
思い切り顔に当たって痛かったが、それより母親が反応してくれた方が重要だった。
「おかあさん……なんで、なんで、うちを捨てて出て行くん?」
涙を堪えながら見た母親の顔はどこか驚いているように見えた。
そして派手な口紅に彩られた唇が開く。
「……そっか」
語られた内容は、物語の中にいる薫子にしか解らない。
その内容が残酷な内容だったのか、それとも救いのある内容だったのか、物語の外にいる者には行間から察するより他ない。
ただ一つ言えるのは、ずっとひっかかっていたものがとれた薫子の顔は、とてもすっきりしていたということ。
そんな迷いのない少女の表情でこの物語は締めくくられる。
これは過去を乗り越えたものの、抜けない棘を持っていた少女が自らの手で引き抜いた物語。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
本条小鹿
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年10月11日
参加申し込みの期限
2013年10月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年10月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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