【中間テスト】猫パニック！　お手紙も書いてね！？｜リアクション

【中間テスト】猫パニック！　お手紙も書いてね！？

〇テスト１日目

　３年の青山絢は、シーサイドタウンのマンションに従姉妹と二人で暮らしている。
　だが今日は従姉妹は出張に行って不在だった。
（……一人で目が覚めたわ）
　アラームを止めて起き上がる。
　過保護な従姉妹はずいぶん心配していたが。
「私だって一人で起きられるんだから」
　身支度をして鍵をかけ、マンションを出た。

「今日の試験は数学ね」
　テスト初日の最初の試験はいつも数学だった気がする。
（私は数学は得意な方だからそんなに苦労しないけど、苦手な子は本当に苦手なのよね……）
　そんなことを思いながら試験をとく。
　見直しをしても時間を約２０分ほど余らせて答案用紙を書き終えた。
（大丈夫そうね）
　ちょっと緊張が解けたその時。
（えっ？）
　絢は、足元に何かがすり寄るのを感じた。
「ニャー」
　そんな鳴き声もして。
（どういうこと？）
　下を見ると子猫がいた。
　子猫が遊んで欲しいとばかりに彼女の足にまとわりつく。
「ニャー」
「ミャー」
　一匹だけではない。
　そこここで猫の鳴き声がした。
（どういうことなの……）
　猫の頭をなでて落ち着かせようとしながら、困惑する絢。
（私は終わっていたからいいけど……これじゃみんなテストどころじゃないわ）

　智依子は、静かな教室で数学のテストを受けていた。
　テスト内容はそう難しくなく、彼女にとって楽勝だった。
（もっとも、楽勝だからと言って油断はできないわ。ひっかけ問題かもしれない）
　警戒し、慎重に見直しをする。
（まあ、大丈夫そうね）

　キーンコーンカーンコーン。
　数学の試験が終わると同級生たちが寄ってきた。
「おかげで全問解けたよ、智依子さん、ありがとう！」
　といった声をかけてきた。
「どういたしまして。お役に立ててよかったわ」
　智依子は笑顔でそれに答えるのだった。

　そして、空いた時間で今度は社会科の教科書のやノートの見直しをする。
（さあ、泣いても笑っても全力勝負だわ）
　祖父母のおかげで高校に通えているのだから、がっかりさせたくはない。
　就職するときに困らない成績を取りたい。
　そう思い、気合いを入れる智依子だった。

　後日、テストが返却されたが、智依子と彼女と一緒に勉強した子たちはいい成績を収めたのだった。

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