【中間テスト】猫パニック！　お手紙も書いてね！？｜リアクション

【中間テスト】猫パニック！　お手紙も書いてね！？

〇テスト後の教室で

　３年の八神修にとって、勉強は趣味で将来への投資だ。
　試験前に限らずモチベーションは常に高い。
　好きな事を頑張るのは当り前だから。
（日頃からしておけば問題ない）
　と言いつつ期間前には範囲の総纏めもしている。
　成績がいいのは当然のことだった。
　ほぼ不得意科目はないが、特に熱心に取り組む教科は理科だ。
（現代を理解するのに不可欠だからな）
　
　日頃から勉強していても、テストには真剣に取り組む。
　そして４日間の試験の最終科目。
　小論文は新聞部部長である修にとって、ちょっとした気晴らしに近かった。
　テスト日程が発表されたとき、突然の小論文の出現に興味を抱き、情報を集めた。
（発案はあの人だと聞いてる）
　そして猫騒動。
（おそらく彼が起こしたものだな。絆と情操への肯定的事象と捉えれば動機に関しては評価できる）　
　一定の評価を叙述し、その上で、それを個性教育に絡め、学力との両輪にする環境を望む論旨で書き進めた。
『豊かな心と学びを期待します』
　そうまとめた小論文は、小論文の参考書のような構成と完成度であった。
　

　キーンコーンカーンコーン。
　テストが終わり、鞄を持った修は大切な人である七夜あおいの元へ向かった。
「お疲れ様」
「修君も。……今回のテストは大変だったでしょう？　猫がずいぶん集まってたし」
「ああ、最初に猫が一斉に俺に集まってきたときは参ったよ」　
　修は苦笑しながらあおいの表情を観察する。
　明らかに朝よりも明るい。
（試験が終わり、あおいは解放的な気持ちかな）

　他の生徒たちが出ていくのを見ながら、教室を出ようとしない修にあおいが首を傾げる。
「まだ行かないの？」
「ああ。まだ猫は教室にいるね」
　修はすかさず鞄から猫おもちゃと猫オヤツを出した。
「えっ？　すごいね、さすが修君」
　目を丸くして見守っていたあおいが、修に笑顔を向けた。
「猫達にお疲れ様のご褒美あげないか？」
「うん。修君、猫のことまでちゃんと考えてるんだね」
「ああ、あおいも俺も猫も、皆頑張ったからな」
（あおいが楽しめるよう、猫との遊びで癒しになれれば）
　そんな思いを胸におもちゃで猫と戯れながら、修はつぶやく。
「猫達にも試験はあるのかな」
「えー？　学校はないけど、どうなのかな？」
　猫にオヤツをあげながら、あおいが楽しそうに笑う。
「今度テオに聞いてみようか」

　二人は、先生が猫たちを連れ出しに来るまでたくさん猫たちと交流した。