【中間テスト】猫パニック！　お手紙も書いてね！？｜リアクション

【中間テスト】猫パニック！　お手紙も書いてね！？

〇猫よりごはん

　２年の楡宮遠海は、テスト最終日を迎えていた。
　今回のテストは猫がみーみーと鳴いたり、こっちに懐いてきたりで猫まみれなテストであった。
（その中で答案用紙を守りつつテストを受けるのはどれだけしんどかったことか……）
　そのしんどいテストもどうにか、最終科目である小論文で終わりを迎えつつあるが……。

（「これからの寝子島高校」がテーマだけど、何を書いたらいいのやら）
　うーんと首をひねる遠海。
　その間にも隙あらばじゃれつこうとする猫が手を伸ばしてくる。
　それを軽くいなしつつ、
（テストが終わってからお昼は何を食べようかな）
　などと考えつつ、原稿用紙の升目を埋めていく……

（この前学食であった『春を丸ごと！いただきますフェア』とか、『１００円朝食』みたいな企画をどんどん出してほしいかな）
　細身の外見に反して大食漢な遠海にとって、学生食堂のメニューはとても大事な問題だ。
　春を丸ごとフェアでは、たけのこ、かつおにあじ、じゃがいも、マンゴー、ほたるいか、アスパラガスといった旬の食材をふんだんに使った新メニューが提供された。
　そして１００円朝食は、朝の食事をおろそかにしがちな学生に、栄養バランスが良く美味しい朝食を格安で提供する企画だ。
　それらがどんなに素晴らしい企画であるか説明し、さらに、
『猫と一緒に生きるのもいいけど、それにはやはりおいしいご飯をたくさん食べられてこそですよね』
　みたいなことをつらつらと書いて行って、あっという間に原稿用紙が埋まった。
（こんなもんでいいかな？）

　キーンコーンカーンコーン。
　四日間の激闘（？）が終わり、遠海は伸びをして、学食へ足を向けた。
「くーださいなっ」
「はいよ」
　といつものようにおばちゃんに購入した食券の束を渡して、これから魅惑のお昼ごはんタイムが始まるのだった。