【中間テスト】猫パニック！　お手紙も書いてね！？｜リアクション

【中間テスト】猫パニック！　お手紙も書いてね！？

〇テストが終われば逆ナンへ

　全てのテストが終わった後、２年の水上桜は、食堂で友人の有沢茉奈と落ち合った。
「何にしようかな？」
「私は日替わり定食Ａ！」
　茉奈はホイコーローがメインのA定食を選んだ。
「それじゃあ、私日替わり定食Bにしようかな」　
　桜が選んだB定食は、メインがアジの塩焼きである。

「で、茉奈。今日試験終わったよね？」
「そう、終わったことはもう忘れるわ。これから何する？」
　さっきまで眉間にしわを寄せていたのを忘れたように、明るい調子の茉奈に訊かれた。
「そうね……休んでた部活とかかな」
　桜がちょっと考えて答えると。
「何それ真面目。私は、逆ナンしにシーサイドタウンへ行く！」
　と鼻息を荒くする。
　相変らずこの友人は彼氏が欲しくてたまらないようだ。
（でもなんというか……その情熱が空回りして、友達の私が言うのもなんだけど、結構イタい）
「ああ……そうね、そういうのもいいけど。あ、おいしいわこの塩焼き」
　適当になだめたりいなしたりしつつ食事をする桜だが、茉奈はすっかり自分の世界にはまり込んでいる。
「このホイコーローもうめぇー！　けど今はそんな話をしてる場合じゃないのよ。せっかく試験から解放されたんだし」
　しっかり食べながら、茉奈は語りまくる。
「ぐずぐずしてたらどんどん月日は過ぎていくのよ。夏休みまでに素敵な彼氏を見つけなきゃ！　桜だってのんびりしてられないわよ」
「いや、私は……」
「善は急げよ！　これ食べたらこれから行くわよ、逆ナン！」
「茉奈、声が大きいよ……」

　結局、茉奈の勢いに押されてシーサイドタウンでのナンパに付き合う羽目になってしまった……
　あちこちうろつきまわり、声をかけられたりもしたけれど、案の定茉奈好みの彼氏など見つからなかった。
「くそっ、次こそは！」
　すっかり口が悪くなっている茉奈。
（前途多難ね……）
　彼氏が見つかるまで、この状態が続くのだろうか。
　ため息をつく桜だった。

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