せんせいといっしょ：相原先生編｜リアクション

せんせいといっしょ：相原先生編

（あれ？　……なんかみんな、運動する気まんまん？）
　寝子島駅に付いた昌也が見たのは、運動しやすそうな格好をした寝子高の生徒たちだった。きょとんとしていると修と円、千代と目があった。彼はクラスメイトである千代にこっそり問いかけてみる。
「ねぇ、今日は何の集まりだっけ？」
「相原先生と一緒に早朝ランニングするんだよ。やっしーも参加するんだね！」
　その言葉に、「えっ？」と思わず首を傾げる昌也。
「ボクもにゃーくんと一緒に参加するんだよ～。ねー」
　えへへっ、と笑いながら答える円と、傍らで愛らしく返事をするにゃーくん。
「けっこうメンバーが集まったな。お互い、楽しみながら走ろう」
　あたりを見渡しつつ爽やかに笑う修。その３人に礼を述べつつも、昌也はうーん、と内心で考える。
（……このままここに残っていたら俺も走る事になる。消えるなら今のうち？　でも顔見知りとか友達もいるしこのまま消えたら怪しまれそうだなぁ……）

＊５時
「みんなぁ、おっはよーっ！」
　そうこうしているうちにまゆと真央が肩を並べてやってきた。その姿を見つけた竜司が眩い笑顔で駆けつける！
「まゆちゃん先生、おはようございますっ！」
　そう言いながらニャルキーを献上する竜司。それにまゆは笑顔で「ありがとっ」ともらうのだが竜司は更にこんな事を言う。
「俺、がんばります！　だから一番になったら俺とけっこ」
「あ、そういうのは無いから」
「どいひーっ！！？　速攻否定っすか？　ちょっとドキドキしちゃうじゃないですかー！！」
　何時もの事なのか、笑顔で否定するまゆ。それに対し竜司は相変わらずのテンションで返す。慣れているのか同じクラスのメンバーは苦笑する。
　一方、真央は修に対し自転車での並走を勧めていた。彼女は修の体力について心配をしていたのだ。
「修ちゃん、無理しないで欲しいのだ……」
「気持ちだけ受け取っておく。出来る範囲でやるし、無理はしないよ。後木、心配してくれてありがとう」
　それに、わかったのだ、と小さく頷く真央。修の肩に乗っていたにゃーくんは真央の肩に飛び乗り、大丈夫だよ、と言い聞かせるように頬をすり寄せた。

「あれは……？」
　毎日の日課である剣術練習前のランニング中、御剣刀は寝子駅前で首をかしげた。朝早くからそこのロータリーに多くの人が集まっている。よく見ると友達の姿をちらほらと見かける。
　刀が興味を持って集まっている方へ走っていくと小麗と絵梨菜と目があった。挨拶しつつ何の集まりかと問う刀に小麗は未だ眠そうに目をこすりつつ答える。
「今日はまゆちゃん先生の企画で、早朝ランニングなのだ」
「ちょうど先生が来たところだよ。一緒にどう？」
　絵梨菜の誘いに、刀も乗る事にした。普段は一緒に走っている人がいるのだが、今日はいなくて少し寂しいと思っていたのだ。
「皆で走ったほうが、楽しいからな」
　そう言うと、刀は小さく微笑んでまゆの元へ。今からでも参加できるかと質問すれば「もちろんよっ！」と嬉しそうに受け入れてくれた。刀は参加者を見、なかなか楽しい朝になりそうだな、と期待した。

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